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合体獣戦士ジュウオウガー⑨
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「うわ~何あれ!」
逃げ回ったルシアが大砲に視線を向けた瞬間にロザリオを突き進む。
ルシアも気付き、瞬時に本を手元に召喚し、ロザリオを挟む。
「魔女ごと本を燃やしてやる!」
本は今ルシアが閉まってしまった。どっちにしても魔女を退治すれば同じごと。
「絶対にイヤだ!」
ルシアは反抗する子供のように声を上げる。
「だったら、今すぐ本を出せ!」
「もっとイヤだ!」
ルシアの背後から鳥型のノレッジがジャンヌに突っ込む。多数に。
「うわ!」
ルシアから離れ、ノレッジに埋まれる。
「この!」
体中から白い炎を放ち、ノレッジを燃やす。燃え尽きた先にルシアは空中に浮いていた。
「も~いいところ見逃した!」
ルシアは手元に出していた本を見つめる。
「あ~あ。マンガ通りも見たかったんだけどな」
ルシアは塵状に散っていくラスボスを眺めていた。
その時、ルシアに鎖が絡まれる。
「ぎゃあ!」
ルシアは地面に引っ張られ、本はルシアから離れる。
その隙に白い炎に纏ったロザリオを大きく払い、白い炎の波を放ち、本を燃やす。
「あ!また!」
これでルシアの呪力は消えるが、その前にカイジュウは消えてしまった。
一体どういうことだろうか。
あれ、そういえば、あの鎖はどこから来たのだろうか。
改めて見れば、鎖に絡めたルシアの下に陣が描いた。
魔術を使える者とすればと振り向けば、黒焦げになったアキセが銃を構えていた。不機嫌そうに。
「なんでそんなに怒っているの?」
わざとボケてみた。
「ほう。心当たりがないと」
アキセは眉を吊り上げる。
「それはわたしの方があるんだけど。さっさと本を渡せばよかったのと、何かを私に要求しようとしたこと」
「俺は何も言っていないぞ。だからこれは・・・」
「さて」
アキセの言葉を遮る。
鎖に絡めたルシアを見つめる。
「なぜ、あのカイジュウは倒せたのか教えてくれるかしら」
ルシアにロザリオを向ける。
「教えない。べー」とルシアが舌を出すので。
「さっさと言え。おまえの舌から燃やしてやる」
ロザリオをルシアの口に向ける。
「分かった。言うよ!僕は空想の魔女。想いに答える魔女だから、想いの強さでお話も変えられたんだ」
「分かりやすく言え」
「バカ聖女」
「ああ」とルシアにガンを飛ばす。
ルシアがびくつく。
「元々このマンガは、作者が鬱状態で適当に終わらせただから、作者の想いは子供たちの勝ちたい想いに負けちゃったから変えられたんだ」
つまり、ルシアの呪力は、想いによって変えられるということだろう。
「これで全部だよ。放してよ~」
ルシアは、他の魔女と比べて強くないが、厄介な魔女と変わらない。これ以上増やしたくない。
「死ね」
「うそつきー」
ロザリオから白い炎を放とうとしたが、まだノレッジが視界を奪うほどに襲ってくる。
「しつこい!」
白い炎を放ち、ノレッジを燃やす。
燃え尽きた先には、絡めたはずのルシアがいなかった。
「ち、逃げやがって」
ノレッジが襲っている隙にルシアが逃げたようだ。
「まさか、わざと見逃したでしょう!」
視線を向けるが、アキセも消えていた。
「もうどいつもこいつも」
イラついた時だった。
大きく地面が揺れた。それは、ジュウオウガ―が起こしたものだった。
「聖女のお姉ちゃん。ありがとう」
エドの声がした。
「私は本を燃やしただけよ」
まあ、正確には本を燃やす前にカイジュウが消えただけ。
ジュウオウガ―の体が徐々に薄くなっている。どうやら本が消えても少しだけ具現化ができるようだ。
ジュウオウガ―が手を伸ばす。
「僕に乗って。お父さんと会う前に街の外まで送ってあげる」
「なら、お言葉に甘えて」
ジュウオウガ―の体が薄くなっているが、街の外までには持つだろう。
ジュウオウガ―の手に乗り、空を飛ぶ。
朝日と共に。
ラプラスの部屋。
書館の魔女ラプラス・ライブラーがノレッジにより集めた知識を本に変え、保管している空間。
ルシアは、ラプラスが特別に作ってくれた部屋で、横になってマンガをのんびり読んでいた。
扉が開ける音がした。ラプラスが入ってきた。
「ルシア。またノレッジを異世界に行かせたでしょ」
ラプラスは呆れたようにルシアに言う。
「うん」
視線を変えずに返事をする。
ラプラスは、ノレッジを異世界にまで知識を集めている。その際にマンガも集めている。
「またマンガってものかしら」
「だって!面白いモノ。この世界にない想像力と発想力がある!」
異世界の方が、想像力が豊かで面白い。だから集めている。
「ダメとは言わないけど、本は選びなさいよ」
ぎく。
圧を感じた。
「あまり質の悪い本は食べさせないでよ」
「はい・・・」
ラプラスは去る。
「次は何しようかな」
ルシアはわくわくしながら再びマンガを読む。
逃げ回ったルシアが大砲に視線を向けた瞬間にロザリオを突き進む。
ルシアも気付き、瞬時に本を手元に召喚し、ロザリオを挟む。
「魔女ごと本を燃やしてやる!」
本は今ルシアが閉まってしまった。どっちにしても魔女を退治すれば同じごと。
「絶対にイヤだ!」
ルシアは反抗する子供のように声を上げる。
「だったら、今すぐ本を出せ!」
「もっとイヤだ!」
ルシアの背後から鳥型のノレッジがジャンヌに突っ込む。多数に。
「うわ!」
ルシアから離れ、ノレッジに埋まれる。
「この!」
体中から白い炎を放ち、ノレッジを燃やす。燃え尽きた先にルシアは空中に浮いていた。
「も~いいところ見逃した!」
ルシアは手元に出していた本を見つめる。
「あ~あ。マンガ通りも見たかったんだけどな」
ルシアは塵状に散っていくラスボスを眺めていた。
その時、ルシアに鎖が絡まれる。
「ぎゃあ!」
ルシアは地面に引っ張られ、本はルシアから離れる。
その隙に白い炎に纏ったロザリオを大きく払い、白い炎の波を放ち、本を燃やす。
「あ!また!」
これでルシアの呪力は消えるが、その前にカイジュウは消えてしまった。
一体どういうことだろうか。
あれ、そういえば、あの鎖はどこから来たのだろうか。
改めて見れば、鎖に絡めたルシアの下に陣が描いた。
魔術を使える者とすればと振り向けば、黒焦げになったアキセが銃を構えていた。不機嫌そうに。
「なんでそんなに怒っているの?」
わざとボケてみた。
「ほう。心当たりがないと」
アキセは眉を吊り上げる。
「それはわたしの方があるんだけど。さっさと本を渡せばよかったのと、何かを私に要求しようとしたこと」
「俺は何も言っていないぞ。だからこれは・・・」
「さて」
アキセの言葉を遮る。
鎖に絡めたルシアを見つめる。
「なぜ、あのカイジュウは倒せたのか教えてくれるかしら」
ルシアにロザリオを向ける。
「教えない。べー」とルシアが舌を出すので。
「さっさと言え。おまえの舌から燃やしてやる」
ロザリオをルシアの口に向ける。
「分かった。言うよ!僕は空想の魔女。想いに答える魔女だから、想いの強さでお話も変えられたんだ」
「分かりやすく言え」
「バカ聖女」
「ああ」とルシアにガンを飛ばす。
ルシアがびくつく。
「元々このマンガは、作者が鬱状態で適当に終わらせただから、作者の想いは子供たちの勝ちたい想いに負けちゃったから変えられたんだ」
つまり、ルシアの呪力は、想いによって変えられるということだろう。
「これで全部だよ。放してよ~」
ルシアは、他の魔女と比べて強くないが、厄介な魔女と変わらない。これ以上増やしたくない。
「死ね」
「うそつきー」
ロザリオから白い炎を放とうとしたが、まだノレッジが視界を奪うほどに襲ってくる。
「しつこい!」
白い炎を放ち、ノレッジを燃やす。
燃え尽きた先には、絡めたはずのルシアがいなかった。
「ち、逃げやがって」
ノレッジが襲っている隙にルシアが逃げたようだ。
「まさか、わざと見逃したでしょう!」
視線を向けるが、アキセも消えていた。
「もうどいつもこいつも」
イラついた時だった。
大きく地面が揺れた。それは、ジュウオウガ―が起こしたものだった。
「聖女のお姉ちゃん。ありがとう」
エドの声がした。
「私は本を燃やしただけよ」
まあ、正確には本を燃やす前にカイジュウが消えただけ。
ジュウオウガ―の体が徐々に薄くなっている。どうやら本が消えても少しだけ具現化ができるようだ。
ジュウオウガ―が手を伸ばす。
「僕に乗って。お父さんと会う前に街の外まで送ってあげる」
「なら、お言葉に甘えて」
ジュウオウガ―の体が薄くなっているが、街の外までには持つだろう。
ジュウオウガ―の手に乗り、空を飛ぶ。
朝日と共に。
ラプラスの部屋。
書館の魔女ラプラス・ライブラーがノレッジにより集めた知識を本に変え、保管している空間。
ルシアは、ラプラスが特別に作ってくれた部屋で、横になってマンガをのんびり読んでいた。
扉が開ける音がした。ラプラスが入ってきた。
「ルシア。またノレッジを異世界に行かせたでしょ」
ラプラスは呆れたようにルシアに言う。
「うん」
視線を変えずに返事をする。
ラプラスは、ノレッジを異世界にまで知識を集めている。その際にマンガも集めている。
「またマンガってものかしら」
「だって!面白いモノ。この世界にない想像力と発想力がある!」
異世界の方が、想像力が豊かで面白い。だから集めている。
「ダメとは言わないけど、本は選びなさいよ」
ぎく。
圧を感じた。
「あまり質の悪い本は食べさせないでよ」
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ルシアはわくわくしながら再びマンガを読む。
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