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番外編
第72話 明日からの準備……
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高速道路は大規模なUターンラッシュには巻き込まれずに、想定の範囲内で単身赴任先の町に着く。
午後からの出発で少し心配だったが、杞憂で済んだ!
途中のSAで会社へのお土産も買って有り、その辺の抜かりも無い。
これが有るのと無いのでは、俺に対する態度が全く変わるので、安い箱菓子でもお土産は必須で有る。
今日は自炊する気分では無いため、途中で何時ものスーパーに寄って、晩ご飯と明日の朝食を買ってから家(アパート)に戻る。
赴任先のアパートに到着したのは18時半過ぎで有った。
特に家事等は無いが、無事に着いた事だけは家に連絡しておこうと思う。
時間的に母さんは晩ご飯の準備をしているだろうから、母さんのスマートフォンでは無く、自宅の固定電話に掛ける。
最近は自宅の固定電話に掛ける事も少なく成った……
大事な用件を言うのでは無く、着いた事を知らせるだけだから、誰が出ても困らない。
しばらくのコール音の後、相手が電話に出る。
相手は……意外にも真央だった。
「はい! 真田です!!」
真央が元気に応答する。
「あぁ、真央か…。お父さんだ!」
「あっ、お父さん! こんにちは!!」
「こんにちは!」
「お父さん。無事に家に着いたから、母さんにその事を伝えてくれないか。真央?」
「うん! 分かった!!」
「それだけ…?」
「用件はそれだけだが、母さんは料理中か?」
「うん! そうだよ!!」
「お母さんと咲子お姉ちゃんは、キッチンでご飯の用意をしている!」
やっぱり、母さんは料理中で有った。
固定電話に掛けて正解で有る。
晩ご飯は昼に作ったカレーだが、サラダ等を準備しているのだろう。
「真央…。咲子と喧嘩をせずに仲良くやるんだぞ」
「うん。分かった~~」
真央は元気よく返事をする。
こう言っておけば、多分大丈夫だろう。
「じゃあ、真央!」
「これで切るから……」
「うん。バイバイ~~、お父さん!!」
「あぁ……元気でな」
『ガチャ!』
「!」
俺が通話を切る前に、真央が通話を切る。
真央は勢いよく受話器を戻したのか、その音がやけに響いた!
(固定電話で話す事なんて、めっきり減ったからな…)
『受話器を戻す時は静かに戻しましょう』と聞いた覚えが有るが、今の時代は完全に携帯やスマートフォンの時代で有る。
その所為か、営業マンですら受話器を静かに戻さない人も現に居る。
一昔なら『社内教育がなっとらん!』と感じたが、今の時代でもそれは言えるのだろうか?
(真央に言伝は頼んだし、荷物の片付けと明日の準備を始めるか…)
衣類の大半は母さんが洗濯してくれたので、実質仕舞うだけで有るが、明日の仕事の準備も有る。俺は晩ご飯を食べる前に、その雑用をこなした……
……
仕事の関係上、俺は晩ご飯前に風呂に入って居るので、風呂に入ってから晩ご飯を取る。
今日の晩ご飯はスーパーで買った惣菜・サラダ。家に有る冷凍ご飯。インスタントの味噌汁で有った。味噌汁のお湯を沸かしながら、冷凍ご飯を温める。
数日間……家族全員で食べた晩ご飯から、1人の晩ご飯に戻ると少し物寂しい気がした。
準備を終えた俺はそれを感じつつ、缶ビールをコップに注ぎ、それを一気に飲む。
「ふぅ~~」
「気楽だが……1人はやはり、寂しいな…」
俺は独り言を言いながら、スーパーの惣菜を食べる。
うん……慣れ親しんだ味だ。
咲子が自炊をしろと言ったが、1人分を作る手間を考えると中食の方が楽で有る。
「明日から仕事だが……土曜日は交代勤務だし、心は安心したが、体の疲れは思いっきり残っているからな」
「今日は深酒をせずに、これを食べたら早めに体を休めよう……」
俺は明日からの事を考えて、今晩は早めに就寝する事を決める。
(咲子が再アタックを掛けて来ているが、彼奴は俺の何処が良いのだろうか?)
(咲子の学年の男子は、そんなに見劣りする男ばかりか?)
咲子に関しては、母さんと宮子が全力で阻止をするだろうが、俺の中では再び課題に成っている。
年齢的にそろそろ、見えない何かに気付く頃だと思うが……
「咲子も俺も、家族を取ったのだ!」
「あれは……咲子の悪戯と、思う事にしよう」
俺は独り言を言って、再度缶ビールをコップに注いだ……
今回の帰省と明日からの仕事を考えながら、俺は晩酌を続けた……
午後からの出発で少し心配だったが、杞憂で済んだ!
途中のSAで会社へのお土産も買って有り、その辺の抜かりも無い。
これが有るのと無いのでは、俺に対する態度が全く変わるので、安い箱菓子でもお土産は必須で有る。
今日は自炊する気分では無いため、途中で何時ものスーパーに寄って、晩ご飯と明日の朝食を買ってから家(アパート)に戻る。
赴任先のアパートに到着したのは18時半過ぎで有った。
特に家事等は無いが、無事に着いた事だけは家に連絡しておこうと思う。
時間的に母さんは晩ご飯の準備をしているだろうから、母さんのスマートフォンでは無く、自宅の固定電話に掛ける。
最近は自宅の固定電話に掛ける事も少なく成った……
大事な用件を言うのでは無く、着いた事を知らせるだけだから、誰が出ても困らない。
しばらくのコール音の後、相手が電話に出る。
相手は……意外にも真央だった。
「はい! 真田です!!」
真央が元気に応答する。
「あぁ、真央か…。お父さんだ!」
「あっ、お父さん! こんにちは!!」
「こんにちは!」
「お父さん。無事に家に着いたから、母さんにその事を伝えてくれないか。真央?」
「うん! 分かった!!」
「それだけ…?」
「用件はそれだけだが、母さんは料理中か?」
「うん! そうだよ!!」
「お母さんと咲子お姉ちゃんは、キッチンでご飯の用意をしている!」
やっぱり、母さんは料理中で有った。
固定電話に掛けて正解で有る。
晩ご飯は昼に作ったカレーだが、サラダ等を準備しているのだろう。
「真央…。咲子と喧嘩をせずに仲良くやるんだぞ」
「うん。分かった~~」
真央は元気よく返事をする。
こう言っておけば、多分大丈夫だろう。
「じゃあ、真央!」
「これで切るから……」
「うん。バイバイ~~、お父さん!!」
「あぁ……元気でな」
『ガチャ!』
「!」
俺が通話を切る前に、真央が通話を切る。
真央は勢いよく受話器を戻したのか、その音がやけに響いた!
(固定電話で話す事なんて、めっきり減ったからな…)
『受話器を戻す時は静かに戻しましょう』と聞いた覚えが有るが、今の時代は完全に携帯やスマートフォンの時代で有る。
その所為か、営業マンですら受話器を静かに戻さない人も現に居る。
一昔なら『社内教育がなっとらん!』と感じたが、今の時代でもそれは言えるのだろうか?
(真央に言伝は頼んだし、荷物の片付けと明日の準備を始めるか…)
衣類の大半は母さんが洗濯してくれたので、実質仕舞うだけで有るが、明日の仕事の準備も有る。俺は晩ご飯を食べる前に、その雑用をこなした……
……
仕事の関係上、俺は晩ご飯前に風呂に入って居るので、風呂に入ってから晩ご飯を取る。
今日の晩ご飯はスーパーで買った惣菜・サラダ。家に有る冷凍ご飯。インスタントの味噌汁で有った。味噌汁のお湯を沸かしながら、冷凍ご飯を温める。
数日間……家族全員で食べた晩ご飯から、1人の晩ご飯に戻ると少し物寂しい気がした。
準備を終えた俺はそれを感じつつ、缶ビールをコップに注ぎ、それを一気に飲む。
「ふぅ~~」
「気楽だが……1人はやはり、寂しいな…」
俺は独り言を言いながら、スーパーの惣菜を食べる。
うん……慣れ親しんだ味だ。
咲子が自炊をしろと言ったが、1人分を作る手間を考えると中食の方が楽で有る。
「明日から仕事だが……土曜日は交代勤務だし、心は安心したが、体の疲れは思いっきり残っているからな」
「今日は深酒をせずに、これを食べたら早めに体を休めよう……」
俺は明日からの事を考えて、今晩は早めに就寝する事を決める。
(咲子が再アタックを掛けて来ているが、彼奴は俺の何処が良いのだろうか?)
(咲子の学年の男子は、そんなに見劣りする男ばかりか?)
咲子に関しては、母さんと宮子が全力で阻止をするだろうが、俺の中では再び課題に成っている。
年齢的にそろそろ、見えない何かに気付く頃だと思うが……
「咲子も俺も、家族を取ったのだ!」
「あれは……咲子の悪戯と、思う事にしよう」
俺は独り言を言って、再度缶ビールをコップに注いだ……
今回の帰省と明日からの仕事を考えながら、俺は晩酌を続けた……
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