142 / 654
合体獣戦士ジュウオウガー⑨
しおりを挟む
「うわ~何あれ!」
逃げ回ったルシアが大砲に視線を向けた瞬間にロザリオを突き進む。
ルシアも気付き、瞬時に本を手元に召喚し、ロザリオを挟む。
「魔女ごと本を燃やしてやる!」
本は今ルシアが閉まってしまった。どっちにしても魔女を退治すれば同じごと。
「絶対にイヤだ!」
ルシアは反抗する子供のように声を上げる。
「だったら、今すぐ本を出せ!」
「もっとイヤだ!」
ルシアの背後から鳥型のノレッジがジャンヌに突っ込む。多数に。
「うわ!」
ルシアから離れ、ノレッジに埋まれる。
「この!」
体中から白い炎を放ち、ノレッジを燃やす。燃え尽きた先にルシアは空中に浮いていた。
「も~いいところ見逃した!」
ルシアは手元に出していた本を見つめる。
「あ~あ。マンガ通りも見たかったんだけどな」
ルシアは塵状に散っていくラスボスを眺めていた。
その時、ルシアに鎖が絡まれる。
「ぎゃあ!」
ルシアは地面に引っ張られ、本はルシアから離れる。
その隙に白い炎に纏ったロザリオを大きく払い、白い炎の波を放ち、本を燃やす。
「あ!また!」
これでルシアの呪力は消えるが、その前にカイジュウは消えてしまった。
一体どういうことだろうか。
あれ、そういえば、あの鎖はどこから来たのだろうか。
改めて見れば、鎖に絡めたルシアの下に陣が描いた。
魔術を使える者とすればと振り向けば、黒焦げになったアキセが銃を構えていた。不機嫌そうに。
「なんでそんなに怒っているの?」
わざとボケてみた。
「ほう。心当たりがないと」
アキセは眉を吊り上げる。
「それはわたしの方があるんだけど。さっさと本を渡せばよかったのと、何かを私に要求しようとしたこと」
「俺は何も言っていないぞ。だからこれは・・・」
「さて」
アキセの言葉を遮る。
鎖に絡めたルシアを見つめる。
「なぜ、あのカイジュウは倒せたのか教えてくれるかしら」
ルシアにロザリオを向ける。
「教えない。べー」とルシアが舌を出すので。
「さっさと言え。おまえの舌から燃やしてやる」
ロザリオをルシアの口に向ける。
「分かった。言うよ!僕は空想の魔女。想いに答える魔女だから、想いの強さでお話も変えられたんだ」
「分かりやすく言え」
「バカ聖女」
「ああ」とルシアにガンを飛ばす。
ルシアがびくつく。
「元々このマンガは、作者が鬱状態で適当に終わらせただから、作者の想いは子供たちの勝ちたい想いに負けちゃったから変えられたんだ」
つまり、ルシアの呪力は、想いによって変えられるということだろう。
「これで全部だよ。放してよ~」
ルシアは、他の魔女と比べて強くないが、厄介な魔女と変わらない。これ以上増やしたくない。
「死ね」
「うそつきー」
ロザリオから白い炎を放とうとしたが、まだノレッジが視界を奪うほどに襲ってくる。
「しつこい!」
白い炎を放ち、ノレッジを燃やす。
燃え尽きた先には、絡めたはずのルシアがいなかった。
「ち、逃げやがって」
ノレッジが襲っている隙にルシアが逃げたようだ。
「まさか、わざと見逃したでしょう!」
視線を向けるが、アキセも消えていた。
「もうどいつもこいつも」
イラついた時だった。
大きく地面が揺れた。それは、ジュウオウガ―が起こしたものだった。
「聖女のお姉ちゃん。ありがとう」
エドの声がした。
「私は本を燃やしただけよ」
まあ、正確には本を燃やす前にカイジュウが消えただけ。
ジュウオウガ―の体が徐々に薄くなっている。どうやら本が消えても少しだけ具現化ができるようだ。
ジュウオウガ―が手を伸ばす。
「僕に乗って。お父さんと会う前に街の外まで送ってあげる」
「なら、お言葉に甘えて」
ジュウオウガ―の体が薄くなっているが、街の外までには持つだろう。
ジュウオウガ―の手に乗り、空を飛ぶ。
朝日と共に。
ラプラスの部屋。
書館の魔女ラプラス・ライブラーがノレッジにより集めた知識を本に変え、保管している空間。
ルシアは、ラプラスが特別に作ってくれた部屋で、横になってマンガをのんびり読んでいた。
扉が開ける音がした。ラプラスが入ってきた。
「ルシア。またノレッジを異世界に行かせたでしょ」
ラプラスは呆れたようにルシアに言う。
「うん」
視線を変えずに返事をする。
ラプラスは、ノレッジを異世界にまで知識を集めている。その際にマンガも集めている。
「またマンガってものかしら」
「だって!面白いモノ。この世界にない想像力と発想力がある!」
異世界の方が、想像力が豊かで面白い。だから集めている。
「ダメとは言わないけど、本は選びなさいよ」
ぎく。
圧を感じた。
「あまり質の悪い本は食べさせないでよ」
「はい・・・」
ラプラスは去る。
「次は何しようかな」
ルシアはわくわくしながら再びマンガを読む。
逃げ回ったルシアが大砲に視線を向けた瞬間にロザリオを突き進む。
ルシアも気付き、瞬時に本を手元に召喚し、ロザリオを挟む。
「魔女ごと本を燃やしてやる!」
本は今ルシアが閉まってしまった。どっちにしても魔女を退治すれば同じごと。
「絶対にイヤだ!」
ルシアは反抗する子供のように声を上げる。
「だったら、今すぐ本を出せ!」
「もっとイヤだ!」
ルシアの背後から鳥型のノレッジがジャンヌに突っ込む。多数に。
「うわ!」
ルシアから離れ、ノレッジに埋まれる。
「この!」
体中から白い炎を放ち、ノレッジを燃やす。燃え尽きた先にルシアは空中に浮いていた。
「も~いいところ見逃した!」
ルシアは手元に出していた本を見つめる。
「あ~あ。マンガ通りも見たかったんだけどな」
ルシアは塵状に散っていくラスボスを眺めていた。
その時、ルシアに鎖が絡まれる。
「ぎゃあ!」
ルシアは地面に引っ張られ、本はルシアから離れる。
その隙に白い炎に纏ったロザリオを大きく払い、白い炎の波を放ち、本を燃やす。
「あ!また!」
これでルシアの呪力は消えるが、その前にカイジュウは消えてしまった。
一体どういうことだろうか。
あれ、そういえば、あの鎖はどこから来たのだろうか。
改めて見れば、鎖に絡めたルシアの下に陣が描いた。
魔術を使える者とすればと振り向けば、黒焦げになったアキセが銃を構えていた。不機嫌そうに。
「なんでそんなに怒っているの?」
わざとボケてみた。
「ほう。心当たりがないと」
アキセは眉を吊り上げる。
「それはわたしの方があるんだけど。さっさと本を渡せばよかったのと、何かを私に要求しようとしたこと」
「俺は何も言っていないぞ。だからこれは・・・」
「さて」
アキセの言葉を遮る。
鎖に絡めたルシアを見つめる。
「なぜ、あのカイジュウは倒せたのか教えてくれるかしら」
ルシアにロザリオを向ける。
「教えない。べー」とルシアが舌を出すので。
「さっさと言え。おまえの舌から燃やしてやる」
ロザリオをルシアの口に向ける。
「分かった。言うよ!僕は空想の魔女。想いに答える魔女だから、想いの強さでお話も変えられたんだ」
「分かりやすく言え」
「バカ聖女」
「ああ」とルシアにガンを飛ばす。
ルシアがびくつく。
「元々このマンガは、作者が鬱状態で適当に終わらせただから、作者の想いは子供たちの勝ちたい想いに負けちゃったから変えられたんだ」
つまり、ルシアの呪力は、想いによって変えられるということだろう。
「これで全部だよ。放してよ~」
ルシアは、他の魔女と比べて強くないが、厄介な魔女と変わらない。これ以上増やしたくない。
「死ね」
「うそつきー」
ロザリオから白い炎を放とうとしたが、まだノレッジが視界を奪うほどに襲ってくる。
「しつこい!」
白い炎を放ち、ノレッジを燃やす。
燃え尽きた先には、絡めたはずのルシアがいなかった。
「ち、逃げやがって」
ノレッジが襲っている隙にルシアが逃げたようだ。
「まさか、わざと見逃したでしょう!」
視線を向けるが、アキセも消えていた。
「もうどいつもこいつも」
イラついた時だった。
大きく地面が揺れた。それは、ジュウオウガ―が起こしたものだった。
「聖女のお姉ちゃん。ありがとう」
エドの声がした。
「私は本を燃やしただけよ」
まあ、正確には本を燃やす前にカイジュウが消えただけ。
ジュウオウガ―の体が徐々に薄くなっている。どうやら本が消えても少しだけ具現化ができるようだ。
ジュウオウガ―が手を伸ばす。
「僕に乗って。お父さんと会う前に街の外まで送ってあげる」
「なら、お言葉に甘えて」
ジュウオウガ―の体が薄くなっているが、街の外までには持つだろう。
ジュウオウガ―の手に乗り、空を飛ぶ。
朝日と共に。
ラプラスの部屋。
書館の魔女ラプラス・ライブラーがノレッジにより集めた知識を本に変え、保管している空間。
ルシアは、ラプラスが特別に作ってくれた部屋で、横になってマンガをのんびり読んでいた。
扉が開ける音がした。ラプラスが入ってきた。
「ルシア。またノレッジを異世界に行かせたでしょ」
ラプラスは呆れたようにルシアに言う。
「うん」
視線を変えずに返事をする。
ラプラスは、ノレッジを異世界にまで知識を集めている。その際にマンガも集めている。
「またマンガってものかしら」
「だって!面白いモノ。この世界にない想像力と発想力がある!」
異世界の方が、想像力が豊かで面白い。だから集めている。
「ダメとは言わないけど、本は選びなさいよ」
ぎく。
圧を感じた。
「あまり質の悪い本は食べさせないでよ」
「はい・・・」
ラプラスは去る。
「次は何しようかな」
ルシアはわくわくしながら再びマンガを読む。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
婚約破棄からの断罪カウンター
F.conoe
ファンタジー
冤罪押しつけられたから、それなら、と実現してあげた悪役令嬢。
理論ではなく力押しのカウンター攻撃
効果は抜群か…?
(すでに違う婚約破棄ものも投稿していますが、はじめてなんとか書き上げた婚約破棄ものです)

蔑ろにされた王妃と見限られた国王
奏千歌
恋愛
※最初に公開したプロット版はカクヨムで公開しています
国王陛下には愛する女性がいた。
彼女は陛下の初恋の相手で、陛下はずっと彼女を想い続けて、そして大切にしていた。
私は、そんな陛下と結婚した。
国と王家のために、私達は結婚しなければならなかったから、結婚すれば陛下も少しは変わるのではと期待していた。
でも結果は……私の理想を打ち砕くものだった。
そしてもう一つ。
私も陛下も知らないことがあった。
彼女のことを。彼女の正体を。

魅了が解けた貴男から私へ
砂礫レキ
ファンタジー
貴族学園に通う一人の男爵令嬢が第一王子ダレルに魅了の術をかけた。
彼女に操られたダレルは婚約者のコルネリアを憎み罵り続ける。
そして卒業パーティーでとうとう婚約破棄を宣言した。
しかし魅了の術はその場に運良く居た宮廷魔術師に見破られる。
男爵令嬢は処刑されダレルは正気に戻った。
元凶は裁かれコルネリアへの愛を取り戻したダレル。
しかしそんな彼に半年後、今度はコルネリアが婚約破棄を告げた。
三話完結です。

絶対に間違えないから
mahiro
恋愛
あれは事故だった。
けれど、その場には彼女と仲の悪かった私がおり、日頃の行いの悪さのせいで彼女を階段から突き落とした犯人は私だと誰もが思ったーーー私の初恋であった貴方さえも。
だから、貴方は彼女を失うことになった私を許さず、私を死へ追いやった………はずだった。
何故か私はあのときの記憶を持ったまま6歳の頃の私に戻ってきたのだ。
どうして戻ってこれたのか分からないが、このチャンスを逃すわけにはいかない。
私はもう彼らとは出会わず、日頃の行いの悪さを見直し、平穏な生活を目指す!そう決めたはずなのに...……。

アルバートの屈辱
プラネットプラント
恋愛
妻の姉に恋をして妻を蔑ろにするアルバートとそんな夫を愛するのを諦めてしまった妻の話。
『詰んでる不憫系悪役令嬢はチャラ男騎士として生活しています』の10年ほど前の話ですが、ほぼ無関係なので単体で読めます。

私も処刑されたことですし、どうか皆さま地獄へ落ちてくださいね。
火野村志紀
恋愛
あなた方が訪れるその時をお待ちしております。
王宮医官長のエステルは、流行り病の特効薬を第四王子に服用させた。すると王子は高熱で苦しみ出し、エステルを含めた王宮医官たちは罪人として投獄されてしまう。
そしてエステルの婚約者であり大臣の息子のブノワは、エステルを口汚く罵り婚約破棄をすると、王女ナデージュとの婚約を果たす。ブノワにとって、優秀すぎるエステルは以前から邪魔な存在だったのだ。
エステルは貴族や平民からも悪女、魔女と罵られながら処刑された。
それがこの国の終わりの始まりだった。

冤罪で追放した男の末路
菜花
ファンタジー
ディアークは参っていた。仲間の一人がディアークを嫌ってるのか、回復魔法を絶対にかけないのだ。命にかかわる嫌がらせをする女はいらんと追放したが、その後冤罪だったと判明し……。カクヨムでも同じ話を投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる