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冬の魔女たち⑤
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今、脱走したユキシズクを探すためにナターリヤの使い魔があちこちに探し回っている。ジャンヌは、『なんでも遮断マント』で姿を消しながら、柱から様子を見ていた。
「聞こえるか」
「ええ」
不機嫌に答える。
それはアキセが置いていった指輪をはめているからだ。これはまるで。
「結婚指輪だよな」
「殺すぞ殺すぞ殺すぞ殺すぞ殺すぞ殺すぞ殺すぞ殺すぞ殺すぞ殺すぞ殺すぞ殺すぞ殺すぞ」
「ちょ!やめて。おまえの殺意が頭に入って・・・痛い・・・」
頭を通してアキセは返す。
「『脳通し指輪』は直接頭に入ってくるから、やめろよ。今魔女と一緒に行動しているから、これしか連絡できないだろ」
「コルンはもう少しセンスを上げなさいよ」
「今いない相手に求めるなって」
アキセが突っ込む。
「本題だ。ナターリヤが油断している隙に襲うぞ」
アキセが真面目に言う。
「本当に協力するでしょうね」
念のため確かめる。
「協力するって。じゃあなきゃ、かばわないって。俺は魔女から自由になりたいし、ジャンヌだって長期戦は避けたいだろ」
「たく」
「チャンスを作ってやるからその隙を狙って退治してくれよ」
姿を消せる『なんでも遮断マント』で逃げることも考えられるが、どっちにしてもこの状況を長引くだけ。癪だか、アキセと組むしかない。
「まだ確認したいことがあるんだけど」
「手短にしろよ」
「隠していることないでしょうね」
「あっても今の作戦に関係ない。ということでまた後で」
「あ!こら!」
連絡が途絶えた。
「ち!」
絶対何かある。
アキセは他に何か隠している。
そういえば、アキセとコウガイジが、なぜナターリヤにタタリをかけられたのか。
それにアキセも最後まで協力するとは思えない。魔女の言いなりになっているようで、命に関わっているから、そう簡単に裏切らないと思うが。いや、裏切るな。
そういえば、一晩で冬にしたとイヴから訊いた。
なぜ突然冬にしたのか。ナターリヤが突然現れたということ。
――ダメだ。いろいろと考えても今はあいつに乗るしかない。最短に終わらせるには。
その時だった。
「ジャンヌ。今いうとこに行ってくれないか」
アキセから連絡が入った。
アキセに案内されたのは、一階に繋がる階段がある広間だった。
両端が2階の廊下で一面の壁に両端の廊下が合流し、1階に繋がる大きい階段になっている。
――無駄に広いな。
「ユキシズクのニセモノを用意した。その餌に釣ったナターリヤに攻撃してくれ」
「そんな簡単に釣るか」
「今のナターリヤはユキシズクに頭でいっぱいだ」
何をしたらそこまで恨むのだろうか。
「ちゃんとやりなさいよ」
「分かってるって」
まだ連絡が切れた。
2階の柵の間から様子を見る。
きた。
ユキシズクが現れた。アキセが用意したニセモノだろう。
手を伸ばし、人指し指と親指を立て、銃に見立てる。ナターリヤが見えたら、勝負。
ナターリヤとアキセが姿を見せた。
今だ。
ジャンヌは白い炎の球を撃ち出す。
「聞こえるか」
「ええ」
不機嫌に答える。
それはアキセが置いていった指輪をはめているからだ。これはまるで。
「結婚指輪だよな」
「殺すぞ殺すぞ殺すぞ殺すぞ殺すぞ殺すぞ殺すぞ殺すぞ殺すぞ殺すぞ殺すぞ殺すぞ殺すぞ」
「ちょ!やめて。おまえの殺意が頭に入って・・・痛い・・・」
頭を通してアキセは返す。
「『脳通し指輪』は直接頭に入ってくるから、やめろよ。今魔女と一緒に行動しているから、これしか連絡できないだろ」
「コルンはもう少しセンスを上げなさいよ」
「今いない相手に求めるなって」
アキセが突っ込む。
「本題だ。ナターリヤが油断している隙に襲うぞ」
アキセが真面目に言う。
「本当に協力するでしょうね」
念のため確かめる。
「協力するって。じゃあなきゃ、かばわないって。俺は魔女から自由になりたいし、ジャンヌだって長期戦は避けたいだろ」
「たく」
「チャンスを作ってやるからその隙を狙って退治してくれよ」
姿を消せる『なんでも遮断マント』で逃げることも考えられるが、どっちにしてもこの状況を長引くだけ。癪だか、アキセと組むしかない。
「まだ確認したいことがあるんだけど」
「手短にしろよ」
「隠していることないでしょうね」
「あっても今の作戦に関係ない。ということでまた後で」
「あ!こら!」
連絡が途絶えた。
「ち!」
絶対何かある。
アキセは他に何か隠している。
そういえば、アキセとコウガイジが、なぜナターリヤにタタリをかけられたのか。
それにアキセも最後まで協力するとは思えない。魔女の言いなりになっているようで、命に関わっているから、そう簡単に裏切らないと思うが。いや、裏切るな。
そういえば、一晩で冬にしたとイヴから訊いた。
なぜ突然冬にしたのか。ナターリヤが突然現れたということ。
――ダメだ。いろいろと考えても今はあいつに乗るしかない。最短に終わらせるには。
その時だった。
「ジャンヌ。今いうとこに行ってくれないか」
アキセから連絡が入った。
アキセに案内されたのは、一階に繋がる階段がある広間だった。
両端が2階の廊下で一面の壁に両端の廊下が合流し、1階に繋がる大きい階段になっている。
――無駄に広いな。
「ユキシズクのニセモノを用意した。その餌に釣ったナターリヤに攻撃してくれ」
「そんな簡単に釣るか」
「今のナターリヤはユキシズクに頭でいっぱいだ」
何をしたらそこまで恨むのだろうか。
「ちゃんとやりなさいよ」
「分かってるって」
まだ連絡が切れた。
2階の柵の間から様子を見る。
きた。
ユキシズクが現れた。アキセが用意したニセモノだろう。
手を伸ばし、人指し指と親指を立て、銃に見立てる。ナターリヤが見えたら、勝負。
ナターリヤとアキセが姿を見せた。
今だ。
ジャンヌは白い炎の球を撃ち出す。
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