魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク サイドストーリー篇

白崎詩葉

文字の大きさ
上 下
245 / 648

美髪の魔女⑤

しおりを挟む
 ジャンヌは白い炎をまき散らす。
 ダリヤの髪は白い炎に触れるだけで燃える。髪対策に白い炎を部屋中に広げる。
 体力が十分に回復していない。すぐに終わらせる。ダリヤに距離をつめる。
「武器は髪だけじゃないのよ!」
 ダリヤは片割れの大ハサミを両手に持ちだす。交差してロザリオを受け止める。
 ダリヤが大きく振り、回し蹴りでジャンヌを飛ばす。床に垂れているジャンヌの髪に片割れの大ハサミを振り下ろす。その時、銃声が響き、片割れの大ハサミの一本を弾く。
 アキセが銃で撃ったようだ。
 ダリヤはもう一本の片割れの大ハサミをアキセに向かって投げる。
「うわ!」
 アキセは横に跳び、片割れの大ハサミは壁に刺さる。
 ダリヤは弾けた片割れの大ハサミを取り戻そうとする。ジャンヌはロザリオで大きく振り、白い炎の波を飛ばす。
 ダリヤは片割れの大ハサミを掴み、白い炎の波を真っ二つに切り、距離を詰める。
 避けようにも力が入らない。もう体力が。白い炎の壁が保持できずに散っていく。
 ダリヤが目の前にまで近づき、ジャンヌの髪を掴む。
 アキセが銃を構えた瞬間にダリヤが髪を伸ばす。アキセは左指に指飾りを召喚し、大きく振る。一線がダリヤの髪を切る。
「よくも髪を!」
 ダリヤが視線を向けた隙にジャンヌはロザリオで自身の髪を切る。
 力が抜けるが、体を踏ん張り、ダリヤの髪をワシ掴み、白い炎を流す。
「ぎゃああああああああああああああああああああああああああ」
 ダリヤは苦しみながらも片割れの大ハサミを振ろうとしたが、アキセが銃を撃ち、片割れの大ハサミを弾く。
「くたばれ!」
 ジャンヌはロザリオでダリヤの首を払う。
 

 ダリヤは白い炎に包まれながら消える。
 ジャンヌはほとんど体力を使い、倒れる。
 やっと薬の効果が切れたようだ。肩までに髪を切られても、伸びなくなった。それでも立てない。
「ご苦労様です」
 あ。ヤバ。まだ残っていた。
「これで取引は無事終了しました。ただ一つあなたにやり残したことがありまーす」
 クソー腹が立つ。
アキセは空気を読まず、陽気に言うので腹立つ。
「君の救出した分の報酬をまだ受け取っていません」
「これ見て思わないの」
 少しキレ気味に言う。
「キスで」
「却下!」
「体で」
「却下却下きゃあああああああああああああか!」
「んだよ。元気あり余ってるじゃないか」とアキセが軽く呆れるように言う。
「空元気よ」
「じゃあ、約束通り髪の毛で」
 それでも嫌。と思っていてもアキセは床に落ちている髪を拾おうとする。アキセが髪を拾った途端に白い炎で燃やす。
「な!」
 アキセが髪を手にした途端に髪を白い炎で燃やす。
「おまえな!」
「もらったからいいでしょ」
「そんなのありかよ~」
 アキセは落ち込む。
 落ち込みたいのはこっちなのに。
「そうだ!」
 アキセはまた何か思いついたようだ。
「じゃあ。これで報酬は頂く」
 アキセが壁に寄り沿いながらジャンヌを人形のように抱く。
「ううううううううううううううううううううううううううううううううううううう」と威嚇をする犬のように低い呻き声を上げる。
 動かないことをいいことに。
「可愛くね。いいだろ。抱いたら怒るだろ」
「もうこの時点でアウトよ」
 キレ気味に返す。
「髪型変えないのか。長い方が好きなのに」
 アキセは髪を触る。
「長いのは好きじゃないの」
「あと。顔に傷」
 柔らかく言うアキセはダリヤにつけられた傷を触る。
「気安く触らないで。気持ち悪い」
 この状況が気持ち悪い。なんでもいいから話題を変えよう。
「そういえば、あのバカはどうしたのよ」
 話にしたくないけど。
「俺、反省してさ。あいつに髪を生える薬を渡したんだ。それで帰っていった」
 あ~これ。絶対にロクなことがない奴だ。


「ふざけるなあああああああああああああああああああああああああああああああああ」
 コウガイジの髪はニワトリのとさかのように伸びていた。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

冤罪で追放した男の末路

菜花
ファンタジー
ディアークは参っていた。仲間の一人がディアークを嫌ってるのか、回復魔法を絶対にかけないのだ。命にかかわる嫌がらせをする女はいらんと追放したが、その後冤罪だったと判明し……。カクヨムでも同じ話を投稿しています。

私も処刑されたことですし、どうか皆さま地獄へ落ちてくださいね。

火野村志紀
恋愛
あなた方が訪れるその時をお待ちしております。 王宮医官長のエステルは、流行り病の特効薬を第四王子に服用させた。すると王子は高熱で苦しみ出し、エステルを含めた王宮医官たちは罪人として投獄されてしまう。 そしてエステルの婚約者であり大臣の息子のブノワは、エステルを口汚く罵り婚約破棄をすると、王女ナデージュとの婚約を果たす。ブノワにとって、優秀すぎるエステルは以前から邪魔な存在だったのだ。 エステルは貴族や平民からも悪女、魔女と罵られながら処刑された。 それがこの国の終わりの始まりだった。

悪役令嬢は処刑されました

菜花
ファンタジー
王家の命で王太子と婚約したペネロペ。しかしそれは不幸な婚約と言う他なく、最終的にペネロペは冤罪で処刑される。彼女の処刑後の話と、転生後の話。カクヨム様でも投稿しています。

聖女召喚

胸の轟
ファンタジー
召喚は不幸しか生まないので止めましょう。

【完結】そして、誰もいなくなった

杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」 愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。 「触るな!」 だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。 「突き飛ばしたぞ」 「彼が手を上げた」 「誰か衛兵を呼べ!」 騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。 そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。 そして誰もいなくなった。 彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。 これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。 ◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。 3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。 3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました! 4/1、完結しました。全14話。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

1人生活なので自由な生き方を謳歌する

さっちさん
ファンタジー
大商会の娘。 出来損ないと家族から追い出された。 唯一の救いは祖父母が家族に内緒で譲ってくれた小さな町のお店だけ。 これからはひとりで生きていかなくては。 そんな少女も実は、、、 1人の方が気楽に出来るしラッキー これ幸いと実家と絶縁。1人生活を満喫する。

仰っている意味が分かりません

水姫
ファンタジー
お兄様が何故か王位を継ぐ気満々なのですけれど、何を仰っているのでしょうか? 常識知らずの迷惑な兄と次代の王のやり取りです。 ※過去に投稿したものを手直し後再度投稿しています。

処理中です...