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風の魔女たち④
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「さて。早速使うか」
『奴隷首輪』は、獣に使うような皮で作ったような黒い首輪。この首輪をつけた者は、首輪に音声認識した者の命令をなんでも従わなければならない。もちろん従わなければ、首を絞められることになる。
こんないいものを使わなくてどうする。ジャンヌにいろいろとさせられる。
さてジャンヌはどこにいるのやらと思いきや、前から衝撃した。しかも頭から。そのまま後ろへ地面に叩きつけられる。
重い。目の前が真っ暗だった。でも柔らかい。
「きゃあ!」と女の声がした。
やっと視界が明るくなった。
そこには女が顔を赤らめ、手にお尻を抑えながら睨んでいた。
空色の髪で横髪を伸ばし、マフラーのように巻いている。胸までの白と青のふんわりとしたドレスに足を見せる。
微かに『呪い』を散っていた。魔女のようだ。
なぜ怒っているだろうと考える。
お尻に手を当てている。
――あーあれはお尻だったのか。
魔女のお尻が顔にぶつかったようだ。
そんな童貞が求めるようなエロ展開を望んでいない。そこまで要求するほど欲求不満ではない。
「許しません!」
怒った魔女が長い弓を召喚する。
攻撃される。
「ちょ!タイム!」と言ったとたんに魔女が動かなくなった。
よく見れば、魔女の首元に『奴隷首輪』を付けていた。魔女とぶつかった際につけてしまったのか。
魔女も首輪を必死に引っ張っているが、びくともしない。さすがコルンの発明品。
しかし感心している場合ではない。
「解放する」を言えば外せるが、相手は魔女だ。外した途端に攻撃されるかもしれない。このままにするしかないのもあるが、ジャンヌに付けたいから、外さなければいけない。
どうしたものか。
「う・・・」
声がしたので、顔を上げる。
魔女が涙目になって胸を腕で隠す。
「何をする気ですか・・・」
「え?」
「あの・・・来ないで・・・ください・・・」
魔女のくせに怯えている。
魔女でも取れない首輪にどんな命令がくるのか怯えているのだろうか。
それにしても清楚で可愛らしい顔でいい体型をしている。
これはこれでいけると見つめていた時だった。
「あんた・・・」
知っている声。振り返れば、冷たい目線を送るジャンヌがいた。
「なんだよ!その目は!」
「こんな趣味があるなんてね・・・」
完全にゴミを見る目になっている。
「確かにそれも一つのだか」
「やはり」と魔女が言う。
「まさかと思うけど、その首輪私に着けるつもりじゃ・・・」
「そんなことねえって!ジャンヌが困っていたから、この首輪で魔女を・・・」
「どっちにしてもあんたのやることに肯定しないし、魔女を助ける気がないのでどうぞお好きに」
ジャンヌの冷たい目が痛い。
いや、魔女をジャンヌに相手させ、その隙に首輪を取り戻せると瞬時に思いつく。早速使おうとした時だった。
空から何かが落ちてきた。
「クッソー」
空から落ちてきたのは、風鳴の魔女ウィム・シルフだった。
「ヤバい!地面!」
ウィムが飛ぼうとした時、ウィムの影が伸び、ウィムを拘束し、地面に押さえ付ける。
「やっと捕まえたっすよ。ウィムちゃん」
空から速忍の魔女ヤオトメ・クノが降り、ウィムを押さえつける。
クノが周囲を見回す。
「どうなっているんすか?」
『奴隷首輪』は、獣に使うような皮で作ったような黒い首輪。この首輪をつけた者は、首輪に音声認識した者の命令をなんでも従わなければならない。もちろん従わなければ、首を絞められることになる。
こんないいものを使わなくてどうする。ジャンヌにいろいろとさせられる。
さてジャンヌはどこにいるのやらと思いきや、前から衝撃した。しかも頭から。そのまま後ろへ地面に叩きつけられる。
重い。目の前が真っ暗だった。でも柔らかい。
「きゃあ!」と女の声がした。
やっと視界が明るくなった。
そこには女が顔を赤らめ、手にお尻を抑えながら睨んでいた。
空色の髪で横髪を伸ばし、マフラーのように巻いている。胸までの白と青のふんわりとしたドレスに足を見せる。
微かに『呪い』を散っていた。魔女のようだ。
なぜ怒っているだろうと考える。
お尻に手を当てている。
――あーあれはお尻だったのか。
魔女のお尻が顔にぶつかったようだ。
そんな童貞が求めるようなエロ展開を望んでいない。そこまで要求するほど欲求不満ではない。
「許しません!」
怒った魔女が長い弓を召喚する。
攻撃される。
「ちょ!タイム!」と言ったとたんに魔女が動かなくなった。
よく見れば、魔女の首元に『奴隷首輪』を付けていた。魔女とぶつかった際につけてしまったのか。
魔女も首輪を必死に引っ張っているが、びくともしない。さすがコルンの発明品。
しかし感心している場合ではない。
「解放する」を言えば外せるが、相手は魔女だ。外した途端に攻撃されるかもしれない。このままにするしかないのもあるが、ジャンヌに付けたいから、外さなければいけない。
どうしたものか。
「う・・・」
声がしたので、顔を上げる。
魔女が涙目になって胸を腕で隠す。
「何をする気ですか・・・」
「え?」
「あの・・・来ないで・・・ください・・・」
魔女のくせに怯えている。
魔女でも取れない首輪にどんな命令がくるのか怯えているのだろうか。
それにしても清楚で可愛らしい顔でいい体型をしている。
これはこれでいけると見つめていた時だった。
「あんた・・・」
知っている声。振り返れば、冷たい目線を送るジャンヌがいた。
「なんだよ!その目は!」
「こんな趣味があるなんてね・・・」
完全にゴミを見る目になっている。
「確かにそれも一つのだか」
「やはり」と魔女が言う。
「まさかと思うけど、その首輪私に着けるつもりじゃ・・・」
「そんなことねえって!ジャンヌが困っていたから、この首輪で魔女を・・・」
「どっちにしてもあんたのやることに肯定しないし、魔女を助ける気がないのでどうぞお好きに」
ジャンヌの冷たい目が痛い。
いや、魔女をジャンヌに相手させ、その隙に首輪を取り戻せると瞬時に思いつく。早速使おうとした時だった。
空から何かが落ちてきた。
「クッソー」
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「ヤバい!地面!」
ウィムが飛ぼうとした時、ウィムの影が伸び、ウィムを拘束し、地面に押さえ付ける。
「やっと捕まえたっすよ。ウィムちゃん」
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クノが周囲を見回す。
「どうなっているんすか?」
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