143 / 167
番外編
第64話 帰る直前に…… その2
しおりを挟む
朝食後は少し寛いだ後、スーパーの開店時間に成るので、俺はスーパーに向かう準備をする。
カレーに必要な材料とサラダを真央が遠回しに希望したため、サラダの材料も買わなければ成らない。
買物には咲子も付いて来るそうだが、母さんや宮子は特に何も言わず、真央は買物に付いて来る気配は無かった。
母さんが普段行っているスーパーに俺と咲子は車で向かう……
スーパーの店内……
「お父さん! 今日はどんなカレー作るの♪」
店内に入って、野菜売り場に到着した途端に聞いてくる咲子。
「どんなって…、何時ものカレーだよ」
「咲子はもしかして、変わり種のカレーを希望か…?」
俺は咲子にそう聞くと……
「いや…そうじゃなくて。お父さんの家に遊びに行った時は、カレーに舞茸を入れていたよね!」
「今回も舞茸は入れるの?」
「う~ん」
「どうしようかな…?」
「カレーの材料は、ジャガイモ・ニンジン・タマネギ以外は気分だからな」
「なら、お父さん!」
「今回のキノコはエリンギを入れようよ!!」
と言う咲子だが、椎茸やしめじ、ブ○ピーは入れた事は有るが、エリンギは試した事は無い。
同じキノコ類だから問題は無いと思うが……
「……咲子はカレーに、エリンギを入れた事は有るのか?」
「無いよ!」
「前、お料理サイト見ていたら、エリンギの入ったカレーが有ったから!」
そう、即答する咲子。
料理に冒険心を持つ事に対して、反論はしないが……
「それに、お父さんとじゃ無いと冒険出来ないのだよ!」
「お母さんの作るカレーは、定番材料以外では絶対作らないし、軍隊のカレーの様に味の冒険もしない!!」
「お母さんは『失敗が恐いから///』と何時も言うけど、お母さんは冒険心が無いのだよ!」
スーパーの店内で力説する咲子。
咲子の言いたい事は理解出来たし、今回は俺も冒険をしてみようと感じた。
「じゃあ、キノコはエリンギを入れて……ピーマンも安そうだから入れるか」
買物カゴにエリンギをとピーマンを入れる。
ジャガイモ等の定番野菜は家に有ったので、それらは買わなくても良い。
「咲子。サラダは何を作る?」
「サラダ?」
「お父さん。サラダも作るの??」
咲子の中では、献立にサラダは入って無かったらしい。
「咲子。真央がさっき言って居たでは無いか!」
「『サラダも有れば最高だ!!』と、さっき言っていたんだよ」
「あ~~、サラダか…」
「カレーだからグリーンサラダ等のあっさり系が良いと思う」
「咲子…」
「グリーンサラダと小難しい言葉を使われても『ピン』と来ないよ」
「お父さん! そんな深くは考えない!!」
「まぁ、この時期だし、レタス、かいわれ大根、キュウリ位のサラダで良いのでは無い!」
「ドレッシングは色々な種類が家に有るから、この辺のサラダなら何でも合いそうだし!!」
「流石……母さんの冷蔵庫状況を把握して居る咲子だけ有るな」
「そりゃあ、そうよ!」
「“家では私が一番”、お料理を手伝っているからね!!」
“家では私が一番”を強調しながら言い、同時に胸を反らす咲子。
胸を反らすと……胸が小さく成ってしまうが、それは言わないで置こう。
「じゃあ、さっきの野菜を買ってと……」
レタスやかいわれ大根等のサラダの野菜も入れる。
カレーの野菜やサラダの野菜を買っていくが、まだメインの物を買っていない。
「今日の咲子は、なにカレーの気分だ?」
「お父さん!」
「私が決めて良いの!!」
“なにカレー”で嬉しそうな表情をする咲子。
“なに”の部分は肉の事で有る。
「あぁ!」
「咲子がリクエストしたのだし、咲子が食べたい肉で作る方が良いかと思ってな」
「じゃあ、お父さんの言葉に甘えて、ビーフカレー♪」
「それも、国産牛肉でお願いね!♪」
満面な笑顔で言う咲子……
有る程度のカレー材料費は、母さんが支給してくれたが、国産牛肉を使うと完全に赤字で有る。
これがチキンカレーだったら、俺のへそくりに成るのに……
「国産牛肉か…。攻めるね咲子……」
俺は遠回しに否定を試みるが……
「だって、お父さんじゃ無いとムリだもん!!」
「お母さんの場合、ビーフカレーを希望すると必ず外国産だからね!」
「咲子」
「それは家計を支えているから仕方ないよ」
「だから、お父さんの時はリッチなカレーを食べたいから、国産ビーフカレー♪」
母さんの様に笑いながら言う咲子。
この笑顔を見てしまうと、ついつい甘くなってしまう。
赤字には絶対に成るが仕方無い……
「仕方無いな…。牛肉は小間切れだけど良いよな」
「カレー用の国産牛肉は、このスーパーには置いてなそうだから」
「私としては、すき焼き用や焼肉用でも良いけどね!♪」
「咲子。そんな贅沢なカレーを作ったら、小遣いを絶対減額されるよ……」
「『無駄遣いし過ぎ!』と言われるよ」
「だね! 有り得るね!!」
「お父さんのお小遣いを守るために、今回は牛肉の小間切れで妥協するよ!♪」
悪そびれなく言う咲子。
やっぱり……俺は、咲子を甘やかし過ぎているのかも知れない……
カレーに必要な材料とサラダを真央が遠回しに希望したため、サラダの材料も買わなければ成らない。
買物には咲子も付いて来るそうだが、母さんや宮子は特に何も言わず、真央は買物に付いて来る気配は無かった。
母さんが普段行っているスーパーに俺と咲子は車で向かう……
スーパーの店内……
「お父さん! 今日はどんなカレー作るの♪」
店内に入って、野菜売り場に到着した途端に聞いてくる咲子。
「どんなって…、何時ものカレーだよ」
「咲子はもしかして、変わり種のカレーを希望か…?」
俺は咲子にそう聞くと……
「いや…そうじゃなくて。お父さんの家に遊びに行った時は、カレーに舞茸を入れていたよね!」
「今回も舞茸は入れるの?」
「う~ん」
「どうしようかな…?」
「カレーの材料は、ジャガイモ・ニンジン・タマネギ以外は気分だからな」
「なら、お父さん!」
「今回のキノコはエリンギを入れようよ!!」
と言う咲子だが、椎茸やしめじ、ブ○ピーは入れた事は有るが、エリンギは試した事は無い。
同じキノコ類だから問題は無いと思うが……
「……咲子はカレーに、エリンギを入れた事は有るのか?」
「無いよ!」
「前、お料理サイト見ていたら、エリンギの入ったカレーが有ったから!」
そう、即答する咲子。
料理に冒険心を持つ事に対して、反論はしないが……
「それに、お父さんとじゃ無いと冒険出来ないのだよ!」
「お母さんの作るカレーは、定番材料以外では絶対作らないし、軍隊のカレーの様に味の冒険もしない!!」
「お母さんは『失敗が恐いから///』と何時も言うけど、お母さんは冒険心が無いのだよ!」
スーパーの店内で力説する咲子。
咲子の言いたい事は理解出来たし、今回は俺も冒険をしてみようと感じた。
「じゃあ、キノコはエリンギを入れて……ピーマンも安そうだから入れるか」
買物カゴにエリンギをとピーマンを入れる。
ジャガイモ等の定番野菜は家に有ったので、それらは買わなくても良い。
「咲子。サラダは何を作る?」
「サラダ?」
「お父さん。サラダも作るの??」
咲子の中では、献立にサラダは入って無かったらしい。
「咲子。真央がさっき言って居たでは無いか!」
「『サラダも有れば最高だ!!』と、さっき言っていたんだよ」
「あ~~、サラダか…」
「カレーだからグリーンサラダ等のあっさり系が良いと思う」
「咲子…」
「グリーンサラダと小難しい言葉を使われても『ピン』と来ないよ」
「お父さん! そんな深くは考えない!!」
「まぁ、この時期だし、レタス、かいわれ大根、キュウリ位のサラダで良いのでは無い!」
「ドレッシングは色々な種類が家に有るから、この辺のサラダなら何でも合いそうだし!!」
「流石……母さんの冷蔵庫状況を把握して居る咲子だけ有るな」
「そりゃあ、そうよ!」
「“家では私が一番”、お料理を手伝っているからね!!」
“家では私が一番”を強調しながら言い、同時に胸を反らす咲子。
胸を反らすと……胸が小さく成ってしまうが、それは言わないで置こう。
「じゃあ、さっきの野菜を買ってと……」
レタスやかいわれ大根等のサラダの野菜も入れる。
カレーの野菜やサラダの野菜を買っていくが、まだメインの物を買っていない。
「今日の咲子は、なにカレーの気分だ?」
「お父さん!」
「私が決めて良いの!!」
“なにカレー”で嬉しそうな表情をする咲子。
“なに”の部分は肉の事で有る。
「あぁ!」
「咲子がリクエストしたのだし、咲子が食べたい肉で作る方が良いかと思ってな」
「じゃあ、お父さんの言葉に甘えて、ビーフカレー♪」
「それも、国産牛肉でお願いね!♪」
満面な笑顔で言う咲子……
有る程度のカレー材料費は、母さんが支給してくれたが、国産牛肉を使うと完全に赤字で有る。
これがチキンカレーだったら、俺のへそくりに成るのに……
「国産牛肉か…。攻めるね咲子……」
俺は遠回しに否定を試みるが……
「だって、お父さんじゃ無いとムリだもん!!」
「お母さんの場合、ビーフカレーを希望すると必ず外国産だからね!」
「咲子」
「それは家計を支えているから仕方ないよ」
「だから、お父さんの時はリッチなカレーを食べたいから、国産ビーフカレー♪」
母さんの様に笑いながら言う咲子。
この笑顔を見てしまうと、ついつい甘くなってしまう。
赤字には絶対に成るが仕方無い……
「仕方無いな…。牛肉は小間切れだけど良いよな」
「カレー用の国産牛肉は、このスーパーには置いてなそうだから」
「私としては、すき焼き用や焼肉用でも良いけどね!♪」
「咲子。そんな贅沢なカレーを作ったら、小遣いを絶対減額されるよ……」
「『無駄遣いし過ぎ!』と言われるよ」
「だね! 有り得るね!!」
「お父さんのお小遣いを守るために、今回は牛肉の小間切れで妥協するよ!♪」
悪そびれなく言う咲子。
やっぱり……俺は、咲子を甘やかし過ぎているのかも知れない……
0
お気に入りに追加
27
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

キャンプに行ったら異世界転移しましたが、最速で保護されました。
新条 カイ
恋愛
週末の休みを利用してキャンプ場に来た。一歩振り返ったら、周りの環境がガラッと変わって山の中に。車もキャンプ場の施設もないってなに!?クマ出現するし!?と、どうなることかと思いきや、最速でイケメンに保護されました、

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
こわいかおの獣人騎士が、仕事大好きトリマーに秒で堕とされた結果
てへぺろ
恋愛
仕事大好きトリマーである黒木優子(クロキ)が召喚されたのは、毛並みの手入れが行き届いていない、犬系獣人たちの国だった。
とりあえず、護衛兼監視役として来たのは、ハスキー系獣人であるルーサー。不機嫌そうににらんでくるものの、ハスキー大好きなクロキにはそんなの関係なかった。
「とりあえずブラッシングさせてくれません?」
毎日、獣人たちのお手入れに精を出しては、ルーサーを(犬的に)愛でる日々。
そのうち、ルーサーはクロキを女性として意識するようになるものの、クロキは彼を犬としかみていなくて……。
※獣人のケモ度が高い世界での恋愛話ですが、ケモナー向けではないです。ズーフィリア向けでもないです。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる