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番外編
第87話 その夜見た夢 その6
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「なぁ……蛇の姿をしているけど、実は母さんでは無く小春だろ?」
「……」
大蛇は口は開かなかったが、俺の頭の中に大蛇が話し掛けてきた!
『私は小春では無いよ。蛇さんだよ♪』
大蛇は小春では無いと言うが、しゃべり方は小春瓜二つで有った。
いや、思いっ切り小春だろ!?
「小春…。其処をどいてくれないか?」
「俺なんか食べても美味しくは無いぞ……」
「それに、猫も気になる…」
『あら! そんな事無いわよ♪』
『人間は美味しい物をたくさん食べているから、さぞ美味しいお肉でしょうね♪』
大蛇は舌舐めずりをしながら言う。
ふざけているのかと言いたいが、俺ではこの大蛇には勝てない。
猫の事はスルーされた?
「小春……本気で、俺を食べたいのか?」
『えぇ! 猫にちょっかい出した人は、食べなくては成らないわ♪』
『この猫は直ぐに人を求めるから……私も困っているのだよ♪』
『それに何度も言うけど、私は小春じゃ無いよ♪』
「猫が人を求めるのは猫の勝手だろ?」
「それとも何だ、あんたは此処の主か!」
『うん! 主!!』
『そして、この鴉は私の右腕!!』
「カァ~~!」
此処で鴉が一鳴きする。
『普段はこんな事しないけど……猫があなたを好いてしまった様だから、私はあなたを食べなくては成らない』
『この猫は、あなたの元に付いて行く気満々だからね♪』
『そうなると、私に不都合が起きるのだよ♪』
『詳しい事は、割愛♪』
『だから、食べる!』
『今まで、この猫に懐いた人はみんな食べたわ♪』
『私は優しい蛇だから、有る程度鴉に食べさせてから、丸呑みする!♪』
(これは不味い! 話が通じない!!)
(それに、それを優しいとは言わない!)
半殺しの状態で、鴉に突かれたら冗談では無い!
正面突破は無理のため、俺は反転する事を決め、第2駐車場の方に逃げようと体の向きを変えるが……
「あれ!?」
「道が無く成っている!!」
「なんで急に道が消えた!!」
俺の後方は少し開けた場所に成っているが、道が完全に消えていた。行き止まりで有る。獣道すら無い!
俺は確かに第2駐車場から、こっちに来ていたのに!!
『さて!』
『これ以上お話しすると、あなたに未練が出て来るから、いただくね♪』
『怖いのは一瞬だから、安心して♪』
大蛇はそう、俺の頭の中に言って、蛇が捕食する体勢に入る。
猫はさっきの攻撃ダメージが大きかったらしく、その場から動けない状態で有った。
「母さん!」
「冗談は止めてくれ!!」
「俺がこの世で、一番愛しているのは母さんだけだ!!」
俺がそう、大蛇に訴え掛けると……大蛇は表情を変える!
『うゆ!』
『何時もそう言うけど……結局、咲子に好意を寄せているのがバレバレなんだよ!!』
「やっぱり、蛇は母さん(小春)では無いか!!」
「食べる冗談なんてよしてくれ。心臓に悪い……」
俺はそう言うが、母さんは捕食する体勢を崩さない!?
『…どうせ、今から私に食べられるのだから、冥土の土産で教えて上げたのよ!』
『咲子の誘惑に乗った、おバカお父さんを食べます!!』
『私は本気だよ!』
此処で大蛇は母さんと自白したが、今までのは演技なのか本当なのか??
大蛇はゆっくりと……俺の頭上に迫ってくる!!
「冗談は止めろ! なっ、母さん!!」
「咲子に二度と、誘惑されないから!!」
母さんは大蛇なのに、悲しそうな表情を見せる!
『もぅ、遅いよ……お父さん』
『咲子は、お父さんを本当に好き成ってしまった…』
『お母さんはそれに耐えられないけど、咲子を食べる訳にはいかない。私の娘だから……』
『だから、私の家族を守るのと、私の血肉のために、お父さんをいただきま~す♪』
『今まで、ありがとう~~♪』
「やめろ、こはる!!」
「うがあぁぁ~~♪」
鴉は『ざまあみろ!』の表情をして、大蛇は本当に嬉しそうな笑顔で大口を開けて、俺を……
……
「はっ!!」
俺は目が覚める……
此処は大蛇の胃袋で無く、単身赴任先の部屋で有った……
『助かった』と言えば良いのだろうか??
「……」
大蛇は口は開かなかったが、俺の頭の中に大蛇が話し掛けてきた!
『私は小春では無いよ。蛇さんだよ♪』
大蛇は小春では無いと言うが、しゃべり方は小春瓜二つで有った。
いや、思いっ切り小春だろ!?
「小春…。其処をどいてくれないか?」
「俺なんか食べても美味しくは無いぞ……」
「それに、猫も気になる…」
『あら! そんな事無いわよ♪』
『人間は美味しい物をたくさん食べているから、さぞ美味しいお肉でしょうね♪』
大蛇は舌舐めずりをしながら言う。
ふざけているのかと言いたいが、俺ではこの大蛇には勝てない。
猫の事はスルーされた?
「小春……本気で、俺を食べたいのか?」
『えぇ! 猫にちょっかい出した人は、食べなくては成らないわ♪』
『この猫は直ぐに人を求めるから……私も困っているのだよ♪』
『それに何度も言うけど、私は小春じゃ無いよ♪』
「猫が人を求めるのは猫の勝手だろ?」
「それとも何だ、あんたは此処の主か!」
『うん! 主!!』
『そして、この鴉は私の右腕!!』
「カァ~~!」
此処で鴉が一鳴きする。
『普段はこんな事しないけど……猫があなたを好いてしまった様だから、私はあなたを食べなくては成らない』
『この猫は、あなたの元に付いて行く気満々だからね♪』
『そうなると、私に不都合が起きるのだよ♪』
『詳しい事は、割愛♪』
『だから、食べる!』
『今まで、この猫に懐いた人はみんな食べたわ♪』
『私は優しい蛇だから、有る程度鴉に食べさせてから、丸呑みする!♪』
(これは不味い! 話が通じない!!)
(それに、それを優しいとは言わない!)
半殺しの状態で、鴉に突かれたら冗談では無い!
正面突破は無理のため、俺は反転する事を決め、第2駐車場の方に逃げようと体の向きを変えるが……
「あれ!?」
「道が無く成っている!!」
「なんで急に道が消えた!!」
俺の後方は少し開けた場所に成っているが、道が完全に消えていた。行き止まりで有る。獣道すら無い!
俺は確かに第2駐車場から、こっちに来ていたのに!!
『さて!』
『これ以上お話しすると、あなたに未練が出て来るから、いただくね♪』
『怖いのは一瞬だから、安心して♪』
大蛇はそう、俺の頭の中に言って、蛇が捕食する体勢に入る。
猫はさっきの攻撃ダメージが大きかったらしく、その場から動けない状態で有った。
「母さん!」
「冗談は止めてくれ!!」
「俺がこの世で、一番愛しているのは母さんだけだ!!」
俺がそう、大蛇に訴え掛けると……大蛇は表情を変える!
『うゆ!』
『何時もそう言うけど……結局、咲子に好意を寄せているのがバレバレなんだよ!!』
「やっぱり、蛇は母さん(小春)では無いか!!」
「食べる冗談なんてよしてくれ。心臓に悪い……」
俺はそう言うが、母さんは捕食する体勢を崩さない!?
『…どうせ、今から私に食べられるのだから、冥土の土産で教えて上げたのよ!』
『咲子の誘惑に乗った、おバカお父さんを食べます!!』
『私は本気だよ!』
此処で大蛇は母さんと自白したが、今までのは演技なのか本当なのか??
大蛇はゆっくりと……俺の頭上に迫ってくる!!
「冗談は止めろ! なっ、母さん!!」
「咲子に二度と、誘惑されないから!!」
母さんは大蛇なのに、悲しそうな表情を見せる!
『もぅ、遅いよ……お父さん』
『咲子は、お父さんを本当に好き成ってしまった…』
『お母さんはそれに耐えられないけど、咲子を食べる訳にはいかない。私の娘だから……』
『だから、私の家族を守るのと、私の血肉のために、お父さんをいただきま~す♪』
『今まで、ありがとう~~♪』
「やめろ、こはる!!」
「うがあぁぁ~~♪」
鴉は『ざまあみろ!』の表情をして、大蛇は本当に嬉しそうな笑顔で大口を開けて、俺を……
……
「はっ!!」
俺は目が覚める……
此処は大蛇の胃袋で無く、単身赴任先の部屋で有った……
『助かった』と言えば良いのだろうか??
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