305 / 648
雨粒の魔女⑤
しおりを挟む
ジャンヌはロザリオで払い、ビアムの首が離れる。
その時、体だけ残ったビアムが裏拳する。
ジャンヌは顔に受けるも、ビアムから距離を取る。
「ち。死に損ないが」
ジャンヌは睨みつける。
「不意打ちサイて~」
ビアムは、頭と体をくっつけながら言う。
「不意打ち上等だ!こおら!」
ジャンヌは距離を詰める。
その時、周囲の雨粒が、銃弾のように迫ってくる。白い炎を薄く張り、迫ってくる雨粒を浄化する。
「むう」
ビアムは頬を膨らませる。
一粒の『呪い』の量が少ない。これだけの白い炎の壁でも十分だが、それでも『光』の消耗を狙っているから、長期戦には持ちたくない。
ビアムは領域が狭い。体が雨粒となって分解される。ただ雨粒になって、攻撃はしない。小さくなった雨粒が、『光』に耐えきれるとは思えないからだ。
だったら。
周囲に白い炎を波のように放ち、雨粒を浄化させる。ビアムが雨粒を作る前に、すぐに包み込む。
ビアムの体が変わっていく。包まれる前に分解して逃げ出すつもりだ。
すぐに白い炎を放とうとするが、ビアムの体から氷の針が伸びる。
――余計なことを
ビアムは逃げることもなく、白い炎に包まれる。
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああ」
さらにロザリオで白い炎ごとビアムを斬る。
雨が徐々に弱まり、雲が明るくなってきた。
アキセは木に体を預けている。
アキセの手足に血がついているが、止まっている。よく見れば、手足に記号が描いている。それで血を止めているようだ。
そんなことより、すかさずアキセの胸倉を掴む。
「この際はっきり言う!」
アキセに怒鳴る。
「え?」
アキセが唖然している。
「どうせ、あんたは学習も懲りることもできない。消えろって言ったってしつこくついてくる。あんたの行いも許すつもりもない。信用もできない。だったら覚悟しろ!その分たっぷり痛めつけて利用してやるからな!」
その時、日差しが届く。
「ふ」
アキセが薄く笑う。
「こえ~女だ。それにお答えしようか。これからも」
アキセに腕を掴まれ、じっと見つめる。
「ここまで言って。めげないあんたの精神にも呆れる」
すぐにアキセから腕を払う。
「どうせ、さっきの約束なんて守るつもりも・・・」
「したんだけどな」
その発言で思わず、目を見開く。
「そんなわけ・・・」
「ジャンヌが退治したから、守る必要がなくなった」
アキセがまた軽く笑う。
「また!」
「そもそもも信じられないなら、なんで俺が魔女と戦うと思ったんだよ」
思わず、言葉を失う。
「あの場から逃げるっていう選択肢もあったんだ。それに君が見捨てるっていうのも。なのに。魔女を退治に行くと思った。なんでだ」
「・・・う」
思わず顔が熱くなる。
「つまり、俺のことをし・・・」
ゴンガンゴンガンゴンガンゴンガンゴンガン。
銃弾のようにアキセを殴る。
「ふん!くたばれ!」
ジャンヌはさっさと歩いていく。
ジャンヌの脅迫めいたあの発言に笑ってしまう。別の見方だと追いかけてもいいことになる。
アキセは思わず高笑いする。
「これからもからかってやる」とにやっと笑う。
その時、体だけ残ったビアムが裏拳する。
ジャンヌは顔に受けるも、ビアムから距離を取る。
「ち。死に損ないが」
ジャンヌは睨みつける。
「不意打ちサイて~」
ビアムは、頭と体をくっつけながら言う。
「不意打ち上等だ!こおら!」
ジャンヌは距離を詰める。
その時、周囲の雨粒が、銃弾のように迫ってくる。白い炎を薄く張り、迫ってくる雨粒を浄化する。
「むう」
ビアムは頬を膨らませる。
一粒の『呪い』の量が少ない。これだけの白い炎の壁でも十分だが、それでも『光』の消耗を狙っているから、長期戦には持ちたくない。
ビアムは領域が狭い。体が雨粒となって分解される。ただ雨粒になって、攻撃はしない。小さくなった雨粒が、『光』に耐えきれるとは思えないからだ。
だったら。
周囲に白い炎を波のように放ち、雨粒を浄化させる。ビアムが雨粒を作る前に、すぐに包み込む。
ビアムの体が変わっていく。包まれる前に分解して逃げ出すつもりだ。
すぐに白い炎を放とうとするが、ビアムの体から氷の針が伸びる。
――余計なことを
ビアムは逃げることもなく、白い炎に包まれる。
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああああ」
さらにロザリオで白い炎ごとビアムを斬る。
雨が徐々に弱まり、雲が明るくなってきた。
アキセは木に体を預けている。
アキセの手足に血がついているが、止まっている。よく見れば、手足に記号が描いている。それで血を止めているようだ。
そんなことより、すかさずアキセの胸倉を掴む。
「この際はっきり言う!」
アキセに怒鳴る。
「え?」
アキセが唖然している。
「どうせ、あんたは学習も懲りることもできない。消えろって言ったってしつこくついてくる。あんたの行いも許すつもりもない。信用もできない。だったら覚悟しろ!その分たっぷり痛めつけて利用してやるからな!」
その時、日差しが届く。
「ふ」
アキセが薄く笑う。
「こえ~女だ。それにお答えしようか。これからも」
アキセに腕を掴まれ、じっと見つめる。
「ここまで言って。めげないあんたの精神にも呆れる」
すぐにアキセから腕を払う。
「どうせ、さっきの約束なんて守るつもりも・・・」
「したんだけどな」
その発言で思わず、目を見開く。
「そんなわけ・・・」
「ジャンヌが退治したから、守る必要がなくなった」
アキセがまた軽く笑う。
「また!」
「そもそもも信じられないなら、なんで俺が魔女と戦うと思ったんだよ」
思わず、言葉を失う。
「あの場から逃げるっていう選択肢もあったんだ。それに君が見捨てるっていうのも。なのに。魔女を退治に行くと思った。なんでだ」
「・・・う」
思わず顔が熱くなる。
「つまり、俺のことをし・・・」
ゴンガンゴンガンゴンガンゴンガンゴンガン。
銃弾のようにアキセを殴る。
「ふん!くたばれ!」
ジャンヌはさっさと歩いていく。
ジャンヌの脅迫めいたあの発言に笑ってしまう。別の見方だと追いかけてもいいことになる。
アキセは思わず高笑いする。
「これからもからかってやる」とにやっと笑う。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
冤罪で追放した男の末路
菜花
ファンタジー
ディアークは参っていた。仲間の一人がディアークを嫌ってるのか、回復魔法を絶対にかけないのだ。命にかかわる嫌がらせをする女はいらんと追放したが、その後冤罪だったと判明し……。カクヨムでも同じ話を投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
私も処刑されたことですし、どうか皆さま地獄へ落ちてくださいね。
火野村志紀
恋愛
あなた方が訪れるその時をお待ちしております。
王宮医官長のエステルは、流行り病の特効薬を第四王子に服用させた。すると王子は高熱で苦しみ出し、エステルを含めた王宮医官たちは罪人として投獄されてしまう。
そしてエステルの婚約者であり大臣の息子のブノワは、エステルを口汚く罵り婚約破棄をすると、王女ナデージュとの婚約を果たす。ブノワにとって、優秀すぎるエステルは以前から邪魔な存在だったのだ。
エステルは貴族や平民からも悪女、魔女と罵られながら処刑された。
それがこの国の終わりの始まりだった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
悪役令嬢は処刑されました
菜花
ファンタジー
王家の命で王太子と婚約したペネロペ。しかしそれは不幸な婚約と言う他なく、最終的にペネロペは冤罪で処刑される。彼女の処刑後の話と、転生後の話。カクヨム様でも投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】そして、誰もいなくなった
杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」
愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。
「触るな!」
だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。
「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」
騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。
そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。
そして誰もいなくなった。
彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。
これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。
◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。
3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。
3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました!
4/1、完結しました。全14話。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
1人生活なので自由な生き方を謳歌する
さっちさん
ファンタジー
大商会の娘。
出来損ないと家族から追い出された。
唯一の救いは祖父母が家族に内緒で譲ってくれた小さな町のお店だけ。
これからはひとりで生きていかなくては。
そんな少女も実は、、、
1人の方が気楽に出来るしラッキー
これ幸いと実家と絶縁。1人生活を満喫する。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
仰っている意味が分かりません
水姫
ファンタジー
お兄様が何故か王位を継ぐ気満々なのですけれど、何を仰っているのでしょうか?
常識知らずの迷惑な兄と次代の王のやり取りです。
※過去に投稿したものを手直し後再度投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる