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星が生まれる日②

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「先輩。あの方とはどういう?」
 スピカに乗ったアタランテに訊かれる。
「彼はラ・イル。魔女の被害者で私が助けたのよ」
「そうだったんですか。仲間にはしないんですか?」
「いつかはしたいけどね」
「いつか?」
「魔女のこともあったから関わりたくないのよ。彼。けど、頼りのある男って貴重だから無視できないのよ」
「先輩。まだストーカーにつきまとわれているんですね」
「本当に・・・」
 思い出しただけで怠くなる。
「ん。見つけた!」
 アタランテとスピカは先に走り出す。ジャンヌも追いかける。
 森の奥で光っている。その手前で先に行ったアタランテとスピカが止まっている。
「どうしたの?」
 森の向こうで星獣(アストラ)を見つけた。
 大型のイタチだった。だか、星獣(アストラ)の様子がおかしかった。体中から『光』が溢れ、苦しんでいるようだった。
「あの子。少し・・・」
「力が制御しきれていない・・・」
「制御か」
 生まれたばかりだから、制御しきれていないということだろうか。
 その時、背後から銃声。
 ジャンヌは振り向き、咄嗟にロザリオで払う。ロザリオに弾いたのは木に刺さる。それは透明な宝石の矢だった。
 ジルコニア。
 ジルコニアは、『呪い』や『光』の吸収性が高い人工鉱物。聖女に向かってジルコニアを使った。聖女の力を知っている者。聖女以外に考えられるのは一つだけ。
 おそらく相手は聖騎士団。
 聖騎士団は、教会の攻撃部隊。『呪い』、魔を持つ者を排除し、そして聖女狩りも行う。聖女は宗教の象徴。聖女を所持することでより宗教が強大になる。捕獲された聖女は、教会に連行され、洗脳され、操り人形になる。
「先輩!」
 聖騎士団が放つ弓矢部隊が、ジルコニアの矢を放ち、星獣(アストラ)の体に刺す。ジルコニアに『光』を吸収され、星獣(アストラ)は倒れる。
 このまま捕獲される。けど今は。
「ここは退くよ!」
「はい!」
 白い炎を巻き、スピカに乗って逃げたす。
 聖騎士団は、少しでも戦力を増すために聖女だけでなく聖獣(ルーチェス)を狩りしている。今回の目的は聖獣(ルーチェス)だろう。
「先輩!」
「分かってる。助けに行きましょ」
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