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豊富な国⑦
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ロムは目を覚ます。
「ここは・・・」
森の中にいるようだ。叫ぶが響く。銃声も聞こえる。
「まさか・・・」
森を抜ければ、工場だった。
燃えている。燃えている仕事場から叫び声がする。兵士が銃で次々に仲間を撃っている。
剣で仲間を刺して斬っていく。
銃も剣もあの鎧もここで作ったモノ。
「こっちだ!」
この声。
声をした方へ向けば、仲間を逃がそうと声を上げている父だった。
「父さん!」
父の元へと駆け寄る。
「おまえ!何をしたんだ!」
「父さん!」
「不満があったにしてもヘブンブルクの国民を殺したとはどういうことだ!」
もう父の耳に入っている。
「違う!僕は!」
「おまえのせいでみんな殺されるんだ!」
その時、目の前で父は炎に包まれていく。走っていたドワーフも一緒に。
いつの間にか銃声も叫び声も治まった。焦げた臭いと血生臭いがする。
目の前には、黒く焦げているモノがあった。それがいくつもあった。父と仲間だった。
仕事場に行けば、建物がいくつも崩れている。倒れている仲間は血を流し、動いていなかった。
仲間を助けたかったのに、どうして皆死んでいるだろうか。
友人が倒れて、このままでは死ぬまで続くんじゃないかって。変えなくちゃいけないって。
工場を抜け出して、聖女を見つけた。魔女を倒せば変わると思ったからだった。
けど、聖女からは、魔女は偽装の可能性があると言われ、他のことも考えたが、何も思いつかなかった。
そんなことにはならないと思った。だから魔女は本当にいてほしかった。魔女が全て悪い。実は国王も魔女に操られていて、退治すれば元に戻って、仲間の労働も考えてくれると。でも、国の様子を見てみれば、事実と違っていた。これで魔女もウソだったら。
だから、エッダにも協力しようとした。エッダの想いを訊いて考えられなかったことをするかと思えば、エッダもただの自己満足のためであまり考えていなかった。
許せなかった。信じたかった。もう怒りがいっぱいで殺してしまった。それが引き金になった。
――結局、僕が悪いんだ。
ただ考えなしに勢いに動いただけだったんだ。もし、聖女が魔女を倒しても何もできなかった。
その時、足元に何かが当たった。足元を見れば、小さな銃が落ちていた。
銃は、込めた弾を撃ちこみ、殺傷力が高い道具。
落ちていた銃を拾う。
何もできなくて皆を巻き込んでしまった。
「皆・・・ごめんなさい・・・」
銃を頭につけ、引き金を引く。
バン。
ジャンヌは黒猫に案内されたと思えば、ロムが銃を頭につけて撃ったところだった。
「ロム!」
ロムの元へ駆け寄る。
頭から血が流れている。
「何も・・・しなければよかった・・・何も・・・」
ロムは息絶える。
足に力が入らず、膝をつく。
「はあ・・・はあ・・・」
呼吸が乱れる。苦しい。
魔女の正体が魔術師ならこれ以上いるつもりがなかった。魔術師や王を脅して国を立て直すのもなくはない。けど、それは一時的なものでしかない。また聖女に頼ってくる。すがってくる。だから魔女狩りまでしかしなかった。
けど。けど。
「そんなこと・・・言わないでよ・・・あなたはただ・・・皆を守りたかったんだけなんでしょ・・・」
動けなくなったロムに言う。
「だったら、最初からちゃんと協力すればよかったくせに」
魔女の声。
その時、背中に何かが刺される。体が動けない。
「聖女って薄情。あんなに助けを求めていたのに魔女狩りまでしかしないなんて」
目の前にいた。
黒髪、黄色目。肩までの髪。頭に小さな帽子に猫の耳。2本の黒い尾。中性な顔。首に黄色のリボン。袖なしの白い上着。黒い長袖。太ももに切り込みが入っている黒いズボンだった。
「それが正体か」
「そうだよ」
笑顔で答える。
「ここまで付き合ってくれたからさ。クライマックスを見てほしいなって」
「だから、私をここに案内したのか・・・」
鋭い目つきで見つめる。
「うん」
無邪気に縦に振る。
その顔に腹が立ってくる。
「僕の趣味は生き物観察なんだ。特に心を持った生き物はどんな動きするのかなって」
「それって・・・」
「今回ね。ロム君とエッダちゃんに目をつけていたんだよね」
陽気に答える。
「ロム君は今まではみんなと変わらなかったけど、目の前で友人死んでから、疑問持つようになってね。どうすればいいか分からなかったからさ。こっそり聖女の話をしたんだ」
ドワーフが教育していた。魔女に脅されていると洗脳しているのに、聖女の話をすれば、不利になる。そんなことを教えるわけがない。
「まあ、そもそも独りよがりでやっちゃってるんだもん。革命するならみんな同意してからじゃないとさ。失敗したら責められるに決まっているし」
他人事のように魔女は言う。
「あと。エッダちゃん。あの年頃で一つ衝撃なことを聞くとすぐ影響しちゃうんだよね」
「エッダも・・・」
「そう。だからさ。その夢を叶えたいと思って魔道具とか鍵を開けたんだ」
無邪気に言う。
工場の進入しやすかったのは、魔女がわざと入れさせたのか。それにアキセがかけた魔術を解けたのも、魔女仕業だということか。
「そんな周りごとしないで、魔女らしく操ればいいんじゃないか」
「そんなの簡単しすぎてやだよ」
魔女は答える。
「別に人を操るのってたった一言だけでも十分なんだよ」
魔女はイタズラな笑みを見せる。
「でもこれでロム君とエッダちゃんの想いを叶えたからよかったじゃん」
頭にくる。
「ロム君もこれでみんな労働から解放されたし。エッダちゃんはみんなに見てもらえるようになったからさ」
ロムは殺されることで労働から解放された。エッダは死ぬことで見てもらえるようになった。
違う。あの二人が望んだ結果じゃない。
白い炎を飛ばすが、魔女は軽く横に避ける。
「ロムの想いを踏みいじり!ただの一般人のエッダを巻き込んだな!」
「助けを求めているのに、最後まで付き合わない聖女に言われたくないな」
魔女は低い声で見下ろす。
「あんたに言われたくない!」
怒声を上げ、体を動かそうにも動けない。
「それにこれからどうするのかな。この国も。ドワーフの子供は確保してあるから、それで立て直すのかな。まあ、まさか僕の提案がここまで続くと思わなかったな」
「え・・・」
「だって、こんなことただの人間が思いつかないでしょう」
魔女は不気味に笑う。
「元々この国は何もなくて貧しかったんだよ。で、そんな時に少しアドバイスしたんだ。それが100年も続くは思わなかった」
そもそもこの国を作ったのもこの魔女だったということか。
「次どうするのかな。また様子見てようと」
その時、魔女の頭が横にずれる。
何かが風を切る音がした。
後ろへ頭を向けば、顔をしかめるアキセが銃を構えていた。
「よくも俺を眠らせたな!」
アキセは怒鳴る。
「そろそろ来るとは思ったよ」
魔女は焦ることもなく言う。
「そういえば、俺を騙したことを言ってもらおうか」
アキセは銃を撃つ。
魔女は横にかわす。
「も~バンバン撃たないでよ。戦うの得意じゃないんだからさ」
魔女は、すかさず銃をジャンヌに撃つ。
弾は腹に当たった。苦しくなり、呼吸が乱れていく。これはただの弾じゃない。そのまま倒れていく。
「早く治した方がいいよ。猛毒だから」
「ち」
アキセはジャンヌに駆け寄る。
アキセの魔力があれば、毒は抜けられる。
アキセは弾が当たった腹に手を添える。魔力を発動した。少しずつ軽くなる。
「君をどうやって騙したのは、簡単だよ。ギリギリまで魔術師の部屋に隠れていただけだよ」
魔女は小さく舌を出す。
「そんなシンプルな方法で。イラつくな!」
アキセは銃を撃つ。
またかわされる。
「僕よりも早く彼女を助けたら~これ以上邪魔したらよくないから行くね~」
魔女は歩く。
「待て!」
「動くな」
ジャンヌは毒や痺れで動けず、アキセは毒を抜くために魔力を使っているから、魔女を追えない。
「そうだ。僕は、心理の魔女リキナ・メトリーだよ」
陽気に言う。
「絶対に殺す」
ジャンヌは殺意を向ける。
「できるといいね」とリキナは無邪気に答えて、消えていった。
「ここは・・・」
森の中にいるようだ。叫ぶが響く。銃声も聞こえる。
「まさか・・・」
森を抜ければ、工場だった。
燃えている。燃えている仕事場から叫び声がする。兵士が銃で次々に仲間を撃っている。
剣で仲間を刺して斬っていく。
銃も剣もあの鎧もここで作ったモノ。
「こっちだ!」
この声。
声をした方へ向けば、仲間を逃がそうと声を上げている父だった。
「父さん!」
父の元へと駆け寄る。
「おまえ!何をしたんだ!」
「父さん!」
「不満があったにしてもヘブンブルクの国民を殺したとはどういうことだ!」
もう父の耳に入っている。
「違う!僕は!」
「おまえのせいでみんな殺されるんだ!」
その時、目の前で父は炎に包まれていく。走っていたドワーフも一緒に。
いつの間にか銃声も叫び声も治まった。焦げた臭いと血生臭いがする。
目の前には、黒く焦げているモノがあった。それがいくつもあった。父と仲間だった。
仕事場に行けば、建物がいくつも崩れている。倒れている仲間は血を流し、動いていなかった。
仲間を助けたかったのに、どうして皆死んでいるだろうか。
友人が倒れて、このままでは死ぬまで続くんじゃないかって。変えなくちゃいけないって。
工場を抜け出して、聖女を見つけた。魔女を倒せば変わると思ったからだった。
けど、聖女からは、魔女は偽装の可能性があると言われ、他のことも考えたが、何も思いつかなかった。
そんなことにはならないと思った。だから魔女は本当にいてほしかった。魔女が全て悪い。実は国王も魔女に操られていて、退治すれば元に戻って、仲間の労働も考えてくれると。でも、国の様子を見てみれば、事実と違っていた。これで魔女もウソだったら。
だから、エッダにも協力しようとした。エッダの想いを訊いて考えられなかったことをするかと思えば、エッダもただの自己満足のためであまり考えていなかった。
許せなかった。信じたかった。もう怒りがいっぱいで殺してしまった。それが引き金になった。
――結局、僕が悪いんだ。
ただ考えなしに勢いに動いただけだったんだ。もし、聖女が魔女を倒しても何もできなかった。
その時、足元に何かが当たった。足元を見れば、小さな銃が落ちていた。
銃は、込めた弾を撃ちこみ、殺傷力が高い道具。
落ちていた銃を拾う。
何もできなくて皆を巻き込んでしまった。
「皆・・・ごめんなさい・・・」
銃を頭につけ、引き金を引く。
バン。
ジャンヌは黒猫に案内されたと思えば、ロムが銃を頭につけて撃ったところだった。
「ロム!」
ロムの元へ駆け寄る。
頭から血が流れている。
「何も・・・しなければよかった・・・何も・・・」
ロムは息絶える。
足に力が入らず、膝をつく。
「はあ・・・はあ・・・」
呼吸が乱れる。苦しい。
魔女の正体が魔術師ならこれ以上いるつもりがなかった。魔術師や王を脅して国を立て直すのもなくはない。けど、それは一時的なものでしかない。また聖女に頼ってくる。すがってくる。だから魔女狩りまでしかしなかった。
けど。けど。
「そんなこと・・・言わないでよ・・・あなたはただ・・・皆を守りたかったんだけなんでしょ・・・」
動けなくなったロムに言う。
「だったら、最初からちゃんと協力すればよかったくせに」
魔女の声。
その時、背中に何かが刺される。体が動けない。
「聖女って薄情。あんなに助けを求めていたのに魔女狩りまでしかしないなんて」
目の前にいた。
黒髪、黄色目。肩までの髪。頭に小さな帽子に猫の耳。2本の黒い尾。中性な顔。首に黄色のリボン。袖なしの白い上着。黒い長袖。太ももに切り込みが入っている黒いズボンだった。
「それが正体か」
「そうだよ」
笑顔で答える。
「ここまで付き合ってくれたからさ。クライマックスを見てほしいなって」
「だから、私をここに案内したのか・・・」
鋭い目つきで見つめる。
「うん」
無邪気に縦に振る。
その顔に腹が立ってくる。
「僕の趣味は生き物観察なんだ。特に心を持った生き物はどんな動きするのかなって」
「それって・・・」
「今回ね。ロム君とエッダちゃんに目をつけていたんだよね」
陽気に答える。
「ロム君は今まではみんなと変わらなかったけど、目の前で友人死んでから、疑問持つようになってね。どうすればいいか分からなかったからさ。こっそり聖女の話をしたんだ」
ドワーフが教育していた。魔女に脅されていると洗脳しているのに、聖女の話をすれば、不利になる。そんなことを教えるわけがない。
「まあ、そもそも独りよがりでやっちゃってるんだもん。革命するならみんな同意してからじゃないとさ。失敗したら責められるに決まっているし」
他人事のように魔女は言う。
「あと。エッダちゃん。あの年頃で一つ衝撃なことを聞くとすぐ影響しちゃうんだよね」
「エッダも・・・」
「そう。だからさ。その夢を叶えたいと思って魔道具とか鍵を開けたんだ」
無邪気に言う。
工場の進入しやすかったのは、魔女がわざと入れさせたのか。それにアキセがかけた魔術を解けたのも、魔女仕業だということか。
「そんな周りごとしないで、魔女らしく操ればいいんじゃないか」
「そんなの簡単しすぎてやだよ」
魔女は答える。
「別に人を操るのってたった一言だけでも十分なんだよ」
魔女はイタズラな笑みを見せる。
「でもこれでロム君とエッダちゃんの想いを叶えたからよかったじゃん」
頭にくる。
「ロム君もこれでみんな労働から解放されたし。エッダちゃんはみんなに見てもらえるようになったからさ」
ロムは殺されることで労働から解放された。エッダは死ぬことで見てもらえるようになった。
違う。あの二人が望んだ結果じゃない。
白い炎を飛ばすが、魔女は軽く横に避ける。
「ロムの想いを踏みいじり!ただの一般人のエッダを巻き込んだな!」
「助けを求めているのに、最後まで付き合わない聖女に言われたくないな」
魔女は低い声で見下ろす。
「あんたに言われたくない!」
怒声を上げ、体を動かそうにも動けない。
「それにこれからどうするのかな。この国も。ドワーフの子供は確保してあるから、それで立て直すのかな。まあ、まさか僕の提案がここまで続くと思わなかったな」
「え・・・」
「だって、こんなことただの人間が思いつかないでしょう」
魔女は不気味に笑う。
「元々この国は何もなくて貧しかったんだよ。で、そんな時に少しアドバイスしたんだ。それが100年も続くは思わなかった」
そもそもこの国を作ったのもこの魔女だったということか。
「次どうするのかな。また様子見てようと」
その時、魔女の頭が横にずれる。
何かが風を切る音がした。
後ろへ頭を向けば、顔をしかめるアキセが銃を構えていた。
「よくも俺を眠らせたな!」
アキセは怒鳴る。
「そろそろ来るとは思ったよ」
魔女は焦ることもなく言う。
「そういえば、俺を騙したことを言ってもらおうか」
アキセは銃を撃つ。
魔女は横にかわす。
「も~バンバン撃たないでよ。戦うの得意じゃないんだからさ」
魔女は、すかさず銃をジャンヌに撃つ。
弾は腹に当たった。苦しくなり、呼吸が乱れていく。これはただの弾じゃない。そのまま倒れていく。
「早く治した方がいいよ。猛毒だから」
「ち」
アキセはジャンヌに駆け寄る。
アキセの魔力があれば、毒は抜けられる。
アキセは弾が当たった腹に手を添える。魔力を発動した。少しずつ軽くなる。
「君をどうやって騙したのは、簡単だよ。ギリギリまで魔術師の部屋に隠れていただけだよ」
魔女は小さく舌を出す。
「そんなシンプルな方法で。イラつくな!」
アキセは銃を撃つ。
またかわされる。
「僕よりも早く彼女を助けたら~これ以上邪魔したらよくないから行くね~」
魔女は歩く。
「待て!」
「動くな」
ジャンヌは毒や痺れで動けず、アキセは毒を抜くために魔力を使っているから、魔女を追えない。
「そうだ。僕は、心理の魔女リキナ・メトリーだよ」
陽気に言う。
「絶対に殺す」
ジャンヌは殺意を向ける。
「できるといいね」とリキナは無邪気に答えて、消えていった。
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