274 / 648
獅炎の魔女②
しおりを挟む
「あ~いたいた」
岩山に着いた。岩の陰で、ジャンヌはボルガと様子を見ていた。
火の魔女が何人も囲み、ヒュパティアを痛めつけている。蹴ったり、焼いたりと嫌らしく痛めつけ、火の魔女たちは笑っている。
魔女らしい嫌がらせ。
「よかったね。まだ生きているよ」
ボルガが陽気に言う。
「じゃあ。とっとと終わらせよう」
「え?!」
ボルガが岩陰から飛び出す。
立っていた火の魔女の目の前に着地する。目にも留まらない速さで回し蹴る。火の魔女の頭を蹴り飛ばす。さらに手を上げ、体を真っ二つにする。
あっという間に魔女の1人を退治した。
他の火の魔女たちは、怯えて逃げていく。ボルガをそれほど恐れられているのか。
「あ~あ。最近の魔女は手ごたえなくてつまらないよ」
ボルガは呆れるように言う。
今は怖気づいている場合ではない。ここからは逃げきれるかの勝負。
ジャンヌは白い炎を飛ばす。
ボルガは白い炎をまともに当たる。さらに白い炎を飛ばし、ボルガの前に壁のように広がる。
あれで浄化するとは思えない。目くらましにしかならないが、少しでも時間を稼ぎたい。
ジャンヌはすぐにヒュパティアに駆け寄る。
ヒュパティアは体中に火傷しているが、まだ息がある。抱えて逃げようとしたが。
「だ~め」
ボルガがヒュパティアを取り上げ、岩に投げつける。
「は・・・」
いつの間に。足音すら立っていなかった。白い炎の壁まで作ったのに、壊れた様子もない。よく見れば、ボルガの体に白い炎が全く浄化されてない。
「何。逃げようとしてるの。ダメだな~」
ボルガが笑顔で圧をかける。
「せっかくこれから邪魔をされずに君とやれるんだからさ」
ボルガは体を伸ばす。
「やっぱり」
目的がジャンヌと戦うことだったのか。
「ヒュパティアをサバトに引き渡したのは、私と戦うためなの」
「それは違うよ。そこの聖女が単に捕まっただけ。ただこれでジャンヌが来るかなと思って、君が疲れない内にさっさと倒したんだよ」
「それって私じゃなかったらどうしたのよ」
「あ、そこまでは回らなかった」
変なところでボケるな。
「けど、ジャンヌが来てくれてよかった」
ボルガは、ジャンヌが戦わせる状況になるために、救出を手伝い、聖女の力を使わせないためにさっさと魔女を倒した。
「俺は強い奴と戦いんだ。特に火を使う者とね。ジャンヌも目をつけていたんだ。それに赤の聖女ラクシュミー・バーイーと赤の聖女オリガでしょ」
「オリガはいないわよ」
赤の聖女はラクシュミーだか、以前はオリガも聖女の名を持っていた。
会ったことはないが、話では追放したと訊く。
「え?死んでいないでしょ。まあ、その内相手はするけどね。今はジャンヌと戦いたい」
目つきが変わった。獲物を狩るような目だった。
「これで楽しく戦おうぜ!」
手を鳴らしながら言うボルガの目の前に突然、一つの文字が浮かぶ。青く光る文字から水が噴き出す。
その時、背後から腕を掴まれる。振り向けば、アキセがいた。
「来い!」
アキセと一緒に消える。ヒュパティアを置いて。
岩山に着いた。岩の陰で、ジャンヌはボルガと様子を見ていた。
火の魔女が何人も囲み、ヒュパティアを痛めつけている。蹴ったり、焼いたりと嫌らしく痛めつけ、火の魔女たちは笑っている。
魔女らしい嫌がらせ。
「よかったね。まだ生きているよ」
ボルガが陽気に言う。
「じゃあ。とっとと終わらせよう」
「え?!」
ボルガが岩陰から飛び出す。
立っていた火の魔女の目の前に着地する。目にも留まらない速さで回し蹴る。火の魔女の頭を蹴り飛ばす。さらに手を上げ、体を真っ二つにする。
あっという間に魔女の1人を退治した。
他の火の魔女たちは、怯えて逃げていく。ボルガをそれほど恐れられているのか。
「あ~あ。最近の魔女は手ごたえなくてつまらないよ」
ボルガは呆れるように言う。
今は怖気づいている場合ではない。ここからは逃げきれるかの勝負。
ジャンヌは白い炎を飛ばす。
ボルガは白い炎をまともに当たる。さらに白い炎を飛ばし、ボルガの前に壁のように広がる。
あれで浄化するとは思えない。目くらましにしかならないが、少しでも時間を稼ぎたい。
ジャンヌはすぐにヒュパティアに駆け寄る。
ヒュパティアは体中に火傷しているが、まだ息がある。抱えて逃げようとしたが。
「だ~め」
ボルガがヒュパティアを取り上げ、岩に投げつける。
「は・・・」
いつの間に。足音すら立っていなかった。白い炎の壁まで作ったのに、壊れた様子もない。よく見れば、ボルガの体に白い炎が全く浄化されてない。
「何。逃げようとしてるの。ダメだな~」
ボルガが笑顔で圧をかける。
「せっかくこれから邪魔をされずに君とやれるんだからさ」
ボルガは体を伸ばす。
「やっぱり」
目的がジャンヌと戦うことだったのか。
「ヒュパティアをサバトに引き渡したのは、私と戦うためなの」
「それは違うよ。そこの聖女が単に捕まっただけ。ただこれでジャンヌが来るかなと思って、君が疲れない内にさっさと倒したんだよ」
「それって私じゃなかったらどうしたのよ」
「あ、そこまでは回らなかった」
変なところでボケるな。
「けど、ジャンヌが来てくれてよかった」
ボルガは、ジャンヌが戦わせる状況になるために、救出を手伝い、聖女の力を使わせないためにさっさと魔女を倒した。
「俺は強い奴と戦いんだ。特に火を使う者とね。ジャンヌも目をつけていたんだ。それに赤の聖女ラクシュミー・バーイーと赤の聖女オリガでしょ」
「オリガはいないわよ」
赤の聖女はラクシュミーだか、以前はオリガも聖女の名を持っていた。
会ったことはないが、話では追放したと訊く。
「え?死んでいないでしょ。まあ、その内相手はするけどね。今はジャンヌと戦いたい」
目つきが変わった。獲物を狩るような目だった。
「これで楽しく戦おうぜ!」
手を鳴らしながら言うボルガの目の前に突然、一つの文字が浮かぶ。青く光る文字から水が噴き出す。
その時、背後から腕を掴まれる。振り向けば、アキセがいた。
「来い!」
アキセと一緒に消える。ヒュパティアを置いて。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
冤罪で追放した男の末路
菜花
ファンタジー
ディアークは参っていた。仲間の一人がディアークを嫌ってるのか、回復魔法を絶対にかけないのだ。命にかかわる嫌がらせをする女はいらんと追放したが、その後冤罪だったと判明し……。カクヨムでも同じ話を投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
悪役令嬢は処刑されました
菜花
ファンタジー
王家の命で王太子と婚約したペネロペ。しかしそれは不幸な婚約と言う他なく、最終的にペネロペは冤罪で処刑される。彼女の処刑後の話と、転生後の話。カクヨム様でも投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
私も処刑されたことですし、どうか皆さま地獄へ落ちてくださいね。
火野村志紀
恋愛
あなた方が訪れるその時をお待ちしております。
王宮医官長のエステルは、流行り病の特効薬を第四王子に服用させた。すると王子は高熱で苦しみ出し、エステルを含めた王宮医官たちは罪人として投獄されてしまう。
そしてエステルの婚約者であり大臣の息子のブノワは、エステルを口汚く罵り婚約破棄をすると、王女ナデージュとの婚約を果たす。ブノワにとって、優秀すぎるエステルは以前から邪魔な存在だったのだ。
エステルは貴族や平民からも悪女、魔女と罵られながら処刑された。
それがこの国の終わりの始まりだった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】そして、誰もいなくなった
杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」
愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。
「触るな!」
だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。
「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」
騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。
そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。
そして誰もいなくなった。
彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。
これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。
◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。
3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。
3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました!
4/1、完結しました。全14話。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
1人生活なので自由な生き方を謳歌する
さっちさん
ファンタジー
大商会の娘。
出来損ないと家族から追い出された。
唯一の救いは祖父母が家族に内緒で譲ってくれた小さな町のお店だけ。
これからはひとりで生きていかなくては。
そんな少女も実は、、、
1人の方が気楽に出来るしラッキー
これ幸いと実家と絶縁。1人生活を満喫する。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
仰っている意味が分かりません
水姫
ファンタジー
お兄様が何故か王位を継ぐ気満々なのですけれど、何を仰っているのでしょうか?
常識知らずの迷惑な兄と次代の王のやり取りです。
※過去に投稿したものを手直し後再度投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる