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転換の魔女②
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「初めまして、僕は、シュバリエ・デオンと申します」
馬車の中でデオンは名乗った。
ジャンヌが真ん中になり、左にアガタに右にレオンが座っている。レオンがアガタの隣が嫌だとこねるので、仕方なくこのような座りになった。
「どうも。私はアガタです。後輩のジャンヌとレオンちゃんです」
「ああ!」
レオンがドスの入った声で唸る。
「抑えて」
アガタに無理やり連れられ、不機嫌になっている。
「あなたたちはなぜを旅しているんですか?」
「聖女で魔女狩りの旅をしています」
思わずぴくっと驚いてしまった。
「ちょっと!そんな堂々と言っていいんですか!」
アガタの耳元に言う。
聖女とはあまり言わない方が。どこから狙われているのか分からないからだ。
「いいんだよ」
「はー」
呆れた声で言う。
もう知らない。
「やはり聖女でしたか」
デオンは聖女であることに驚いていない。
「もしかして、分かってて誘ったのではないですか」
アガタがデオンに言う。
「こんな森の中、女3人で旅をしているのも思いましてね」
「女!」
「まあ」
レオンが女と思ってしまったことに怒りそうだったので、抑える。
「聖女であるなら、頼んでもよろしいでしょうか」
――あ~この流れか
「実は、魔女につきまとわされているんです」
やっぱり。
「まあ、よくある話ですね」
「しかも求婚を求めている」
はいはい。よくあるよくある。
「もちろん断っている。魔女とまともに相手する気がない」
「確かに魔女の恋愛はまともではないですからね」
アガタが言う。
「部屋をお貸しますので、魔女を退治して頂けないでしょうか」
対価にしては安いような。
「分かりました。仕事を受けましょう」
結局こうなるのかと内心呆れてしまう。
タイミング合わせたように馬車が止まった。着いたようだ。
馬車から降りれば、かなり大きい屋敷だった。屋敷の周りに池が広がっている。やけに水場が多いのが嫌。水から離れたいのに行く先々にあるのはなぜだろうか。
大きい扉を開けば、「おかえりなさいませ。主様」と一斉に大勢のメイドが言うからだ。男が一斉見えない。趣味が見えすぎる。
思わず引いてしまう。
「ご苦労」とデオンは当たり前のように言う。
ただその時、アガタがメイドに目が引かないのも気になる。
「部屋を用意しますが、部屋は・・・」とデオンが尋ねる。
「レオンちゃんと同じ部屋で」
「ジャンヌさんと同じ部屋で」
アガタとレオンはほぼ同時で言う。
レオンと同じ部屋になってしまった。
ベッド二つとベランダが付いている小さな部屋だった。
「普通、男女に部屋別れるものなんだけど」
「あんな聖女と一緒にいたくない・・・」
ベッドの上で座っているレオンが震えている。
「魔女よりも嫌かも・・・」
「そこまで・・・」
アガタに相当嫌になってしまったようだ。
「そういえば、あの聖女は?」
「確かあの後、デオンにまだ話があるって言っていたけど・・・」
その時、扉からノックの音がした。
「ジャンヌ様」
女の声がした。
「アガタ様からお呼びがございます」
「アガタさんから?」
「はい」
――なんだろうか。
「分かった」
ドアの方へ歩く。
「行くのか?」
レオンが引き留めようとする。
「一応先輩呼び出しだからね」
「ジャンヌさんを追い出して、二人の状況を作るためなんじゃ・・・」
「ん~」
微妙にあり得そう。
返したら離してくれないので、黙って部屋から出る。
「おい!行くな!」と聞こえたような気がしたが、無視した。
部屋を出れば、メイドがいた。
メイド帽子を深くかぶって顔はよく見えない。
なぜか鳥肌がじんわりと立った。
「アガタさんは?」
「こちらです」
メイドに案内される。
大部歩かされる。どれだけこの屋敷は広いのだろうか。先ほどから廊下を歩いてばかりだった。
「ねえ。まだなの?」
メイドに訊く。
「こちらになります」と一点張りだった。
それに鳥肌が立つ。なんだろうか。さっきから。
「ねえ。いい加減にっ!」
急に足場が消えた。
「え!?」
下を見れば、落とし穴だった。
馬車の中でデオンは名乗った。
ジャンヌが真ん中になり、左にアガタに右にレオンが座っている。レオンがアガタの隣が嫌だとこねるので、仕方なくこのような座りになった。
「どうも。私はアガタです。後輩のジャンヌとレオンちゃんです」
「ああ!」
レオンがドスの入った声で唸る。
「抑えて」
アガタに無理やり連れられ、不機嫌になっている。
「あなたたちはなぜを旅しているんですか?」
「聖女で魔女狩りの旅をしています」
思わずぴくっと驚いてしまった。
「ちょっと!そんな堂々と言っていいんですか!」
アガタの耳元に言う。
聖女とはあまり言わない方が。どこから狙われているのか分からないからだ。
「いいんだよ」
「はー」
呆れた声で言う。
もう知らない。
「やはり聖女でしたか」
デオンは聖女であることに驚いていない。
「もしかして、分かってて誘ったのではないですか」
アガタがデオンに言う。
「こんな森の中、女3人で旅をしているのも思いましてね」
「女!」
「まあ」
レオンが女と思ってしまったことに怒りそうだったので、抑える。
「聖女であるなら、頼んでもよろしいでしょうか」
――あ~この流れか
「実は、魔女につきまとわされているんです」
やっぱり。
「まあ、よくある話ですね」
「しかも求婚を求めている」
はいはい。よくあるよくある。
「もちろん断っている。魔女とまともに相手する気がない」
「確かに魔女の恋愛はまともではないですからね」
アガタが言う。
「部屋をお貸しますので、魔女を退治して頂けないでしょうか」
対価にしては安いような。
「分かりました。仕事を受けましょう」
結局こうなるのかと内心呆れてしまう。
タイミング合わせたように馬車が止まった。着いたようだ。
馬車から降りれば、かなり大きい屋敷だった。屋敷の周りに池が広がっている。やけに水場が多いのが嫌。水から離れたいのに行く先々にあるのはなぜだろうか。
大きい扉を開けば、「おかえりなさいませ。主様」と一斉に大勢のメイドが言うからだ。男が一斉見えない。趣味が見えすぎる。
思わず引いてしまう。
「ご苦労」とデオンは当たり前のように言う。
ただその時、アガタがメイドに目が引かないのも気になる。
「部屋を用意しますが、部屋は・・・」とデオンが尋ねる。
「レオンちゃんと同じ部屋で」
「ジャンヌさんと同じ部屋で」
アガタとレオンはほぼ同時で言う。
レオンと同じ部屋になってしまった。
ベッド二つとベランダが付いている小さな部屋だった。
「普通、男女に部屋別れるものなんだけど」
「あんな聖女と一緒にいたくない・・・」
ベッドの上で座っているレオンが震えている。
「魔女よりも嫌かも・・・」
「そこまで・・・」
アガタに相当嫌になってしまったようだ。
「そういえば、あの聖女は?」
「確かあの後、デオンにまだ話があるって言っていたけど・・・」
その時、扉からノックの音がした。
「ジャンヌ様」
女の声がした。
「アガタ様からお呼びがございます」
「アガタさんから?」
「はい」
――なんだろうか。
「分かった」
ドアの方へ歩く。
「行くのか?」
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「ん~」
微妙にあり得そう。
返したら離してくれないので、黙って部屋から出る。
「おい!行くな!」と聞こえたような気がしたが、無視した。
部屋を出れば、メイドがいた。
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なぜか鳥肌がじんわりと立った。
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「ねえ。まだなの?」
メイドに訊く。
「こちらになります」と一点張りだった。
それに鳥肌が立つ。なんだろうか。さっきから。
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