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合体獣戦士ジュウオウガー⑦
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ジャンヌは、本をくわえたノレッジを追いかける。斜面に作っているため、坂が多く、体力が持ってかれる。
「どこまで飛ぶのよ」
それにアキセが一緒に追いかけてくると思ったが、ついてこなかった。先に逃げたのだろうか。例え逃げたとしても気にしない。今は本を燃やすことを考えなくては。
手に込めた白い炎を投げるが、横から別のノレッジが入り込み、白い炎に包む。
「ちっ!」と悪態をつく。邪魔が入らなければ確実に当たっていた。
本をくわえたノレッジは、高台に入った。
ジャンヌも高台に入れば、街を見渡せる公園のような場所だった。
そこにくうそうの魔女ルシア・ファンタジアが立っていた。本をくわえたノレッジは、ルシアの手に渡す。
「よかった~見つけて。失くしたところだったんだ」
白い炎を飛ばすも、ルシアは左に体を避ける。
「ちょっと。邪魔しないでよ!一番楽しみにしていたラスボスが出たんだから!」
「あんたの空想を終わらせてやる!」と声を上げるジャンヌ。
「絶対にイヤ!」と全力で拒否するルシア。
「僕の好きなカイジュウなんだもん!ラスボスのレジェンドはね。ジュウオウガ―が倒したカイジュウが退治したことで復活する破滅のカイジュウなんだ!見たいに決まっているじゃん!」
ルシアが嬉しそうに語る。
「それに爆発に紛れても聖女なら耐えられるでしょ」
『光』が切れなければな。爆発は呪力で作られたもの。『呪い』の濃度が自身の容量より超えてしまっては、『光』が『呪い』を浄化しきれずに底がつき、呪病に侵され、死んでしまう。
どっちにしても本を燃やさなければいけない。
「だとしてもおまえの想い通りにはさせない!」
「それはどうかな」
その時、竜巻がルシアを覆う。
「これって・・・」
ルシアの手から本が離れる。
「あ!」
さらに竜巻の中に何かが弾のようなものが入った。
「ぎゃ!」
竜巻が晴れれば、ルシアは、体中に粘りついた網に絡まれていた。
「え~またねばねば~」
ルシアは嘆く。
竜巻に飛んだ本は、いつの間にかいたアキセの手に渡ってしまった。
やはり、アキセの仕業だった。
ルシアから本を取り戻したが、ちょっと最悪な事態になった。
「ほら、本を取り返したぞ」とアキセが言っても、笑顔の中に何かを企んでいるように見えてしまう。
アキセはルシアから奪った本を見せびらかす。
「あんたが直接私に渡すこともできたはずよ」
わざわざアキセの手に届いたということはつまり。
「ん~」
アキセが考え込む。何か要求される。その前に。
よし、アキセごと燃やす。
白い炎を纏ったロザリオを大きく振るい、白い炎の波を放つ。
アキセは横に飛び、白い炎から避ける。
「おいおい。約束破る気か」
しまった。そうきたか。
「こっちは時間がないんだ!」
「ん~どうしようかな」
こいつ。
手に怒りを込めながら、アキセを睨んだ時だった。
「もおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
ルシアが声を上げる。
粘ついた網に苦戦している。
「これはやりたくなかったけど」
イラついたルシアは、アキセに睨みつける。
何かしたようだ。
「アキセくううううううううううううん」
奥から急にもう一人のジャンヌが現れる。
「え?」
ジャンヌと似ているが少し違っていた。少し髪を伸ばし、白いワンピースを着ている。しかも複数に。
もちろん、ルシアの呪力だろう。本を媒介しなくても実体は可能なのか。
ちょっと待った。ルシアは空想を実現する。つまり、あれはアキセの空想。空想のジャンヌがアキセを襲いかかる。
「「アキセきゅううううううううん」」
「うわ!」
本はアキセから離れ、飛んできたノレッジがくわえる。
「これで油断させても・・・」
「「アキセきゅううううううううううううん」」
背後からジャンヌの声でアキセの名前を呼ぶ。自身の声が響く。呼びたくない名をいくつもいくつも。このくらいは我慢できる。我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我。
「アキセきゅううううううん。大好き」
我慢が切れた。
アキセごと空想のジャンヌを白い炎で燃やす。
「ぎゃあああああ!」
アキセの悲鳴など聴かない。
さて、本を取り戻そう。
いつの間にかネットから抜け出したルシアが本を持って逃げようとしていた。
「さあ、やりましょうか」
ドスの入った声でルシアをにらみつける。
「余計に怒らせちゃったかな・・・」
ルシアは冷や汗をかく。
「どこまで飛ぶのよ」
それにアキセが一緒に追いかけてくると思ったが、ついてこなかった。先に逃げたのだろうか。例え逃げたとしても気にしない。今は本を燃やすことを考えなくては。
手に込めた白い炎を投げるが、横から別のノレッジが入り込み、白い炎に包む。
「ちっ!」と悪態をつく。邪魔が入らなければ確実に当たっていた。
本をくわえたノレッジは、高台に入った。
ジャンヌも高台に入れば、街を見渡せる公園のような場所だった。
そこにくうそうの魔女ルシア・ファンタジアが立っていた。本をくわえたノレッジは、ルシアの手に渡す。
「よかった~見つけて。失くしたところだったんだ」
白い炎を飛ばすも、ルシアは左に体を避ける。
「ちょっと。邪魔しないでよ!一番楽しみにしていたラスボスが出たんだから!」
「あんたの空想を終わらせてやる!」と声を上げるジャンヌ。
「絶対にイヤ!」と全力で拒否するルシア。
「僕の好きなカイジュウなんだもん!ラスボスのレジェンドはね。ジュウオウガ―が倒したカイジュウが退治したことで復活する破滅のカイジュウなんだ!見たいに決まっているじゃん!」
ルシアが嬉しそうに語る。
「それに爆発に紛れても聖女なら耐えられるでしょ」
『光』が切れなければな。爆発は呪力で作られたもの。『呪い』の濃度が自身の容量より超えてしまっては、『光』が『呪い』を浄化しきれずに底がつき、呪病に侵され、死んでしまう。
どっちにしても本を燃やさなければいけない。
「だとしてもおまえの想い通りにはさせない!」
「それはどうかな」
その時、竜巻がルシアを覆う。
「これって・・・」
ルシアの手から本が離れる。
「あ!」
さらに竜巻の中に何かが弾のようなものが入った。
「ぎゃ!」
竜巻が晴れれば、ルシアは、体中に粘りついた網に絡まれていた。
「え~またねばねば~」
ルシアは嘆く。
竜巻に飛んだ本は、いつの間にかいたアキセの手に渡ってしまった。
やはり、アキセの仕業だった。
ルシアから本を取り戻したが、ちょっと最悪な事態になった。
「ほら、本を取り返したぞ」とアキセが言っても、笑顔の中に何かを企んでいるように見えてしまう。
アキセはルシアから奪った本を見せびらかす。
「あんたが直接私に渡すこともできたはずよ」
わざわざアキセの手に届いたということはつまり。
「ん~」
アキセが考え込む。何か要求される。その前に。
よし、アキセごと燃やす。
白い炎を纏ったロザリオを大きく振るい、白い炎の波を放つ。
アキセは横に飛び、白い炎から避ける。
「おいおい。約束破る気か」
しまった。そうきたか。
「こっちは時間がないんだ!」
「ん~どうしようかな」
こいつ。
手に怒りを込めながら、アキセを睨んだ時だった。
「もおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
ルシアが声を上げる。
粘ついた網に苦戦している。
「これはやりたくなかったけど」
イラついたルシアは、アキセに睨みつける。
何かしたようだ。
「アキセくううううううううううううん」
奥から急にもう一人のジャンヌが現れる。
「え?」
ジャンヌと似ているが少し違っていた。少し髪を伸ばし、白いワンピースを着ている。しかも複数に。
もちろん、ルシアの呪力だろう。本を媒介しなくても実体は可能なのか。
ちょっと待った。ルシアは空想を実現する。つまり、あれはアキセの空想。空想のジャンヌがアキセを襲いかかる。
「「アキセきゅううううううううん」」
「うわ!」
本はアキセから離れ、飛んできたノレッジがくわえる。
「これで油断させても・・・」
「「アキセきゅううううううううううううん」」
背後からジャンヌの声でアキセの名前を呼ぶ。自身の声が響く。呼びたくない名をいくつもいくつも。このくらいは我慢できる。我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我慢我。
「アキセきゅううううううん。大好き」
我慢が切れた。
アキセごと空想のジャンヌを白い炎で燃やす。
「ぎゃあああああ!」
アキセの悲鳴など聴かない。
さて、本を取り戻そう。
いつの間にかネットから抜け出したルシアが本を持って逃げようとしていた。
「さあ、やりましょうか」
ドスの入った声でルシアをにらみつける。
「余計に怒らせちゃったかな・・・」
ルシアは冷や汗をかく。
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