魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク サイドストーリー篇

白崎詩葉

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魅稚の魔女⑥

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「ラピス様も感じていたけど。この溶けるような痛み。初めて~」
 高らかな声で言う魔女が赤らめる。
 興奮するところか。
 さすがのジャンヌも動揺している。
 浄化されているのに魔女が気持ちいいというから、驚きも隠せていない。
「お願いします。私にもっともっとください!」
 魔女がジャンヌに向かってくる。
「ちょ・・・来ないでよ!」
 ジャンヌは白い炎を放つ。
「いやあああああああああああああああああああああん。きもちいいいいいいいいいいいいいいいいい」
 魔女は、白い炎を燃やされているのに興奮している。
 多少の傷が残っている。全く効いていないはずがない。もしかして『光』の抗体を急に増しているのか。
「愛耐(あいたい)の魔女テルミナ・チャミィーに愛をください!もっと下さい!もっともっともっとおおおおおおおおおおお」
 魔女名で察した。
 もしかして好きな相手にならどんな攻撃でも耐えるってことなのか。それってドMじゃないか。
 ジャンヌもさすがに引いている。
「もっと私に聖女様の愛をください!」
「あんたにあげるものはない!」
「そんな恥ずかしがらなくても!」
 テルミナがジャンヌを押し倒す。
 『光』の抗体が高まり、ジャンヌが逃げ出すほどのヘンタイさでは、退治ができない。
 もうどうすればいいんだ。
 困り果てた時だった。
「こんなところにいたのね。コゼット」
 その時、夜輝(よき)の魔女リリス・ライラ・ウィッチャーが急に現れた。
 アキセ、ジャンヌ、レオンと身を固まってしまった。
「あら~可愛い格好しちゃって」
 レオンを抱き上げる。
「やっぱり可愛い!」
 リリスはレオンに抱き着く。胸の中に。
「え?レオンだったの?」とジャンヌは、レオンが子供になったことに気づく。
 テルミナはジャンヌから離れ、リリスに睨みつける。
「ちょっと!私の子を奪わないでよ。ババア!」と言った途端にテルミナは爆発する。
 一瞬のことだったので、理解するのに数秒かかった。
 テルミナはリリスに言ってはならないことを言ったから、リリスに瞬殺された。
「さあ。帰りましょう」
「ちょっと!俺を元に!」
 リリスと目が合う。
「よく会うわね」
 黒い羽を祓い、幼い姿のままのレオンと一緒にリリスは消える。
 ジャンヌは安堵の溜息を吐く。
「街に帰りましょう」
 檻の中にいる子供たちに優しく声をかける。


 ジャンヌは幼獣を放ち、拉致した子供たちは、近くの街の子供だったようで、すぐに返した。いつの間にかロンは消えていた。
「家に帰れたのかしら」


「お疲れ様っす」と陽気にクノが言う。
 ジャンヌがばれないようにクノにこっそり拉致された。
「でも、もう少し効率よくやってほしかったっすね」
「まさか、リリスも来るとは思わなかったけど」
「確かに以外でしたね。会長。でも最終的に退治してくれたので結果オーケイっすね」
 クノとラピスが今回のことを振り返る中。
「おまえら・・・」
 アキセは胡坐をかきながら言う。
「痛めつけても倒せないストーカーを退治させるために聖女を呼びたいが、その餌として俺を子供に変えさせたっていうのが、おまえらの企みか!」
 いろいろと怒りがこみ上げる。子供にされただけでなく、利用され、散々な目にあったからだ。しかも魔女のくだらない理由で巻き込まれた。腹が立ってくる。
「まあ~そうな感じっすね」
 クノは呑気に答える。
「だって、会長が肉体になっても普通に復活して付きまとうヘンタイっすよ。誰だって相手したくないっすよ」
「だからっておまえらに利用されるのが!」
 ラピスは指を鳴らせば、元の姿に戻った。
「お兄ちゃん。怒っちゃいや・・・」とラピスがあざとく見つめる。
 キンコンカンコン。
ノックアウトしたような鐘の音が響くように、即座にラピスの誘惑にやられる。
「そういえば、言ってなかったっすけど」
 クノが耳元で囁く。
「長く会長と一緒にいますと、ロリコンになりますよ」
 それはイヤ。幼女は対象外。
「約束通りに指輪返しますって」
 クノはアキセの前に指輪を置く。
「次もよろしくっすね」
 クノとラピスは消える。
「おい!次ってどういうことだ!おい!」と叫ぶアキセだった。
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