魔女狩り聖女ジャンヌ・ダルク サイドストーリー篇

白崎詩葉

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切兎の魔女②

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 あれ、遅い。
 ジャンヌに送り込んだ玩具の鳥は、『呼び出し鳥』で工作の魔女コルン・ゴボルドが作った発明品。
 呼び出したい相手が来るまでしつこく追いかけまわる。全滅しない限り、たとえ壊されても、呼び出しに来るまで、数を増やし、追いかけまわす。
 全滅したようだ。
――どんだけ来るの嫌なんだ
 結局一人でやるしかない。
 使い魔の黒いウサギの目を盗み、手に煙弾を召喚し、落とす。
 落とした途端に煙が辺りに広がる。その隙に一目散に逃げる。


「くそ・・・リリスめ・・・」
 女装をしたレオンが夜の森の中でさ迷っていた。
 脱走経路はどこに飛ばされるのか分からないようにしている。最初から着地点を設置すれば、よきの魔女リリス・ライラ・ウィッチャーがすぐに見つかってしまうからだ。それでもリリスは分かって連れ戻されるが、少しは時間稼ぎになる。
「近くに街ないのか~」と嘆いた時だった。
「あ~君ですね」
 唐突に声がした。
 背後から聞こえたので振り向けば、男が立っていた。
 赤目。銀髪の長髪で縛っている。白い騎士のような格好の男。
「確かに女性と間違えられるほどですね」
 すぐさま攻撃する。
 精霊術を小さく詩(うた)い、土の槍を伸ばすが、男はかわされる。
「初対面に攻撃するとは失礼じゃないか」
「初対面から怪しさただ漏れなんだ!」
 怒鳴った。
「リリムは礼儀までしつけてないようですね」
 正体を知っている。
「なぜ、俺の正体を・・・」
 言いかけたところで木をなぎ倒していく音がする。
 何かが近づいてくる。
「来たようですね」
 木をなぎ倒し、姿を見せる。
 赤い三角帽子。赤目。金髪。鉄の靴。赤と黒のワンピースと胸までの上着を着た少女。しかも槍とオノと組み合った大きいハルバートを持っている。
「染色材見~つけた!」
 笑みを見せた瞬間、『呪い』が可視化した黒いモヤが漏れる。つまり、少女は魔女ということ。
「では、さっそく」
イーグスが瞬時に移動し、レオンを回し蹴りで飛ばす。
――あのやろう
 飛ばした先には、魔女がハルバートを構えていた。
「やば!」
 避けることもできず、魔女のハルバードに体を真っ二つにされる。
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