113 / 648
行く末を知りたい者④
しおりを挟む
なんか体に触ったような気がしたが、気のせいのようだ。
今、ゴランの仲間たちと一緒に地下通路に歩いている。暗くて臭い。唯一の明かりは仲間たちが持っているランプのみだった。
ゴランの作戦では、地下通路から城に近づき、城の仲間と合流し、魔女を狙うという。
いくら聖女がいるからといって、作戦がガバガバなような。もう少し作戦を練るべきだと思うが。
着くまでにまだ時間がかかりそうなので、質問をした。
「ねえ。ゴラン」
「なんですか?」
「先代の王様ってどんな方でした?」
今もそれなりに悪行だか、先代もどんなことをしてきたのか気になっていた。
「先代もよくなかったですね」
あまり驚かなかった。王様はどこも変わらないようだ。
「政治に疎く、欲望のままでした。それに戦争に関しても作戦もなし。数で圧倒しようしましたが、何度も負け、数えきれないほどの犠牲が出ました」
「それって先代も今も変わらないんじゃ」
欲望のままにすることが。
「何を言っていますか」とゴランは開き直り、「魔女が国に立っていることがいけないことではないですか」と言い切る。
それは偏見に囚われている。敵は魔女以外にいるのに。
その時だった。
「何かが来るぞ」と仲間の1人が声を上げる。
向こうから何かが近づいてくる。小さく赤く光っている。その光は徐々に近づいて来る。
仲間の1人がランプを奥へと投げ、割れたランプから油がこぼれ、火が広がる。その明かりで正体が分かった。
「ブラッグドッグか」
犬が魔族(アビス)化した魔獣(モンスター)。人よりも大きく、赤い目をした黒い狼。
ブラックドッグが迫ってくる。
「たく」
前に出る。
魔獣(モンスター)相手では人間は苦戦する。魔女に着く前に全滅しては作戦もへったくれもない。
手っ取り早く白い炎で払おうとしたが。
石臼で骨や肉を擦られる音。鍋で煮えたぎる音。肉を切り刻む音。そんな音の中に淫魔の叫び声も混じっている。
しばらく食欲が出なくなる。
そんなことを気にせずにアニアは、テンション高く調理をし、ジンガは心地よく聞いている。
淫魔を食べ物に変え、ジンガの元へとアニアは持っていく。
テーブルの上は豪華な食事に取り囲まれている。食材を知らなければ。よだれが出るほどに。
「いかがですか?」とアニアが言う。
「名はあるだけあるな」とジンガは褒める。
「よかった~バンバン作りますよ~食材はまだまだありますので!」
その時だった。
「ん?」とアニアが首をかしげる。
その様子に「どうした」とジンガが尋ねる。
「どうやら、部外者が入ってきたようです。でも大丈夫ですよ。邪魔は絶対に入りません。ブラッグドッグを放しておりますし、この中庭にも絶対に入れないようにしていますので」
アニアは侵入者が入らないように中庭に結界をかけたようだ。
前回はジャンヌに散々邪魔されたから、ここまで対策しても仕方がないか。
「場所は分かるか」
「ん~この様子ですと。地下通路から見たいです」
「兵士に送らせるか」
ということは。よし、入った。
アーノルドから逃げる際に放った際に放ったコルンの発明品『テレボートハエ』。呼び出したい相手を探し、見つけたハエは相手にとりつき、範囲内に入れば、指を鳴らし、宿主の元へと転送する。ただし、範囲は半径1キロ圏内となる。
早速指を鳴らす。
今、ゴランの仲間たちと一緒に地下通路に歩いている。暗くて臭い。唯一の明かりは仲間たちが持っているランプのみだった。
ゴランの作戦では、地下通路から城に近づき、城の仲間と合流し、魔女を狙うという。
いくら聖女がいるからといって、作戦がガバガバなような。もう少し作戦を練るべきだと思うが。
着くまでにまだ時間がかかりそうなので、質問をした。
「ねえ。ゴラン」
「なんですか?」
「先代の王様ってどんな方でした?」
今もそれなりに悪行だか、先代もどんなことをしてきたのか気になっていた。
「先代もよくなかったですね」
あまり驚かなかった。王様はどこも変わらないようだ。
「政治に疎く、欲望のままでした。それに戦争に関しても作戦もなし。数で圧倒しようしましたが、何度も負け、数えきれないほどの犠牲が出ました」
「それって先代も今も変わらないんじゃ」
欲望のままにすることが。
「何を言っていますか」とゴランは開き直り、「魔女が国に立っていることがいけないことではないですか」と言い切る。
それは偏見に囚われている。敵は魔女以外にいるのに。
その時だった。
「何かが来るぞ」と仲間の1人が声を上げる。
向こうから何かが近づいてくる。小さく赤く光っている。その光は徐々に近づいて来る。
仲間の1人がランプを奥へと投げ、割れたランプから油がこぼれ、火が広がる。その明かりで正体が分かった。
「ブラッグドッグか」
犬が魔族(アビス)化した魔獣(モンスター)。人よりも大きく、赤い目をした黒い狼。
ブラックドッグが迫ってくる。
「たく」
前に出る。
魔獣(モンスター)相手では人間は苦戦する。魔女に着く前に全滅しては作戦もへったくれもない。
手っ取り早く白い炎で払おうとしたが。
石臼で骨や肉を擦られる音。鍋で煮えたぎる音。肉を切り刻む音。そんな音の中に淫魔の叫び声も混じっている。
しばらく食欲が出なくなる。
そんなことを気にせずにアニアは、テンション高く調理をし、ジンガは心地よく聞いている。
淫魔を食べ物に変え、ジンガの元へとアニアは持っていく。
テーブルの上は豪華な食事に取り囲まれている。食材を知らなければ。よだれが出るほどに。
「いかがですか?」とアニアが言う。
「名はあるだけあるな」とジンガは褒める。
「よかった~バンバン作りますよ~食材はまだまだありますので!」
その時だった。
「ん?」とアニアが首をかしげる。
その様子に「どうした」とジンガが尋ねる。
「どうやら、部外者が入ってきたようです。でも大丈夫ですよ。邪魔は絶対に入りません。ブラッグドッグを放しておりますし、この中庭にも絶対に入れないようにしていますので」
アニアは侵入者が入らないように中庭に結界をかけたようだ。
前回はジャンヌに散々邪魔されたから、ここまで対策しても仕方がないか。
「場所は分かるか」
「ん~この様子ですと。地下通路から見たいです」
「兵士に送らせるか」
ということは。よし、入った。
アーノルドから逃げる際に放った際に放ったコルンの発明品『テレボートハエ』。呼び出したい相手を探し、見つけたハエは相手にとりつき、範囲内に入れば、指を鳴らし、宿主の元へと転送する。ただし、範囲は半径1キロ圏内となる。
早速指を鳴らす。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
冤罪で追放した男の末路
菜花
ファンタジー
ディアークは参っていた。仲間の一人がディアークを嫌ってるのか、回復魔法を絶対にかけないのだ。命にかかわる嫌がらせをする女はいらんと追放したが、その後冤罪だったと判明し……。カクヨムでも同じ話を投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
悪役令嬢は処刑されました
菜花
ファンタジー
王家の命で王太子と婚約したペネロペ。しかしそれは不幸な婚約と言う他なく、最終的にペネロペは冤罪で処刑される。彼女の処刑後の話と、転生後の話。カクヨム様でも投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
私も処刑されたことですし、どうか皆さま地獄へ落ちてくださいね。
火野村志紀
恋愛
あなた方が訪れるその時をお待ちしております。
王宮医官長のエステルは、流行り病の特効薬を第四王子に服用させた。すると王子は高熱で苦しみ出し、エステルを含めた王宮医官たちは罪人として投獄されてしまう。
そしてエステルの婚約者であり大臣の息子のブノワは、エステルを口汚く罵り婚約破棄をすると、王女ナデージュとの婚約を果たす。ブノワにとって、優秀すぎるエステルは以前から邪魔な存在だったのだ。
エステルは貴族や平民からも悪女、魔女と罵られながら処刑された。
それがこの国の終わりの始まりだった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】そして、誰もいなくなった
杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」
愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。
「触るな!」
だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。
「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」
騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。
そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。
そして誰もいなくなった。
彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。
これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。
◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。
3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。
3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました!
4/1、完結しました。全14話。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
1人生活なので自由な生き方を謳歌する
さっちさん
ファンタジー
大商会の娘。
出来損ないと家族から追い出された。
唯一の救いは祖父母が家族に内緒で譲ってくれた小さな町のお店だけ。
これからはひとりで生きていかなくては。
そんな少女も実は、、、
1人の方が気楽に出来るしラッキー
これ幸いと実家と絶縁。1人生活を満喫する。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
仰っている意味が分かりません
水姫
ファンタジー
お兄様が何故か王位を継ぐ気満々なのですけれど、何を仰っているのでしょうか?
常識知らずの迷惑な兄と次代の王のやり取りです。
※過去に投稿したものを手直し後再度投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる