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宿器の魔女 前半②
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「あなた。あの指輪だって言うの!」
「はい・・・」
ユビワと呼ばれる少女は小さく縦に頷く。
指輪は、アキセがこうさくの魔女コルン・ゴボルドから奪った発明品で、なんでも仕舞え、召喚できる代物。
だから、容易く銃を呼び出しているのは、指輪の力ということ。さっきまで言っていた発言は指輪をしたままあれをやっていたということか。
それがなぜか少女の姿になっているのか。
「え~と。どういった経緯で人になったの?」
「私も詳しいことは分かりません」
「そうなの。てっきり、コルンの発明品で人になったかと思ったけど」
それが原因でなければ、もう決まっている。
「人になるにしてもよりにもよって女になるって・・・あいつに襲われるわよ」
「そうなりそうで怖いです・・・」
ユビワは顔を青ざめる。
「でも、これはチャンスです!」
急に眼が輝いた。
「あの男から逃げ出せるチャンスです!」
「って言ってもコルンが分かるかな~抜けてるところあるから」
「分かるはずです!何せ、生みの親なのですから」
なんでそこまで自信満々だろうか。
「そう。じゃあ・・・」
「何言ってるの。指輪が人になるわけないじゃん」
呼び出したこうさくの魔女コルン・ゴボルドは、工房に繋がる扉を閉める。
「なんでもありのおまえが言うか!」
なぜ、変なところで常識に走る。
「うわあああああああああああああああああああああああああん」
ユビワは膝をついて泣き叫ぶ。
「なんで!なんで!分かってくれないの!コルン様!」
――いや、普通分からないと思うけど。
さて、どうしようかと考えようとした時だった。
「な。これで分かったろ」
ボロボロ姿のアキセがいつの間にかユビワの隣にいた。
「もう君は俺しか居場所がないんだ。さあ。大人しく指輪に戻りな」
「いっやあああああああああああああああああああああああああああああ」と叫びながらユビワは、マシンガンを召喚し、アキセに連射する。
それでもアキセは杖で記号を描き、光の盾を作って弾を弾く。
アキセが隠し持っていた杖だろう。
「だから!いきなり撃つなって!死ぬだろうか!」
――あんな連射した銃に耐えられたら、平気よ
「それにおまえが持ってたって宝の持ち腐れじゃないか。魔道具がたんまりあるんだぞ。ただの道具のおまえが使えるわけ・・・」
「来ないでええええええええええええええええええええええ」
アキセの話を無視するユビワは、指に指飾りを召喚する。素早い速さで陣を描き、陣が巨大な風の塊となり、アキセに向かって飛ばす。
「え!?」
アキセは情けない声と共に遠くに飛ばされる。
「え?使えるの・・・」
「みたいです・・・人だからなんですかね?」
ユビワ自身も首をかしげる。
アキセと一緒にいたから、魔術の知識も入っていることだろう。
ジャンヌは思いついた。
よく考えれば、コルンの発明品は便利だし、魔術も使える。アキセよりも素直そうだし。アキセ対策にもなる。
「一緒に行かない?」
「まず戻すという発想はないんですか!」
「ダメか」
「なんでそんな嫌そうな顔をなさるのですか!」
――いやどう考えたって魔女の仕業しかないだろう
コルンの発明品以外に道具を人に変えるのは魔女しか考えられない。
「仕方がない。コルンの元に帰りたいなら、指輪に戻るしかないわね」
「仕方がないってなんですか」とジト目でユビワは見つめる。
「はい・・・」
ユビワと呼ばれる少女は小さく縦に頷く。
指輪は、アキセがこうさくの魔女コルン・ゴボルドから奪った発明品で、なんでも仕舞え、召喚できる代物。
だから、容易く銃を呼び出しているのは、指輪の力ということ。さっきまで言っていた発言は指輪をしたままあれをやっていたということか。
それがなぜか少女の姿になっているのか。
「え~と。どういった経緯で人になったの?」
「私も詳しいことは分かりません」
「そうなの。てっきり、コルンの発明品で人になったかと思ったけど」
それが原因でなければ、もう決まっている。
「人になるにしてもよりにもよって女になるって・・・あいつに襲われるわよ」
「そうなりそうで怖いです・・・」
ユビワは顔を青ざめる。
「でも、これはチャンスです!」
急に眼が輝いた。
「あの男から逃げ出せるチャンスです!」
「って言ってもコルンが分かるかな~抜けてるところあるから」
「分かるはずです!何せ、生みの親なのですから」
なんでそこまで自信満々だろうか。
「そう。じゃあ・・・」
「何言ってるの。指輪が人になるわけないじゃん」
呼び出したこうさくの魔女コルン・ゴボルドは、工房に繋がる扉を閉める。
「なんでもありのおまえが言うか!」
なぜ、変なところで常識に走る。
「うわあああああああああああああああああああああああああん」
ユビワは膝をついて泣き叫ぶ。
「なんで!なんで!分かってくれないの!コルン様!」
――いや、普通分からないと思うけど。
さて、どうしようかと考えようとした時だった。
「な。これで分かったろ」
ボロボロ姿のアキセがいつの間にかユビワの隣にいた。
「もう君は俺しか居場所がないんだ。さあ。大人しく指輪に戻りな」
「いっやあああああああああああああああああああああああああああああ」と叫びながらユビワは、マシンガンを召喚し、アキセに連射する。
それでもアキセは杖で記号を描き、光の盾を作って弾を弾く。
アキセが隠し持っていた杖だろう。
「だから!いきなり撃つなって!死ぬだろうか!」
――あんな連射した銃に耐えられたら、平気よ
「それにおまえが持ってたって宝の持ち腐れじゃないか。魔道具がたんまりあるんだぞ。ただの道具のおまえが使えるわけ・・・」
「来ないでええええええええええええええええええええええ」
アキセの話を無視するユビワは、指に指飾りを召喚する。素早い速さで陣を描き、陣が巨大な風の塊となり、アキセに向かって飛ばす。
「え!?」
アキセは情けない声と共に遠くに飛ばされる。
「え?使えるの・・・」
「みたいです・・・人だからなんですかね?」
ユビワ自身も首をかしげる。
アキセと一緒にいたから、魔術の知識も入っていることだろう。
ジャンヌは思いついた。
よく考えれば、コルンの発明品は便利だし、魔術も使える。アキセよりも素直そうだし。アキセ対策にもなる。
「一緒に行かない?」
「まず戻すという発想はないんですか!」
「ダメか」
「なんでそんな嫌そうな顔をなさるのですか!」
――いやどう考えたって魔女の仕業しかないだろう
コルンの発明品以外に道具を人に変えるのは魔女しか考えられない。
「仕方がない。コルンの元に帰りたいなら、指輪に戻るしかないわね」
「仕方がないってなんですか」とジト目でユビワは見つめる。
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