62 / 648
赤い男①
しおりを挟む
町外れの廃墟の家の扉を開ける。
アキセはいつものようにコルンの工房に入る。
「入るぞ!」
バーン!
陽気な声で入るアキセだが、追い返された。光線を撃ってきたからだ。
咄嗟に避けたが、爆風に吹き飛ぶ。
「また発明品を盗みやがったな!」
5歳児姿の工作の魔女コルン・ゴボルドが片手に銃を構えていた。
「まだ何も盗んでねえぞ!」
「やっぱりおまえが!」とコルンは光線銃を撃つ。
すかさず避ける。
「せっかくおまえを倒せる武器だったのに!」
「それは聞き捨てならんぞ!」
「うるさ~い!死ね!」
轟音が鳴り響く。
ジャンヌは町の食堂で食べている時だった。
「お客さん。旅人か?」
「まあ一応そうだけど?」
ジャンヌは首をかしげる。
「お客さん。これから町に出るなら気をつけた方がいいぞ」
「何があったの?」
「この辺の町、村の女たちが行方不明になってるって話だ」
よくある話。
「犯人も見つかっていないから、この辺の女は閉じこもっているんだ。だからお客さんも気をつけな」
――気のいい店長だな。
「うん。ありがとうね」
ジャンヌは食べ続けた。
食後、町を出たジャンヌは、森の中を歩いていた。
「誘拐事件ねぇ~」
誘拐事件はどの種族問わずよく聞く話。毎回耳に入って解決していたら、体が持たないが、注意に越したことはない。
気配がする。誰かに見られている。アキセではないのは確かだった。懐からロザリオを出し、警戒する時だった。
「じゃ、じゃ~んと!」
目の前で着地する。
赤髪、赤目。上半身裸に赤い入れ墨が刻み、赤い槍を持っている優男だった。
「赤い髪を見たら恐れろ。赤い目つきで見惚れろ。この入れ墨で俺様の偉大さを知れ。俺様紅孩児!赤い稲妻と言えば、俺様のことだ!」
赤い槍を振り回し、ポーズを決める謎の赤い男。
逆の方向に歩いていく。
また変人に出会ってしまった。ただでさえ、ストーカーにクズと問題を抱えているのにこれ以上関わりたくない。無視して歩く。
「おい!待たんか!」
「うわ!」
瞬時に目の前にいたので、驚いてしまう。
「ふ~ん」
コウガイジはじっと見つめる。
こういう目をジャンヌは見覚えがあった。一瞬アキセを思い浮かんでしまった。
「うん。俺好みの女」
すかさず白い炎を撃つ。
やはり同じ人種に会ってしまった。
ジャンヌは一目散に逃げるが、唐突に煙が発生する。
「煙?」
その時、みぞおちに衝撃が走る。
力が入らず、目をつぶってしまう。
アキセはいつものようにコルンの工房に入る。
「入るぞ!」
バーン!
陽気な声で入るアキセだが、追い返された。光線を撃ってきたからだ。
咄嗟に避けたが、爆風に吹き飛ぶ。
「また発明品を盗みやがったな!」
5歳児姿の工作の魔女コルン・ゴボルドが片手に銃を構えていた。
「まだ何も盗んでねえぞ!」
「やっぱりおまえが!」とコルンは光線銃を撃つ。
すかさず避ける。
「せっかくおまえを倒せる武器だったのに!」
「それは聞き捨てならんぞ!」
「うるさ~い!死ね!」
轟音が鳴り響く。
ジャンヌは町の食堂で食べている時だった。
「お客さん。旅人か?」
「まあ一応そうだけど?」
ジャンヌは首をかしげる。
「お客さん。これから町に出るなら気をつけた方がいいぞ」
「何があったの?」
「この辺の町、村の女たちが行方不明になってるって話だ」
よくある話。
「犯人も見つかっていないから、この辺の女は閉じこもっているんだ。だからお客さんも気をつけな」
――気のいい店長だな。
「うん。ありがとうね」
ジャンヌは食べ続けた。
食後、町を出たジャンヌは、森の中を歩いていた。
「誘拐事件ねぇ~」
誘拐事件はどの種族問わずよく聞く話。毎回耳に入って解決していたら、体が持たないが、注意に越したことはない。
気配がする。誰かに見られている。アキセではないのは確かだった。懐からロザリオを出し、警戒する時だった。
「じゃ、じゃ~んと!」
目の前で着地する。
赤髪、赤目。上半身裸に赤い入れ墨が刻み、赤い槍を持っている優男だった。
「赤い髪を見たら恐れろ。赤い目つきで見惚れろ。この入れ墨で俺様の偉大さを知れ。俺様紅孩児!赤い稲妻と言えば、俺様のことだ!」
赤い槍を振り回し、ポーズを決める謎の赤い男。
逆の方向に歩いていく。
また変人に出会ってしまった。ただでさえ、ストーカーにクズと問題を抱えているのにこれ以上関わりたくない。無視して歩く。
「おい!待たんか!」
「うわ!」
瞬時に目の前にいたので、驚いてしまう。
「ふ~ん」
コウガイジはじっと見つめる。
こういう目をジャンヌは見覚えがあった。一瞬アキセを思い浮かんでしまった。
「うん。俺好みの女」
すかさず白い炎を撃つ。
やはり同じ人種に会ってしまった。
ジャンヌは一目散に逃げるが、唐突に煙が発生する。
「煙?」
その時、みぞおちに衝撃が走る。
力が入らず、目をつぶってしまう。
0
お気に入りに追加
14
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
冤罪で追放した男の末路
菜花
ファンタジー
ディアークは参っていた。仲間の一人がディアークを嫌ってるのか、回復魔法を絶対にかけないのだ。命にかかわる嫌がらせをする女はいらんと追放したが、その後冤罪だったと判明し……。カクヨムでも同じ話を投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
私も処刑されたことですし、どうか皆さま地獄へ落ちてくださいね。
火野村志紀
恋愛
あなた方が訪れるその時をお待ちしております。
王宮医官長のエステルは、流行り病の特効薬を第四王子に服用させた。すると王子は高熱で苦しみ出し、エステルを含めた王宮医官たちは罪人として投獄されてしまう。
そしてエステルの婚約者であり大臣の息子のブノワは、エステルを口汚く罵り婚約破棄をすると、王女ナデージュとの婚約を果たす。ブノワにとって、優秀すぎるエステルは以前から邪魔な存在だったのだ。
エステルは貴族や平民からも悪女、魔女と罵られながら処刑された。
それがこの国の終わりの始まりだった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
悪役令嬢は処刑されました
菜花
ファンタジー
王家の命で王太子と婚約したペネロペ。しかしそれは不幸な婚約と言う他なく、最終的にペネロペは冤罪で処刑される。彼女の処刑後の話と、転生後の話。カクヨム様でも投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
【完結】そして、誰もいなくなった
杜野秋人
ファンタジー
「そなたは私の妻として、侯爵夫人として相応しくない!よって婚約を破棄する!」
愛する令嬢を傍らに声高にそう叫ぶ婚約者イグナシオに伯爵家令嬢セリアは誤解だと訴えるが、イグナシオは聞く耳を持たない。それどころか明らかに犯してもいない罪を挙げられ糾弾され、彼女は思わず彼に手を伸ばして取り縋ろうとした。
「触るな!」
だがその手をイグナシオは大きく振り払った。振り払われよろめいたセリアは、受け身も取れないまま仰向けに倒れ、頭を打って昏倒した。
「突き飛ばしたぞ」
「彼が手を上げた」
「誰か衛兵を呼べ!」
騒然となるパーティー会場。すぐさま会場警護の騎士たちに取り囲まれ、彼は「違うんだ、話を聞いてくれ!」と叫びながら愛人の令嬢とともに連行されていった。
そして倒れたセリアもすぐさま人が集められ運び出されていった。
そして誰もいなくなった。
彼女と彼と愛人と、果たして誰が悪かったのか。
これはとある悲しい、婚約破棄の物語である。
◆小説家になろう様でも公開しています。話数の関係上あちらの方が進みが早いです。
3/27、なろう版完結。あちらは全8話です。
3/30、小説家になろうヒューマンドラマランキング日間1位になりました!
4/1、完結しました。全14話。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
1人生活なので自由な生き方を謳歌する
さっちさん
ファンタジー
大商会の娘。
出来損ないと家族から追い出された。
唯一の救いは祖父母が家族に内緒で譲ってくれた小さな町のお店だけ。
これからはひとりで生きていかなくては。
そんな少女も実は、、、
1人の方が気楽に出来るしラッキー
これ幸いと実家と絶縁。1人生活を満喫する。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
仰っている意味が分かりません
水姫
ファンタジー
お兄様が何故か王位を継ぐ気満々なのですけれど、何を仰っているのでしょうか?
常識知らずの迷惑な兄と次代の王のやり取りです。
※過去に投稿したものを手直し後再度投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる