179 / 648
入れ替わっちゃった①
しおりを挟む
なんでこんなことになったのでしょうか。
目の前には、会いたくない人がいる。
以前、速忍の魔女ヤオトメ・クノの知り合いが作ったという『奴隷首輪』をつけさせられたアキセ・リーガンという者がじろじろと見つめている。
「何、じろじろ見ているんだ。ジャンヌ」
どうやら、私、爽律(そうりつ)の魔女アニエス・ソナタ・ウェンディは、白の聖女ジャンヌ・ダルクと入れ替わったそうです。
広大な森。涼しい風が優しく触っていく。アニエスが気持ちよく空を優雅に飛んでいた時だった。
森から飛んできた青い球体が顔に当たる。まるで巨大な石に当たったような衝撃でそのまま気を失ってしまう。
目を覚ませば、森の中だった。どうやら森の中に落ちてしまったようだ。妙に体が重い。
「何、やっているんだ?」
以前、会ったアキセ・リーガンが見下ろす。
「あなたは!」
瞬時に立ち上がる。
「アキセ・リーガン!」
以前、『奴隷首輪』をつけ、いやらしいことをしようとした男。
追い払うためにすぐにハープ弓を召喚しようとしたが。
「あれ?」
出ない。
「どうして!」
どうやっても出ない。なぜ。
「お!その声でちゃんと名前を呼んでくれたのか。こんな嬉しいものはない」
アキセは腕を組んで、顔を縦に振る。
「てか、さっきから何をやっているんだ。ジャンヌ」
「ジャンヌ?」
首をかしげる。白の聖女ジャンヌ・ダルクのことだろうか。
「おいおい。自分の名前も忘れたのか。ジャンヌ」
「あなたは人違いにもほどがあります」
「だから。何とぼけているんだ。自分の顔でも見ろ」
アキセは、手から鏡を出す。
鏡の中には白の聖女ジャンヌ・ダルクしかなかった。
「ええええええええええええええええええええええええええええええええええええ」
どうやら、白の聖女ジャンヌ・ダルクに入れ替わったようです。
現在、木の陰で隠れている状態だった。
「来ないでください・・・」
アキセにじろじろと見られている。
「なんだ。急に女らしくなって」
アキセが近寄ってきた。
逃げなくては。ケダモノの塊と近づきたくない。空へと逃げようと足を跳ねる。
「あ!」
いつもの癖で、聖女の体になっているので、飛べるわけがない。このまま転んでしまうところ、アキセに腕を引っ張られる。
「とぼけるにもほどがあるぞ」
アキセは呆れたように言う。
顔が近い。そもそも男が苦手。男は基本、性欲しか考えられなくて気持ち悪い。関わりたくもないし、触られたくない。
そんなに見られては。
「う・・・う・・・うわあああああああああああああああ」
アキセを突き飛ばし、必死に逃げる。
走ったアニエスは、木に手をつき、呼吸を整える。
どうしょう。クノを呼んでも絶対気付いてくれない。どうすれば。
「おまえでも可愛いとこがあるんだな」
振り向けば、アキセがいる。もう追い付いた。
「ぎゃ!」
逃げようとしたが、また腕を掴まれる。
「おっと。今度は逃がさないぞ」
「離してください!」
腕を振ろうにも離れない。
その時だった。
「見つけたぞ!」
赤目。頭に布を巻いた上半身裸に赤い入れ墨が刻み、赤い槍を持っている男だった。
また増えた。しかもなんかバカそうな人。
「んだよ~邪魔すんじゃねえぞ。ハゲるたびに知性ところが空気も読めたくなったのか。赤ハゲ」
「俺は紅孩児だ!」
紅孩児は地団駄を踏む。
「だったらここで!」
紅孩児の頭が背後から掴まれる。
それは、鋭い目つきをしたアニエスがいた。しかもアニエスの手に何かを引きづっていた。
「見つけたぞ・・・」
鋭い目つきでアニエスの顔で睨みつけるジャンヌだった。
目の前には、会いたくない人がいる。
以前、速忍の魔女ヤオトメ・クノの知り合いが作ったという『奴隷首輪』をつけさせられたアキセ・リーガンという者がじろじろと見つめている。
「何、じろじろ見ているんだ。ジャンヌ」
どうやら、私、爽律(そうりつ)の魔女アニエス・ソナタ・ウェンディは、白の聖女ジャンヌ・ダルクと入れ替わったそうです。
広大な森。涼しい風が優しく触っていく。アニエスが気持ちよく空を優雅に飛んでいた時だった。
森から飛んできた青い球体が顔に当たる。まるで巨大な石に当たったような衝撃でそのまま気を失ってしまう。
目を覚ませば、森の中だった。どうやら森の中に落ちてしまったようだ。妙に体が重い。
「何、やっているんだ?」
以前、会ったアキセ・リーガンが見下ろす。
「あなたは!」
瞬時に立ち上がる。
「アキセ・リーガン!」
以前、『奴隷首輪』をつけ、いやらしいことをしようとした男。
追い払うためにすぐにハープ弓を召喚しようとしたが。
「あれ?」
出ない。
「どうして!」
どうやっても出ない。なぜ。
「お!その声でちゃんと名前を呼んでくれたのか。こんな嬉しいものはない」
アキセは腕を組んで、顔を縦に振る。
「てか、さっきから何をやっているんだ。ジャンヌ」
「ジャンヌ?」
首をかしげる。白の聖女ジャンヌ・ダルクのことだろうか。
「おいおい。自分の名前も忘れたのか。ジャンヌ」
「あなたは人違いにもほどがあります」
「だから。何とぼけているんだ。自分の顔でも見ろ」
アキセは、手から鏡を出す。
鏡の中には白の聖女ジャンヌ・ダルクしかなかった。
「ええええええええええええええええええええええええええええええええええええ」
どうやら、白の聖女ジャンヌ・ダルクに入れ替わったようです。
現在、木の陰で隠れている状態だった。
「来ないでください・・・」
アキセにじろじろと見られている。
「なんだ。急に女らしくなって」
アキセが近寄ってきた。
逃げなくては。ケダモノの塊と近づきたくない。空へと逃げようと足を跳ねる。
「あ!」
いつもの癖で、聖女の体になっているので、飛べるわけがない。このまま転んでしまうところ、アキセに腕を引っ張られる。
「とぼけるにもほどがあるぞ」
アキセは呆れたように言う。
顔が近い。そもそも男が苦手。男は基本、性欲しか考えられなくて気持ち悪い。関わりたくもないし、触られたくない。
そんなに見られては。
「う・・・う・・・うわあああああああああああああああ」
アキセを突き飛ばし、必死に逃げる。
走ったアニエスは、木に手をつき、呼吸を整える。
どうしょう。クノを呼んでも絶対気付いてくれない。どうすれば。
「おまえでも可愛いとこがあるんだな」
振り向けば、アキセがいる。もう追い付いた。
「ぎゃ!」
逃げようとしたが、また腕を掴まれる。
「おっと。今度は逃がさないぞ」
「離してください!」
腕を振ろうにも離れない。
その時だった。
「見つけたぞ!」
赤目。頭に布を巻いた上半身裸に赤い入れ墨が刻み、赤い槍を持っている男だった。
また増えた。しかもなんかバカそうな人。
「んだよ~邪魔すんじゃねえぞ。ハゲるたびに知性ところが空気も読めたくなったのか。赤ハゲ」
「俺は紅孩児だ!」
紅孩児は地団駄を踏む。
「だったらここで!」
紅孩児の頭が背後から掴まれる。
それは、鋭い目つきをしたアニエスがいた。しかもアニエスの手に何かを引きづっていた。
「見つけたぞ・・・」
鋭い目つきでアニエスの顔で睨みつけるジャンヌだった。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
冤罪で追放した男の末路
菜花
ファンタジー
ディアークは参っていた。仲間の一人がディアークを嫌ってるのか、回復魔法を絶対にかけないのだ。命にかかわる嫌がらせをする女はいらんと追放したが、その後冤罪だったと判明し……。カクヨムでも同じ話を投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
私も処刑されたことですし、どうか皆さま地獄へ落ちてくださいね。
火野村志紀
恋愛
あなた方が訪れるその時をお待ちしております。
王宮医官長のエステルは、流行り病の特効薬を第四王子に服用させた。すると王子は高熱で苦しみ出し、エステルを含めた王宮医官たちは罪人として投獄されてしまう。
そしてエステルの婚約者であり大臣の息子のブノワは、エステルを口汚く罵り婚約破棄をすると、王女ナデージュとの婚約を果たす。ブノワにとって、優秀すぎるエステルは以前から邪魔な存在だったのだ。
エステルは貴族や平民からも悪女、魔女と罵られながら処刑された。
それがこの国の終わりの始まりだった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
悪役令嬢は処刑されました
菜花
ファンタジー
王家の命で王太子と婚約したペネロペ。しかしそれは不幸な婚約と言う他なく、最終的にペネロペは冤罪で処刑される。彼女の処刑後の話と、転生後の話。カクヨム様でも投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】そして、誰もいなくなった
杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」
愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。
「触るな!」
だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。
「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」
騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。
そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。
そして誰もいなくなった。
彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。
これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。
◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。
3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。
3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました!
4/1、完結しました。全14話。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
1人生活なので自由な生き方を謳歌する
さっちさん
ファンタジー
大商会の娘。
出来損ないと家族から追い出された。
唯一の救いは祖父母が家族に内緒で譲ってくれた小さな町のお店だけ。
これからはひとりで生きていかなくては。
そんな少女も実は、、、
1人の方が気楽に出来るしラッキー
これ幸いと実家と絶縁。1人生活を満喫する。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
仰っている意味が分かりません
水姫
ファンタジー
お兄様が何故か王位を継ぐ気満々なのですけれど、何を仰っているのでしょうか?
常識知らずの迷惑な兄と次代の王のやり取りです。
※過去に投稿したものを手直し後再度投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる