魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク サイドストーリー篇

白崎詩葉

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合体獣戦士ジュウオウガー④

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「いつの間に~フェンスの外から見たんだよ。それが急に消えるんだもん。せっかく、罠とか用意していたのに~ぷ~」
 椅子の上で胡坐をかくルシアは慌てる様子もなく、顔を膨らませる。
「いじけるな。全部あんたの仕業か!」
「なんだよ。犯人を見つけたような言い方してさ」
 ルシアは不貞腐れる。
「僕はただ趣味に没頭しているだけだよ」
「趣味だ~あ」
 ドスが入った声で言う。
「他人を巻き込ませるとは趣味とは言わない!」
「何勝手に趣味の定義を決めるんだよ」
 ルシアが冷静に突っ込まれる。
「おい、魔女に突っ込まれてるぞ」
「うるさい」
 アキセが冷やかすので返した。
「だって、仕方がないじゃん。僕一人じゃできないし、このマンガに感動したんだから!」
 目を輝いたルシアは本を見せびらかす。その本の表紙があのロボットが描き、見たことのない文字で大きく描いていた。
「マンガ?」
 聞きなれない言葉。
「すっごいんだよ!学校から巨大なロボットが飛び出すんだよ。しかも合体してもっと大きくなるんだ!その合体も溜まらないね」
 ルシアは熱く語る。
「そのためにこんなことを」
「だって~見たかったんだもん!巨大なロボットが戦うところ!」
 ルシアは、ただをこねる子供のように言う。
「だから、みんなを巻き込ませました」
 無邪気な顔でルシアが言うので、ロザリオで一直線にルシアに襲うも横に飛ぶ。横に払うもルシアは、ウサギのようにぴょんと片足で後ろへ下がる。
「ち!」と悪態をつく。
「なんだよ。危ないでしょ!」とルシアは頬を膨らませる。
「いいから、終わらせろ!」
「ヤダね!ぺー」
 ルシアは舌を出す。
 その時、上からルシアに何かが覆いかぶる。
「うわ!」
 それは、粘ついたネットだった。
「うえ。ねばねば~もうヤダー!」
 ルシアは、玩具を取り上げた子供のように声を上げる。
「これで逃げないだろ」
 アキセは、銃を持って、勝ち誇ったように笑う。
「ん~・・・」
「おい、捕まえたのにその反応はなんだよ」
 アキセはジト目で見つめる。
 手段は選ばないけど、アキセのトリモチがいつか欲のために使われそうで。 
「も~もうすぐクライマックスなんだから。邪魔しないでよ!」
 天井から吊るされた紐をルシアは引っ張る。
 その瞬間、足元に穴が空く。
「うわ!」
 穴の中へと落ちてしまう。


 ポッと吐き出してたように地上の穴から飛び出す。
 学校のフェンスの前まで追い出された。
「あの魔女め」
 振り出しに戻ってしまった。
 その時、アキセも穴から飛び出した。なぜか泥やケーキで体中が汚れている。しかも異臭を放している。甘さと泥臭さが混ざった臭いで鼻につく。
「なんでそうなったのよ」
 鼻を押さえながら言う。
「聞くな」
 ルシアがアキセに粘り着いたネットのお返しだろう。
「また振り出しか」
「その前に体を洗いたいんだけど・・・」
 アキセの発言を無視して、今後のことを考えようとした時だった。
 ガチャっと足音がした。
 周囲を見れば、武器を持った住人に囲まれていた。
 重い溜息を吐く。
「面倒くさ」
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