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ビン争奪戦⑥
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レオンが人質に取られた。
「まさかと思うが・・・術を覚えさせたくないためにここまでしたのか」
「他に何かある」
アキセが睨みつける。
動機が単純すぎる。
「ジャンヌの苦労が良く分かる」
「あらあら。これからどうするつもりなの?」
ウィムが何もなかったようにアキセに近寄る。
「そうだな。あいつの魔力を奪う」
「こいつ」
手に怒りを込める。
「あ・・・」
ウィムが後ろ向いた途端に、風と鈴の音と共に消えた。
「あ?」
アキセの腰に後ろから抱き着かれる。
「え?」
「くたばれえええええええええええええええええええええええ!」
怒りに燃えたジャンヌがアキセを反り投げ、頭から地面に叩きつける。その衝撃は地面を揺らすほどだった。
「クソ!逃げられた!」
ジャンヌはアキセをボコボコにし、土に埋めようとしたところでアキセは逃げられた。
「は~気持ち悪かった・・・」
胡坐をかいたレオンが疲れたように言う。
レオンの口が封じたものが魔術で分かれば、ジャンヌが触れただけで消えた。ビンの中であちこち振り回された。とても疲れ切っている。
「ごめんね。レオン。いろいろと」
「え?何が?」
「え~とね。イルが精霊術を教わりたいってことから始まってね」
「イルって、そこの」
レオンがイルに指を指す。
「そうだか」
「なんで使えるんだよ」
「まあ、話しが長くなるけど、イルは精霊術を覚えたばかりで、もっと詳しく知りたいの。それで・・・」
「それで俺を頼ったのか」
レオンが嬉しそうに胸を張る。
「ジャンヌ。こいつ。大丈夫か」
「イル。疑わないで。実力は本物よ」
思い出した。そういえば、レオンにはエルフェイムの疑いがあるんだった。
「そういえば、レオンはエルフェイムなの?」
「は?」
レオンが首をかしげる。
「あれ、知らない?エルフで」
「俺にエルフの話をするなあああああああああああああああああああああああああああああああ」
嫌なことをでも思い出したように急変したレオンが走り去ってしまった。
「え・・・」
「急にどうしたんだ?」
そういえば、老若男女関係なしに惑わすって以前ハロルトが言っていた。もしかしたら、何かしらあったのだろうか。
「で、エルフェイムってなんだ?」
「エルフェイムは精霊(スピリット)に愛されているエルフで、周辺にいる精霊を独占して、普通のエルフが精霊術を使えなくなるっていうことを今思い出した。ごめん」
「おい!」
あの苦労はなんだったと後悔するイルであった。
「まさかと思うが・・・術を覚えさせたくないためにここまでしたのか」
「他に何かある」
アキセが睨みつける。
動機が単純すぎる。
「ジャンヌの苦労が良く分かる」
「あらあら。これからどうするつもりなの?」
ウィムが何もなかったようにアキセに近寄る。
「そうだな。あいつの魔力を奪う」
「こいつ」
手に怒りを込める。
「あ・・・」
ウィムが後ろ向いた途端に、風と鈴の音と共に消えた。
「あ?」
アキセの腰に後ろから抱き着かれる。
「え?」
「くたばれえええええええええええええええええええええええ!」
怒りに燃えたジャンヌがアキセを反り投げ、頭から地面に叩きつける。その衝撃は地面を揺らすほどだった。
「クソ!逃げられた!」
ジャンヌはアキセをボコボコにし、土に埋めようとしたところでアキセは逃げられた。
「は~気持ち悪かった・・・」
胡坐をかいたレオンが疲れたように言う。
レオンの口が封じたものが魔術で分かれば、ジャンヌが触れただけで消えた。ビンの中であちこち振り回された。とても疲れ切っている。
「ごめんね。レオン。いろいろと」
「え?何が?」
「え~とね。イルが精霊術を教わりたいってことから始まってね」
「イルって、そこの」
レオンがイルに指を指す。
「そうだか」
「なんで使えるんだよ」
「まあ、話しが長くなるけど、イルは精霊術を覚えたばかりで、もっと詳しく知りたいの。それで・・・」
「それで俺を頼ったのか」
レオンが嬉しそうに胸を張る。
「ジャンヌ。こいつ。大丈夫か」
「イル。疑わないで。実力は本物よ」
思い出した。そういえば、レオンにはエルフェイムの疑いがあるんだった。
「そういえば、レオンはエルフェイムなの?」
「は?」
レオンが首をかしげる。
「あれ、知らない?エルフで」
「俺にエルフの話をするなあああああああああああああああああああああああああああああああ」
嫌なことをでも思い出したように急変したレオンが走り去ってしまった。
「え・・・」
「急にどうしたんだ?」
そういえば、老若男女関係なしに惑わすって以前ハロルトが言っていた。もしかしたら、何かしらあったのだろうか。
「で、エルフェイムってなんだ?」
「エルフェイムは精霊(スピリット)に愛されているエルフで、周辺にいる精霊を独占して、普通のエルフが精霊術を使えなくなるっていうことを今思い出した。ごめん」
「おい!」
あの苦労はなんだったと後悔するイルであった。
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