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複霊の魔女③
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一夜明けた。
「ねえ。いつまで落ち込むのよ」
レオンは、部屋の隅で膝を抱えている。
あれから宿に戻れば、アキセは消えていた。レオンはショックだったのか、明けるまで落ち込んでいる。
「やっぱり自分に押し倒されるのってショックというか、いろいろとなんがモヤモヤしてなんというか・・・」
複雑な気持ちをなかなか抑え付けられないのだろう。慰めても意味がない。
「レオンから持ち掛けたでしょ。いつまでも落ち込まないで、立ちな。男でしょ」
「そうだ。男だ!」とレオンは立ち上がる。
ちょろいな。
男として扱わないためか、男と言われただけですぐに立ち上がった。
「で、どこに行くんだ?」
町の中を歩くレオンは、ジャンヌに聞く。
「聞き込み調査」
「当てがあるのか?」
「昨日被害者がいたの。その人を聞きにね」
「ふ~ん」
「ねえ。宿の店長おかしくなかった?」
「あ~あのジジィか。まあ、昨日と対応が明らかに違ったよな」
思い返す。
宿から出る時だった。
昨日と打って変わって雑な対応から丁寧な対応に接していた。あまりにも人が変わりすぎていた。
「これも魔女の仕業でいいのか」
「他にいないでしょ。それに・・・」
ジャンヌは言葉を止める。
「ジャンヌさん?」
レオンも気付いてくれたようだ。
「そこのお嬢さん。こんなきれいな方に会えるなんて」
アキセは目をキラキラ輝かせ、ナンパをしていたからだった。相手も見え見えのナンパに呆れて去っていく。
「あ!行かないでくれ~お嬢さん!」
去っていく女を情けなく叫ぶアキセが落ち込む。アキセは気が付いたのか、身を固まる。
「げ・・・ジャンヌ・・・」
冷たい視線を送るジャンヌとレオン。
「行きましょ」
「だな」
歩き出すジャンヌとレオン。
「ちょ・・・待って!」
アキセがジャンヌの肩を触る。
「ちょっとどなたか知らないですか、気安く触らないで」
肩についた手を強く払う。
「そんな冷たいこと言わないで聖女様・・・」
アキセを無視して歩く。
「結局付いてきやがって」
アキセも付いてきてしまった。
「これ・・・あれだろ。魔女の仕業だろう。だったら協力する・・・」
なぜが息を上がっている。
「何よ。あんた。何も関係ないじゃないの」
「いや、関係あるから!『タタリ』にかかっているだろうか!」
「別に普段と変わらないじゃないの」
「だから、これは別の人格なんだ!」
「言い訳がましいな。これが本当の俺です。こんな欲情の塊で申し訳ございません。今すぐ股を切って、真っ当に生きますって」
「オカマになる時点でまともじゃないだろうか!」
「これでストーカーがなくなればなんでもいいわよ!」
ガミガミとお互い口が止まらない中。
「ジャンヌさん。この家に用あるんじゃなかったのか」
横に入ったレオンは、一軒家に親指を立てて指す。
「そうだった」
ジャンヌは玄関の前に立つ。
「あんたは入ってくるな」
ジャンヌはアキセに指を指し、いいきかせる。
「なんで!」
「あんたが今、発情期真っ盛りだからよ。入ってすぐ相手に飛び掛かりそうで話が聞けないでしょ」
「そこまで暴れるか!」
「あっそ。だったら、レオンの面倒見てよ。狙われているから」
「はあ!なんで俺がこんな中性子と!」
「じゃあよろしく」
あまり信用できないが、レオンの面倒を見てもらうことにした。
ジャンヌは扉をノックする。
「ねえ。いつまで落ち込むのよ」
レオンは、部屋の隅で膝を抱えている。
あれから宿に戻れば、アキセは消えていた。レオンはショックだったのか、明けるまで落ち込んでいる。
「やっぱり自分に押し倒されるのってショックというか、いろいろとなんがモヤモヤしてなんというか・・・」
複雑な気持ちをなかなか抑え付けられないのだろう。慰めても意味がない。
「レオンから持ち掛けたでしょ。いつまでも落ち込まないで、立ちな。男でしょ」
「そうだ。男だ!」とレオンは立ち上がる。
ちょろいな。
男として扱わないためか、男と言われただけですぐに立ち上がった。
「で、どこに行くんだ?」
町の中を歩くレオンは、ジャンヌに聞く。
「聞き込み調査」
「当てがあるのか?」
「昨日被害者がいたの。その人を聞きにね」
「ふ~ん」
「ねえ。宿の店長おかしくなかった?」
「あ~あのジジィか。まあ、昨日と対応が明らかに違ったよな」
思い返す。
宿から出る時だった。
昨日と打って変わって雑な対応から丁寧な対応に接していた。あまりにも人が変わりすぎていた。
「これも魔女の仕業でいいのか」
「他にいないでしょ。それに・・・」
ジャンヌは言葉を止める。
「ジャンヌさん?」
レオンも気付いてくれたようだ。
「そこのお嬢さん。こんなきれいな方に会えるなんて」
アキセは目をキラキラ輝かせ、ナンパをしていたからだった。相手も見え見えのナンパに呆れて去っていく。
「あ!行かないでくれ~お嬢さん!」
去っていく女を情けなく叫ぶアキセが落ち込む。アキセは気が付いたのか、身を固まる。
「げ・・・ジャンヌ・・・」
冷たい視線を送るジャンヌとレオン。
「行きましょ」
「だな」
歩き出すジャンヌとレオン。
「ちょ・・・待って!」
アキセがジャンヌの肩を触る。
「ちょっとどなたか知らないですか、気安く触らないで」
肩についた手を強く払う。
「そんな冷たいこと言わないで聖女様・・・」
アキセを無視して歩く。
「結局付いてきやがって」
アキセも付いてきてしまった。
「これ・・・あれだろ。魔女の仕業だろう。だったら協力する・・・」
なぜが息を上がっている。
「何よ。あんた。何も関係ないじゃないの」
「いや、関係あるから!『タタリ』にかかっているだろうか!」
「別に普段と変わらないじゃないの」
「だから、これは別の人格なんだ!」
「言い訳がましいな。これが本当の俺です。こんな欲情の塊で申し訳ございません。今すぐ股を切って、真っ当に生きますって」
「オカマになる時点でまともじゃないだろうか!」
「これでストーカーがなくなればなんでもいいわよ!」
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ジャンヌはアキセに指を指し、いいきかせる。
「なんで!」
「あんたが今、発情期真っ盛りだからよ。入ってすぐ相手に飛び掛かりそうで話が聞けないでしょ」
「そこまで暴れるか!」
「あっそ。だったら、レオンの面倒見てよ。狙われているから」
「はあ!なんで俺がこんな中性子と!」
「じゃあよろしく」
あまり信用できないが、レオンの面倒を見てもらうことにした。
ジャンヌは扉をノックする。
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