260 / 654
博戯の魔女⑦
しおりを挟む
目を切られ、何も見えない。体中に痛みが感じる。ウィムに痛めつけられているのは分かる。やっと目が回復した。
「どうして・・・」
目の前にいた女が青ざめる。
ジャンヌが言っていたウィムだろう。
そして、感じた。あの術が発動したようだ。
「種明かししようか」
軽く笑う。
「でも教えるか。バーカ!」とウィムに言ってやる。
皺を寄せたウィムから顔を蹴られる。
レオンは詩う。
風の輪がウィムの体を拘束し、壁から土の槍が伸びる。ウィムから大きい風を生み出す。風の輪と土の槍を粉砕する。
その時、深く喉を切られる。
これでは戦えない。瞬時にウィムが近づき、腹と喉を踏まれる。
「私に風で挑むなんて、生意気よ!」
ウィムの手に風の塊ができる。
その時ウィムは離れ、目の前に白い炎が通った。
「レオン!」
鉄格子を壊したジャンヌが駆け寄る。
ドナートから主導権を取り返したようだ。
最初に精霊術を放った時に、ジャンヌの案内ができるように風の一部を飛ばした。それでジャンヌも駆け付けた。
――よかった
「ウィム!」
ジャンヌは怒鳴る。
「殺してやる!」
強く吐くジャンヌはロザリオに白い炎を飛ばす。ウィムは風の壁を作り、白い炎を防ぐ。ジャンヌは足を思いっきり踏み出し、距離を詰める。白い炎が晴れ、ウィムの姿を見せた瞬間に突き刺す。
ウィムの顔が逸れる。顔に切傷ができる。そのまま横に払おうとしたが、ウィムが左手で拳を作り、殴りかかる。ジャンヌは右手で受け止め、その反動で互いに距離が離れる。
「イってーな!」
ドスの入った声でジャンヌは右手を軽く振り、ウィムにガンと飛ばす。
その時、目の前に一枚のカードが通った途端にウィムが消えた。カードは檻の外にいた女の手元へと行く。
「ふ~ん」
女が見つめる。普通の女ではない。
「モニカ・・・」
ジャンヌが嫌そうに女の名を言うので、ドナートと相手したかった魔女だろうか。
「どうしてここに・・・」
「ちょっと。顔を見たくてね。あなたが風鳴の魔女ウィム・シルフね」
モニカはカードの中にいるウィムを見せる。
「知っていたのよね~あなたが私を貶めようとしているのは」
モニカはカードの中にいるウィムに言う。
それってインチキしていたことも知っていたのか。
「さて。どうしようか。何に使おうかしら。迷うな~」
笑顔で言うモニカはジャンヌと目が合う。
「どうする?ルール教えるから。この魔女を賭けて勝負しない?」
「そのまま渡す気はないのね・・・」
「協力してあげたんだから、そのくらい付き合いなさいよ」
「だったらそのままあげる」
「あらそう」とモニカはつまらなそうな顔になるも、「遠慮なくもらうね」と軽く笑う。
「ふざけるな!」
ウィムが声を上げた途端に、カードが破き、風が渦巻きながら、姿を見せる。
「あら、逃げられちゃった。でも」
モニカは手にカードを手の中に数枚広げる。
「逃がすつもりはないから」
モニカは鋭い目つきをする。
ジャンヌもロザリオを構える。
「ぐ・・・」
ウィムが冷や汗をかく。
「指輪を返すなら、おまえを逃がす」
横からアキセがウィムに提案する。
忘れていた。
「おま!」
ウィムが大きく振る。
その時アキセの手足につけた木の枷が粉砕する。アキセが指輪を掴んだ瞬間、球体が現れ、煙幕が巻かれる。
「アキセ!」
煙の中でジャンヌは怒鳴る。
煙幕が晴れた時にはウィムとアキセは逃げられた。
「あのやろ~」とジャンヌは悔やむも、「レオン!」とすぐにレオンの元へと駆け寄る。
ジャンヌは心配そうな顔で見つめられる。
――別に俺は死なないのに
その時銃声が鳴り、目の前で何かが通った。
「あら、まだいたの」
モニカは檻の前にいるドナートに言う。ドナートの手には銃を構えていた。
「どいつもこいつも俺を侮辱しやがって!」
ドナートは怒鳴る。
ジャンヌは瞬時にドナートまで近づき、顔を殴る。ドナートはそのまま倒れる。
「宣言通りにやったからな」
低い声でジャンヌはドナートに見下ろして言う。
ジャンヌは怒らせると怖い。
「どうして・・・」
目の前にいた女が青ざめる。
ジャンヌが言っていたウィムだろう。
そして、感じた。あの術が発動したようだ。
「種明かししようか」
軽く笑う。
「でも教えるか。バーカ!」とウィムに言ってやる。
皺を寄せたウィムから顔を蹴られる。
レオンは詩う。
風の輪がウィムの体を拘束し、壁から土の槍が伸びる。ウィムから大きい風を生み出す。風の輪と土の槍を粉砕する。
その時、深く喉を切られる。
これでは戦えない。瞬時にウィムが近づき、腹と喉を踏まれる。
「私に風で挑むなんて、生意気よ!」
ウィムの手に風の塊ができる。
その時ウィムは離れ、目の前に白い炎が通った。
「レオン!」
鉄格子を壊したジャンヌが駆け寄る。
ドナートから主導権を取り返したようだ。
最初に精霊術を放った時に、ジャンヌの案内ができるように風の一部を飛ばした。それでジャンヌも駆け付けた。
――よかった
「ウィム!」
ジャンヌは怒鳴る。
「殺してやる!」
強く吐くジャンヌはロザリオに白い炎を飛ばす。ウィムは風の壁を作り、白い炎を防ぐ。ジャンヌは足を思いっきり踏み出し、距離を詰める。白い炎が晴れ、ウィムの姿を見せた瞬間に突き刺す。
ウィムの顔が逸れる。顔に切傷ができる。そのまま横に払おうとしたが、ウィムが左手で拳を作り、殴りかかる。ジャンヌは右手で受け止め、その反動で互いに距離が離れる。
「イってーな!」
ドスの入った声でジャンヌは右手を軽く振り、ウィムにガンと飛ばす。
その時、目の前に一枚のカードが通った途端にウィムが消えた。カードは檻の外にいた女の手元へと行く。
「ふ~ん」
女が見つめる。普通の女ではない。
「モニカ・・・」
ジャンヌが嫌そうに女の名を言うので、ドナートと相手したかった魔女だろうか。
「どうしてここに・・・」
「ちょっと。顔を見たくてね。あなたが風鳴の魔女ウィム・シルフね」
モニカはカードの中にいるウィムを見せる。
「知っていたのよね~あなたが私を貶めようとしているのは」
モニカはカードの中にいるウィムに言う。
それってインチキしていたことも知っていたのか。
「さて。どうしようか。何に使おうかしら。迷うな~」
笑顔で言うモニカはジャンヌと目が合う。
「どうする?ルール教えるから。この魔女を賭けて勝負しない?」
「そのまま渡す気はないのね・・・」
「協力してあげたんだから、そのくらい付き合いなさいよ」
「だったらそのままあげる」
「あらそう」とモニカはつまらなそうな顔になるも、「遠慮なくもらうね」と軽く笑う。
「ふざけるな!」
ウィムが声を上げた途端に、カードが破き、風が渦巻きながら、姿を見せる。
「あら、逃げられちゃった。でも」
モニカは手にカードを手の中に数枚広げる。
「逃がすつもりはないから」
モニカは鋭い目つきをする。
ジャンヌもロザリオを構える。
「ぐ・・・」
ウィムが冷や汗をかく。
「指輪を返すなら、おまえを逃がす」
横からアキセがウィムに提案する。
忘れていた。
「おま!」
ウィムが大きく振る。
その時アキセの手足につけた木の枷が粉砕する。アキセが指輪を掴んだ瞬間、球体が現れ、煙幕が巻かれる。
「アキセ!」
煙の中でジャンヌは怒鳴る。
煙幕が晴れた時にはウィムとアキセは逃げられた。
「あのやろ~」とジャンヌは悔やむも、「レオン!」とすぐにレオンの元へと駆け寄る。
ジャンヌは心配そうな顔で見つめられる。
――別に俺は死なないのに
その時銃声が鳴り、目の前で何かが通った。
「あら、まだいたの」
モニカは檻の前にいるドナートに言う。ドナートの手には銃を構えていた。
「どいつもこいつも俺を侮辱しやがって!」
ドナートは怒鳴る。
ジャンヌは瞬時にドナートまで近づき、顔を殴る。ドナートはそのまま倒れる。
「宣言通りにやったからな」
低い声でジャンヌはドナートに見下ろして言う。
ジャンヌは怒らせると怖い。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
婚約破棄からの断罪カウンター
F.conoe
ファンタジー
冤罪押しつけられたから、それなら、と実現してあげた悪役令嬢。
理論ではなく力押しのカウンター攻撃
効果は抜群か…?
(すでに違う婚約破棄ものも投稿していますが、はじめてなんとか書き上げた婚約破棄ものです)

蔑ろにされた王妃と見限られた国王
奏千歌
恋愛
※最初に公開したプロット版はカクヨムで公開しています
国王陛下には愛する女性がいた。
彼女は陛下の初恋の相手で、陛下はずっと彼女を想い続けて、そして大切にしていた。
私は、そんな陛下と結婚した。
国と王家のために、私達は結婚しなければならなかったから、結婚すれば陛下も少しは変わるのではと期待していた。
でも結果は……私の理想を打ち砕くものだった。
そしてもう一つ。
私も陛下も知らないことがあった。
彼女のことを。彼女の正体を。

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。

絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

私も処刑されたことですし、どうか皆さま地獄へ落ちてくださいね。
火野村志紀
恋愛
あなた方が訪れるその時をお待ちしております。
王宮医官長のエステルは、流行り病の特効薬を第四王子に服用させた。すると王子は高熱で苦しみ出し、エステルを含めた王宮医官たちは罪人として投獄されてしまう。
そしてエステルの婚約者であり大臣の息子のブノワは、エステルを口汚く罵り婚約破棄をすると、王女ナデージュとの婚約を果たす。ブノワにとって、優秀すぎるエステルは以前から邪魔な存在だったのだ。
エステルは貴族や平民からも悪女、魔女と罵られながら処刑された。
それがこの国の終わりの始まりだった。

冤罪で追放した男の末路
菜花
ファンタジー
ディアークは参っていた。仲間の一人がディアークを嫌ってるのか、回復魔法を絶対にかけないのだ。命にかかわる嫌がらせをする女はいらんと追放したが、その後冤罪だったと判明し……。カクヨムでも同じ話を投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる