魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク サイドストーリー篇

白崎詩葉

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リベンジ色の赤④

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「くそ。あいつ失敗しやがって!」
 銃を撃ち、紅孩児の肩に当てる。
「イッテーな!」
 紅孩児が振り向き、目が点になった。
 それはアキセがビンから脱出しているからだった。
「おまえ・・・なんで・・・」
 紅孩児は肩に手を当てながら言う。
「魔術使えなくてもな。コルンの発明品があるんだ」
 コルンのアイテムでビンから抜け出せた。
『レーザーペン』を使った。描くだけで物を切れる優れものだった。
 魔術でないため、ビンの中でも使えた。穴を空き、ビンから抜け出せだ。
「やべ。指輪忘れてた!」
――やっぱこいつバカだ
「てか、そもそも俺に変装した時点でうまくいくか。こういうのはな。親しい者に変装するもんだ」
「それっておまえが聖女を嫌っているってことか」
 銃を撃つ。
 紅孩児は避ける。
「さ~て、仕返しと行きますか」
 アキセが銃をゴクウに向けた時だった。
 突然壁が割れた。
「はあ?」
壁から現れたのは、ゴクウだった。
「おう。ゴクウか!」
 と思うきや、面影がないほど顔が腫れているゴクウがその場で倒れ、背後にジャンヌが立っていた。
「げ!」
 紅孩児が声を上げる。
「なんだ。あんたいたの」
 ジャンヌが嫌そうに言う。
「いたって・・・てか、早いな」
「この猿の案内でね。1秒早く案内しないと首を刎ねるぞってね。素直に教えてくれてよかった」
 ジャンヌはゴクウの頭を踏んでいく。
「こわいことを」
「あんたはいいか・・・」
 ジャンヌは紅孩児に気付く。
「誰?」と首をかしげる。
「ふざけるんな!同じセリフを言わせるな。紅孩児だ!」
 紅孩児が怒鳴る。
「コウガイジ?知らないわよ」
 ジャンヌははっきり言う。
「おまえもわ・す・れ・る・な!」
 紅孩児は足を地団駄する。
「ジャンヌ。忘れたなら教えてやるよ」
 アキセは、指飾りを召喚し記号を描き、記号を指パッチンで飛ばす。記号は風に変わり、紅孩児に覆う。
「うわ!」
 紅孩児を巻いていた頭の布は、風に盗まれる。
 紅孩児の頭には足型に髪がはげていた。
 「「わはははははははははははははははははははははははははは」」
 想像以上に笑える。
ジャンヌとアキセはバカ笑いする。
「笑うな!」
 顔を赤らめた紅孩児は怒鳴る。
「おまえのせいで!もう二度と伸びなくなったんだぞ!」
「よかった~報いてで」
「よくない!つーか覚えているじゃねえか!」
「何逆恨みしているのよ。あんたが私に襲ったのが悪いのよ。私は一切恨まれることをしていない。あんたの悪行を成敗しただけ。私は一切悪いことはし・て・な・い」
 ジャンヌは堂々と声を放つ。
「白を切るつもりか」
「そうだ!いろいろと思い出したわ。あんたをどうやってぼこぼこにしたかを」
 ジャンヌは笑顔を絶やさず、ロザリオを引きずっていく。
「上等だ!リベンジしてやる!」
――あーこいつ死ぬな
 ここはジャンヌに任すことにし、体の向きを変える。
 もう背後からぽきぽきと折る音、燃やす音、叫ぶ声で響いた。


 ぼこぼこになった紅孩児とゴクウは、まとめてオカマのユーベルのところまで転送した。今頃ユーベルの餌食になっているだろう。
コルンから渡された発明品もまとめて奪っておいた。
「あー、すっきりしたー」
 ジャンヌは清々しく言う。
「こえー女」
「今回もあんたが主犯だったら、この間よりさらにボコろうと思ったけど。残念」
 なぜかがっかりしている。あの1週間の拷問では足りないのか。
「残念ってなんだ。学習しろとか言っていたくせに今回は褒めないのか。成長したとか」
「まだまだ成長した欠片一つもないわよ。懲りないところが」
 ジャンヌは嫌味に返す。
「でも、ビンの中にいたあんたも見たかった」
「あの猿から聞いたのか・・・」
「ええ。見たかったなー哀れな君か」
 ジャンヌは小さく笑いながら歩く。
「可愛くね」と嫌味に返すアキセだった。
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