魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク サイドストーリー篇

白崎詩葉

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オカマシスターズ④

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 木陰に隠れる。
「おま!どうやって!」
「黙ってろ」
 (アキセの姿をした)レオンは、(レオンの姿をした)アキセに口を塞がれる。
「もう、カロッサのおかげで逃げたじゃないの」
 もう追い付いてきた。
 カロッサはアキセを追いかけてきたオカマだった。長い茶髪に豚のような体を膨らみ、大きいワンピースを着ている。
 血走った瞳で拘束された土の柱を壊していた。動いたところですぐに逃げた。
「リーズとクルツがいるとは思わなかったのよ」
「まだ遠くには逃げてはいないはずだけどね」
「そうね。ラムナと合流してからまだ探しましょう」
 うわー早く逃げなくては。他にも仲間がいるのか。
「そういえば、ユーベルは?」
「別の用事があって、遅れてくるそうよ」
「あら~楽しみね~」
 しかもユーベルの知り合い。その名前を訊いただけで血の気が引いた。
 3人のオカマが奥へと行く。
「行った・・・」と安心したところで急にパキっと木が折れた。
「「うわ!」」
 咄嗟に横に跳び出す。
「見つけたわよ~」
 木を折れた先に立っていたのは、リーズだった。
 さっき。向こうに行ったのにもう戻ってきた。
「さすがね。リーズ」
 クルツとカロッサが近づいてくる。
 アキセは隠し持っていた杖で記号を描き、姿を消す。


 こういう時に『なんでも遮断マント』があれば逃げられるのに。
 木の上で、オカマたちから逃げるレオンを眺めていた。
 そういえば口を塞いだ時に魔力を使って、声を奪った。入れ替わっても魔力は使えるようだ。
 姿変えたにしても表面上だけのようで、完全に体まで変身していないようだ。前回ジャンヌが魔女と入れ替わったのとまた違う。
 けど今のレオンは精霊術使えない。
 とりあえず、ほっとこう。先に指輪を探そう。
 指輪を集中してみても、どうやらレオンは持っていない。どこかで落としたようだ。レオンとは逆の方向に指輪を感じる。
 魔力が使えるなら、発明品の効能も抜きとれる。オカマに追い回されて気付けなかった。
 早速魔力で効能を抜き取り、元の姿に戻った。オカマに見つかる前に、早く指輪を見つけ、ここから離れよう。


 まさか、ジャンヌが指輪を拾ったとは。
 アキセは木陰から指輪を見つけたジャンヌを見つめる。
 このまま出でも指輪を素直に返してくれない。レオンの姿なら話を訊いてくれる。
 さっき奪った効能を魔力で入れ、またレオンの姿になり、ジャンヌの前に出る。


 現在


「そういうことだったの」
「はい・・・」
 レオンの姿をしたアキセが言う。
「あと回想長い」
「そこ突っ込む?」
 アキセを無視する。
この間とはまだ別な。
 この間は魔女と聖女が入れ替わったけど、今回は姿を変えただけなのか。
「もうコルンと連絡とれなくなって、ジャンヌさんなら何か知っているかと」
 アキセの声でレオンは言う。アキセから声を返せた。
「私が一声上げれば、多分コルンと連絡取れると思うけど・・・」
「つーか。指輪を返せ!」
 縄に拘束したアキセが言う。
「とりあえずアキセを置いてコルンの元に行くしかないね」
「ちょ!」
 その時目の前でドスっと何かが落ちてきた。
 二つに結んでいる黒髪。筋肉質な体。大きな襟にリボンをつけた服に短いスカートをはいている。
「見つけたわよ~」
 話に訊いていたオカマが来てしまった。
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