魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク サイドストーリー篇

白崎詩葉

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悪の軍団③

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 ラ・イルはカイジンと呼ばれる3人組と連行されていた。
 洞窟に入れば、円形に広がった空間。中央には広場。壁際に部屋と土の塊で作られたような足場が、各階に作られている。
明らかに人工で作られた施設。
 こんな施設とカイジンを作れるのは魔女しか考えられない。魔術でも施設が作られるかもしれないが、カイジンまでは作られるほどの技術はない。
 魔女と会う前に早く逃げたい。
「やっと基地についたな。じゃあこれで」
 どさくさに紛れて逃げようとしたが、肩を掴まれる。
「おお。演説が始まるところだ」
 広場にカイジンたちが集まり、地面から大きい土台が浮き上がる。その上に一人立っていた。
 子供のように身長が小さく、髭、赤いコートとマントに仮面をつけている老人だった。
「あれって・・・」
「何って、総統に決まっているだろ」
「は?」
 魔女じゃないのか。しかも匂いからしても総統は人間。
――ジジがわざわざ派手な衣装を着て、何をしている。
 それにただの人間がカイジンを従えている。どういうことだろうか。
「皆の者訊け!今我々は危機的状況に陥っている。我々の世界征服を脅かそうとする敵がついに現れた」
――なんか耳を疑うようなことを聞いたぞ
「その名は魔法少女ペルチェとかいう正義を語るふざけた女だ!」
――おまえが言うか。
「もう何人もカイジンは殺されている。だか、ワシは負けん!魔法少女が現れようが関係ない!我々、アンチ軍団の世界征服の達成のために!」
「おおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
 カイジンたちは雄叫びを上げる。
――何を考えているんだ。このジジぃ。
 魔女があちこちで暴れている中、ただの人間が何夢見ている。
 くだらない。やっぱり早く逃げなくては。
 突然、天井から爆発が起きる。
 爆発したおかげで、上から岩が落ち、何人のカイジンが潰れる。
「見つけたわよ!ヴィラン!」
 天井の穴から何かが落ちていく。舞台の上に着地したのは、ペルチェだった。
「この綿花の魔法少女ペルチェ・ル・コトンが正義の裁きを与えちゃうぞ!」
 ペルチェは変な体勢をする。
「決まった~」
とても嬉しそうだ。
「な~に~正義の裁きだと~正義のヒーローにやられるヴィランだと思うな!」
 なぜかのっている。
「だったら正義の為に死ね!」
 ペルチェが杖を振ろうとした時だった。二人の間を割り込むように天井の穴からジャンヌも着地した。
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