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聖女になりたかった魔女⑤
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ジャンヌは、消えていくトリスたちを眺めていた。
「お!聖女様!」
部屋の隅で隠れていた王様が声をかける。
「魔女を殺したのかね・・・」
「見て分からないの」
雑に返す。
「そうか、これで国に安寧が戻れる・・・」
王様は安心したように肩を下ろした時、壊れた壁から騒がしくなった。
「そういうことか」
「は?」
王様は首をかしげる。
「私、この国に入っておかしかったんですよね。ここまで高騰なのに、誰一人不満を言わないなんて」
「そりゃ、逆らう者は処刑しているからな」
「いいえ。その不満をあんたが倒したかった魔女が抑えていたんですよ」
『呪い』を抑えるために呪力を使ったのだろう。だから魔女事態に力を持っていなかったと推測でしか考えられない。
「ほら、もう国民たちが怒っている。魔女が消えても、暴動は治まらない。『呪い』の濃度が高まっている。『呪い』の正体は黒女神(シュヴァルツ)が最後に残った恨み、怨念。つまり、その感情に『呪い』が過剰に発生する時もあるんです。ここまで来たらもう気が治まるまで止まらないでしょう」
「気が治まるまでということは・・・」
王様は青ざめる。
やっと察してくれたようだ。それでも助ける義理はない。
王様から離れる。
「待ってくれ!ワシはどうなる。どうすればいい聖女様!」
「私はただ魔女を退治しただけですので」
ジャンヌは、その場を去った。
「うわ、なんだこりゃ」
アキセは、崩れた家々を歩いていた。
あちこちに魔族(アビス)の死体があった。
これは、反乱が起きた後だろう。『呪い』は、人の怨念、負の感情で過剰に発生する。急激な魔族化で理性を失い、異形の姿へと変化し、互いに殺し合い滅びたといったところだろう。
「まあ、よくあることだ」
冷めた目で独り言を吐く。
「さて、『呪い』が濃いから早く次の町に行かないとな」
アキセは、その場を去る。
「お!聖女様!」
部屋の隅で隠れていた王様が声をかける。
「魔女を殺したのかね・・・」
「見て分からないの」
雑に返す。
「そうか、これで国に安寧が戻れる・・・」
王様は安心したように肩を下ろした時、壊れた壁から騒がしくなった。
「そういうことか」
「は?」
王様は首をかしげる。
「私、この国に入っておかしかったんですよね。ここまで高騰なのに、誰一人不満を言わないなんて」
「そりゃ、逆らう者は処刑しているからな」
「いいえ。その不満をあんたが倒したかった魔女が抑えていたんですよ」
『呪い』を抑えるために呪力を使ったのだろう。だから魔女事態に力を持っていなかったと推測でしか考えられない。
「ほら、もう国民たちが怒っている。魔女が消えても、暴動は治まらない。『呪い』の濃度が高まっている。『呪い』の正体は黒女神(シュヴァルツ)が最後に残った恨み、怨念。つまり、その感情に『呪い』が過剰に発生する時もあるんです。ここまで来たらもう気が治まるまで止まらないでしょう」
「気が治まるまでということは・・・」
王様は青ざめる。
やっと察してくれたようだ。それでも助ける義理はない。
王様から離れる。
「待ってくれ!ワシはどうなる。どうすればいい聖女様!」
「私はただ魔女を退治しただけですので」
ジャンヌは、その場を去った。
「うわ、なんだこりゃ」
アキセは、崩れた家々を歩いていた。
あちこちに魔族(アビス)の死体があった。
これは、反乱が起きた後だろう。『呪い』は、人の怨念、負の感情で過剰に発生する。急激な魔族化で理性を失い、異形の姿へと変化し、互いに殺し合い滅びたといったところだろう。
「まあ、よくあることだ」
冷めた目で独り言を吐く。
「さて、『呪い』が濃いから早く次の町に行かないとな」
アキセは、その場を去る。
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