魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク サイドストーリー篇

白崎詩葉

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行く末を知りたい者④

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 なんか体に触ったような気がしたが、気のせいのようだ。
 今、ゴランの仲間たちと一緒に地下通路に歩いている。暗くて臭い。唯一の明かりは仲間たちが持っているランプのみだった。
 ゴランの作戦では、地下通路から城に近づき、城の仲間と合流し、魔女を狙うという。
 いくら聖女がいるからといって、作戦がガバガバなような。もう少し作戦を練るべきだと思うが。
 着くまでにまだ時間がかかりそうなので、質問をした。
「ねえ。ゴラン」
「なんですか?」
「先代の王様ってどんな方でした?」
 今もそれなりに悪行だか、先代もどんなことをしてきたのか気になっていた。
「先代もよくなかったですね」
 あまり驚かなかった。王様はどこも変わらないようだ。
「政治に疎く、欲望のままでした。それに戦争に関しても作戦もなし。数で圧倒しようしましたが、何度も負け、数えきれないほどの犠牲が出ました」
「それって先代も今も変わらないんじゃ」
 欲望のままにすることが。
「何を言っていますか」とゴランは開き直り、「魔女が国に立っていることがいけないことではないですか」と言い切る。
 それは偏見に囚われている。敵は魔女以外にいるのに。
 その時だった。
「何かが来るぞ」と仲間の1人が声を上げる。
 向こうから何かが近づいてくる。小さく赤く光っている。その光は徐々に近づいて来る。
 仲間の1人がランプを奥へと投げ、割れたランプから油がこぼれ、火が広がる。その明かりで正体が分かった。
「ブラッグドッグか」
 犬が魔族(アビス)化した魔獣(モンスター)。人よりも大きく、赤い目をした黒い狼。
 ブラックドッグが迫ってくる。
「たく」
 前に出る。
 魔獣(モンスター)相手では人間は苦戦する。魔女に着く前に全滅しては作戦もへったくれもない。
 手っ取り早く白い炎で払おうとしたが。


 石臼で骨や肉を擦られる音。鍋で煮えたぎる音。肉を切り刻む音。そんな音の中に淫魔の叫び声も混じっている。
 しばらく食欲が出なくなる。
 そんなことを気にせずにアニアは、テンション高く調理をし、ジンガは心地よく聞いている。
 淫魔を食べ物に変え、ジンガの元へとアニアは持っていく。
 テーブルの上は豪華な食事に取り囲まれている。食材を知らなければ。よだれが出るほどに。
「いかがですか?」とアニアが言う。
「名はあるだけあるな」とジンガは褒める。
「よかった~バンバン作りますよ~食材はまだまだありますので!」
 その時だった。
「ん?」とアニアが首をかしげる。
その様子に「どうした」とジンガが尋ねる。
「どうやら、部外者が入ってきたようです。でも大丈夫ですよ。邪魔は絶対に入りません。ブラッグドッグを放しておりますし、この中庭にも絶対に入れないようにしていますので」
 アニアは侵入者が入らないように中庭に結界をかけたようだ。
 前回はジャンヌに散々邪魔されたから、ここまで対策しても仕方がないか。
「場所は分かるか」
「ん~この様子ですと。地下通路から見たいです」
「兵士に送らせるか」
 ということは。よし、入った。
 アーノルドから逃げる際に放った際に放ったコルンの発明品『テレボートハエ』。呼び出したい相手を探し、見つけたハエは相手にとりつき、範囲内に入れば、指を鳴らし、宿主の元へと転送する。ただし、範囲は半径1キロ圏内となる。
 早速指を鳴らす。
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