魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク サイドストーリー篇

白崎詩葉

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危険な二人④

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「今すぐに解放しろ!つーか1分も経たない内に来やがって!逃げるタイミング逃したじゃないか!」
 ジャンヌはアキセの胸倉をつかみ、怒鳴りつける。
「ほら、ある意味運命共同体だからさ。困ったときには一緒に・・・」
「どこからそんな単語を覚えてきた!こぉらぁ!」
「ここから出たいなら、コルンをどうにかするか。壁に穴を空けて逃げるしかできません」
 ヘラヘラというアキセにイラつく。完璧に巻き込ませる気満々だ。絶対にアキセの思惑通りに行くものか。
「思いついた」
「え?」
 ジャンヌはアキセを殴る。


「コルン~!」
 ジャンヌは指輪を取り上げ、縄で縛りつけたアキセを引きずる。
コルンに突き出すことにした。
 その時、巨大な鎧が飛んできた。
「あ!聖女!」
 コルンの声がする。
――また変なのに乗っているな
「こいつ。渡すからさ。条件二つお願いしてくれる」
「おま!」
「二つ?」
 コルンはアキセにしか目がない。手に入れるなら手段を選ばない。条件に乗るはず。
「ここから出すのと。指輪を・・・」
「騙されちゃ!ダメ!」
 タイミング悪くペルチェが現れる。
――空気読めよ。狂暴魔女が
「そこの悪党らは騙すつもりよ!油断したところを狙って、倒す算段よ!」
 余計なことを言うな。
「いや、そんなつもりじゃあ・・・」
「そうか。騙されるところだった!」
「訊けや!人の話を!」とジャンヌは声を上げる。
「「ファイヤー!」」
 人の話を聞かずにコルンとペルチェは攻撃する。
 コルンは鎧の手から炎を噴射し、ペルチェは杖を大きく振り、綿が迫ってくる。
 ジャンヌは足に白い炎を噴射し、距離を取る。炎と綿がぶつかり、大爆発が起きる。
咄嗟に木陰に隠れ、衝撃波から免れる。
 コルンのはまだしも、ペルチェの綿には爆弾が混じっているようだ。これだから油断できない。
――あ、アキセを置いてきたけど、死んだかな。さすがに
「ジャンヌ!置いていくな!」
 焦げたアキセが現れた。
――なんで生きているの
 その前に。
「ほら!協力してやるから!ここから出せ!」
「突き出して、放置してよく言うぜ」
「あんただって、私を巻き込ませたじゃないか!」
「分かったから。指輪を返して」
 アキセは手を出す。
「たく!」
 アキセに指輪を渡そうとしたが、横から来たクマのぬいぐるみに奪われる。
「「あ!」」
その時、「成敗!」とペルチェが杖を振り下ろす。咄嗟に横に跳ぶ。
アキセはすぐに指輪を持ったクマのぬいぐるみを追いかける。
 武器がないにしろ、ペルチェと相手するとは。
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