魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク サイドストーリー篇

白崎詩葉

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認めなかった末路②

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「レグンってこいつ?」
 ジャンヌはアキセに指を指す。
「そうです!」
 カトリナは声を上げる。
「あ~昔使った名前だ」
 そういえば、ユーベルの時も名前を変えて逃げたと言っていた。
「いや~女学生とやりたくなって、学校に忍び込んでやりまくったわ。皆の初めてを奪い取ったもんだ」
 懐かしむようにアキセが笑顔で言うから、水晶玉が飛んできた。顔がそれただけで水晶玉は奥の木を倒す。
 おしい。
「で、調子込んで教師狙ったのが悪かった。さすがにバレちゃって。名前を変えて逃げたんだ。全生徒制覇一歩手前だったんだよな」
 アキセが少し後悔するような言い方をする。
「サイテ~」
 ゴミを見る眼差しを向ける。
「絵にかいたような女の敵ね」
「やっぱり思いますよね」
「いいじゃないか。早く大人の階段を登ったんだからさ」
「殺します!」
カトリナのローブの袖から水晶玉がいくつも飛び出す。
「思い出した!カトリナ・エリゴール」
「気安く呼ばないで!」
 水晶玉から光線が伸びる。
「お」
 アキセは足元にウェズボードを召喚し、森の奥へと飛んでいく。
 光線は、アキセに当たることなく、周辺の木に貫通する。
「逃がしません!」
 水晶玉は森の奥へと飛んでいく。怒りのカトリナは逃げるアキセを箒に乗って、空へと飛ぶ。
「ふ~ん」
 そんな二人を眺めるジャンヌだった。


 アキセはウェズボードに乗り、木を避けながら、襲ってくる水晶玉から逃げる。
 水晶玉から伸びる光線は木を貫通し、その穴を通って追いかける。
「容赦ないな」
 障害物で混乱するかと思ったが、甘かったか。
「技術は高いが、魔術で負ける気はないな」
 アキセは召喚した散弾銃を撃つ。弾は、無数に散らばり迫ってくる水晶玉を破壊する。
 その時、空から光線が迫ってくる。これは水晶玉より破壊力がある。
「まず!」
 魔術を描く余裕がない。
 瞬時に手元に『飛ばしコイン』を召喚し、空に転送する。
 空に逃げきれた。
 森を向ければ、森に穴が空いたように、木が消えていた。
 完璧に殺しにきている。
「本当にしぶとい!」
 声をした方へ向ければ、カトリナは人が乗れるほどのライフル銃に乗っていた。あのタイプは初めて見る。
「いい武器持ってるな。どこで手に入れた?」
「死ね!」
 カトリナが銃に魔弾をため込んでいる。
 あとで情報を聞き出そう。
 カトリナの背後からまだ水晶玉が飛び出してきた。
 ため込んでいる間は水晶玉が攻撃するというわけか。
 ウェズボードで森の中へと降りようとした時だった。
「うわ!」
 急にカトリナが落ちた。
「なんだ?」
 急にウェズボードが起動しなくなった。
「え!あ!」とバランスを崩し、「うわ!」と顔から木にぶつかる。
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