単身赴任しているお父さんの家に押し掛けてみた!

小春かぜね

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番外編

第53話 何故この時間から!? その3

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 その後も、ロシアンルーレットクッキーのゲームは続いていく……
 しかし、外れは後1枚だと言うのに、誰も外れを引く事は無く、ゲームは3週目に入って進んでいった……

「……」

 ゲームは終盤と言うより、テーブル上に残っているクッキーは、後1枚で有る。
 そして、俺の番…。この1枚でゲームは終わりだが……、俺の番までに外れが出る事は無かった。

「あらら、お父さんが取りをとる見たいだね♪」
「よかったね! お父さん!!」
「みんなの注目の的だよ♪」

 母さんは俺に向かって、笑顔でそう言う。
 自分が当事者じゃ無いから暢気のんきな者だ!

「まさか…、こんな展開に成るとは、私も思わなかったよ!」
「最後の最後まで残るとは、ねぇ、お父さん!!」

 咲子も、笑顔でそう言って来た!

「お父さん! 早くそのクッキー食べてよ~~!!」
「絶対に辛いクッキーだから~~!!」
「お口が火事になるよ~~」

 真央は辛いクッキーを食べた経験者だけど、俺が食べる割には同情の言葉無いし、真央もその雰囲気を楽しんでいる……

「あなたも、男何だから……覚悟を決めなさいよ!」
「家族のおさなんでしょ!?」

 宮子もそう言い、俺がこれから食べる姿を、家族みんなが注目していた。

(ゲームで判らずに食べるから……良いのに、判り切ったのを食べるのは、やはり勇気が居るんだよ…!)

 俺は辛い物が嫌いでは無いが、辛さに強い訳では無い。
 カレーライスも辛口が好きでは有るが、あくまで一般的な辛さまでだった。
 カップ麺の激辛シリーズや、激辛カレーシリーズは一応食べられるが、好んでは食べない。

 さっきの真央の慌てぶりを見てしまうと、俺は中々、食べる事が出来なかった。
 俺が中々食べないのを見た母さんは、少し低めの口調で言ってきた!

「うゆ…」
「お父さんが食べなければ、みんなは眠れないし…、お父さんは物事から逃げた事に成ってしまうよ!」

「そんなお父さん…、お母さんは残念だな!」
「お父さんとの関係を一遍、見直そうかな…?」

 母さんは、軽く俺を脅迫してきた!?
 今晩の母さん。やけに切れ味が良いな?

「じゃあ……食べます」

 みんなが注目する中、俺は覚悟を決めて、絶対に辛いクッキーの袋を破いて、一気に口に入れる!

「……!!」

 やっぱり……辛いクッキーだった!!
 真央程、大げに成る辛さでは無かったが、これは確かに辛い!!

「うん…」
「結構来る、辛さだな……」

 俺は独り言の様に呟くと……

「……けど、あなたぐらいなら平気でしょ?」

「お父さんも、お水飲みに行く?」

 宮子と真央はこのクッキーはずれを食べているので、そう言った声かけをする。
 母さんと咲子は食べる事は無かったが、面白そうに俺の反応を見ていた!?
 俺はクッキーを無事飲み込んで、ロシアンルーレットクッキーのゲームは終了と成る。

「意外に面白かったわ! 宮子!!」
「家族みんなで、ワイワイ遊ぶのも家族の団らんだね♪」

「ありがとう。お母さん!!」
「私もこんな日が来るとは、思ってなかったわ!」

 母さんと宮子は楽しそうに話していた。
 宮子は義理の長女だが、本物の長女に見えた。母さんから見れば……実子だが。
 これで……今晩はお開きと成り、子ども達は歯を磨いてから自室に戻っていく。

 今晩は、そんなにお酒が飲めなかったし、更には母さんとのお楽しみ会も、この滞在中1回も開催されてない。

(母さんと少しムードを作って、母さんとお楽しみ会を開催したいな!)

 母さん自体は俺程、体の繋がりを求めてない。
 浮気はして居ない筈だし、関係を持ち始めた時から、宮子・咲子を想ってか、性に対する積極性は無かった。
 真央を授かったのも、打率で言うとかなりの打率で有った!?

 母さんはキッチンで洗い物をしている中、俺は子ども達が早く、自室に戻るのを静かにソファーに座りながら待っていた……
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