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豪火の魔女⑤
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今から1週間とちょっと前のことだった。
ジャンヌがもうすぐ町に着くところだった。
ごうかの魔女トゥルーデ・イグニスがジャンヌの前に現れた。
同じ炎の力を持つのは、私だけでいいのよと分からない理由でジャンヌに挑んできた。
このところ、天気は曇りが続き、十分な光力を得られなかったため、苦戦を広げられていた。
滝の崖にまで追い詰められてしまう。
トゥルーデを浄化する『光』はもう残っていなかった。
ロザリオの刃も保てなくなった。
そして隙をつかれ、ジャンヌの足に炎が攻撃される。
普段なら、『呪い』で出来たものは、無効化だか、『光』の不足のため、浄化しきれず、炎で足が焼かれてしまう。
トゥルーデは、ジャンヌの動きが鈍くなったところで、ジャンヌの首を掴む。
ジャンヌを滝底に落とそうとしたが、ジャンヌは、最後の力でトゥルーデの腹にロザリオを刺す。
一緒に滝つぼに落ちてしまった。
運よく死なずに済んだか、川の沖まで上がったが、力がつき、意識が盲労していたところを近くにいたトールが助けにきた。
ジャンヌは、これまでの記憶や聖女としての本来の仕事も思い出す。
「あの時の恨みをはらしてもらうぞ!」
ジャンヌは、トゥルーデをにらみつける。
「なんだ、思い出しちゃったの。もっと痛めつけたかったのになあ」
トゥルーデは、ジャンヌを見下ろす。
「じゃあ、本気で殺してあげる」
トゥルーデは、炎に包まれる。
炎は、トゥルーデが払ったことで姿を見せたが、以前とは変わっていた。
髪は炎だった。左手に炎のガギ爪、右手に炎の羽、片足が見えるスリットで羽のように流れている。
まるで火の鳥のような姿だった。
「何。隠し技があったわけ」
「とっておきは最後に取っておくものでしょ」
トゥルーデが燃える体から火玉を飛び散り、周囲の木々に燃え移る。
「あらあら、燃え移ってしまった。このままだと山火事を起こしてしまうわね。」
「その前にあんたの羽を毟り取って、水簿らしい姿にさらしてあげるわ!」
ジャンヌは、手を前に出し、白い炎を出す。
通った白い炎は、『呪い』で作った炎を打ち消していた。
白い炎は、トゥルーデに向かっていく。
トゥルーデは、肩羽を大きく上げ、振り下ろす。
炎の壁を生み出し、白い炎を打ち消す。
やっぱり、『光』が足りないと先程の力量ではっきり感じたジャンヌは、短時間で終わらせるしかない。
トゥルーデは、まっすぐジャンヌに向かい、ガギ爪を構えていた。
ジャンヌはすかさず後ろに避け、ガギ爪は、地面を砕く。
トゥルーデは、その体勢で回し蹴りをジャンヌに攻撃する。
「ぐぅ!」
ジャンヌは、腕を前に出し、蹴りに耐える。
まだ戦いが続きそうだ。
ジャンヌとトゥルーデの戦いをアキセとトールは、見ていた。
「あれがジャンヌさん・・・」
トールが唖然としていた。
まあ、驚くよな。おとなしかった女が、男勝りで狂暴めいた姿を見たらな。
「そうだ。聖女であれが本性だよ」
「でも、苦戦している。このままじゃ・・・」
「よし、やっと取れた」
「おまえ、その手…」
トールが遮るようにアキセが話す。
「おまえと組むのは尺だが、お前も協力しろ。作戦がある」
ジャンヌがもうすぐ町に着くところだった。
ごうかの魔女トゥルーデ・イグニスがジャンヌの前に現れた。
同じ炎の力を持つのは、私だけでいいのよと分からない理由でジャンヌに挑んできた。
このところ、天気は曇りが続き、十分な光力を得られなかったため、苦戦を広げられていた。
滝の崖にまで追い詰められてしまう。
トゥルーデを浄化する『光』はもう残っていなかった。
ロザリオの刃も保てなくなった。
そして隙をつかれ、ジャンヌの足に炎が攻撃される。
普段なら、『呪い』で出来たものは、無効化だか、『光』の不足のため、浄化しきれず、炎で足が焼かれてしまう。
トゥルーデは、ジャンヌの動きが鈍くなったところで、ジャンヌの首を掴む。
ジャンヌを滝底に落とそうとしたが、ジャンヌは、最後の力でトゥルーデの腹にロザリオを刺す。
一緒に滝つぼに落ちてしまった。
運よく死なずに済んだか、川の沖まで上がったが、力がつき、意識が盲労していたところを近くにいたトールが助けにきた。
ジャンヌは、これまでの記憶や聖女としての本来の仕事も思い出す。
「あの時の恨みをはらしてもらうぞ!」
ジャンヌは、トゥルーデをにらみつける。
「なんだ、思い出しちゃったの。もっと痛めつけたかったのになあ」
トゥルーデは、ジャンヌを見下ろす。
「じゃあ、本気で殺してあげる」
トゥルーデは、炎に包まれる。
炎は、トゥルーデが払ったことで姿を見せたが、以前とは変わっていた。
髪は炎だった。左手に炎のガギ爪、右手に炎の羽、片足が見えるスリットで羽のように流れている。
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「何。隠し技があったわけ」
「とっておきは最後に取っておくものでしょ」
トゥルーデが燃える体から火玉を飛び散り、周囲の木々に燃え移る。
「あらあら、燃え移ってしまった。このままだと山火事を起こしてしまうわね。」
「その前にあんたの羽を毟り取って、水簿らしい姿にさらしてあげるわ!」
ジャンヌは、手を前に出し、白い炎を出す。
通った白い炎は、『呪い』で作った炎を打ち消していた。
白い炎は、トゥルーデに向かっていく。
トゥルーデは、肩羽を大きく上げ、振り下ろす。
炎の壁を生み出し、白い炎を打ち消す。
やっぱり、『光』が足りないと先程の力量ではっきり感じたジャンヌは、短時間で終わらせるしかない。
トゥルーデは、まっすぐジャンヌに向かい、ガギ爪を構えていた。
ジャンヌはすかさず後ろに避け、ガギ爪は、地面を砕く。
トゥルーデは、その体勢で回し蹴りをジャンヌに攻撃する。
「ぐぅ!」
ジャンヌは、腕を前に出し、蹴りに耐える。
まだ戦いが続きそうだ。
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「あれがジャンヌさん・・・」
トールが唖然としていた。
まあ、驚くよな。おとなしかった女が、男勝りで狂暴めいた姿を見たらな。
「そうだ。聖女であれが本性だよ」
「でも、苦戦している。このままじゃ・・・」
「よし、やっと取れた」
「おまえ、その手…」
トールが遮るようにアキセが話す。
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