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番外編
第43話 真田家ペット会議 その3
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「よし、こんなもんかな♪」
母さんは議事録を書き終えたようだ。
「議長さん!」
「真央の案はどうでしたか?」
母さんは議長の俺に、真央の評価を求めてきた。
この案ならケチを付ける必要性も無いし、まだ宮子の案も残っている。
咲子が余計な発言をする前に、真央の案はさっさと終わらせよう……
「うん……父さん(議長)から見ても、真央は上手に発表出来ていた!」
「特に気に成った部分は無いよ!」
俺はそう言って、咲子に攻撃を与える暇を与えないようにする。
母さんも、咲子からの質問を警戒していたようで……
「お母さんからも、気に成る事は無いわ!」
「それでは、今度は宮子に―――」
「ちょっと~~~、待った~~~!」
咲子は大きな声を掛けて挙手をする。
「みんなが良くても、私が質問有る!!」
「司会さんは何で、周りに質問を求めないの!!」
「真央に“えこひいき”する気!?」
「えっと……では、咲子どうぞ…」
母さんは、諦め顔で咲子に振る。
その咲子は興奮して、話しをし始める!!
「私からは、質問と言うべきか意見です!!」
「ネコは確かに可愛いけど、室内で飼ったら部屋も汚れるし、床や柱にも傷が付く!」
「真央の部屋の中だけなら良いけど、そうで無ければ、家中がネコの抜け毛だらけに成ったり、室内も傷だらけに成る!!」
「真央は、その辺をきちんと考えているの!!」
「友達の家のネコは大人しそうだけど、我が家で飼うネコはそうとは限らないよ!!」
やっぱり……咲子は、真央の案を潰しに掛かってきた!
しかし、真央も直ぐに応戦する!?
「そんなの、うさぎさんだって一緒だよ。咲子お姉ちゃん!!」
「うさぎさんだって、毛が生え替わるでしょ!!」
「ネコのしつけ方は菜子ちゃんに教えて貰うから、傷だらけにはしないよ!!」
「それと……咲子お姉ちゃんは、うさぎさんを咲子お姉ちゃんの部屋の中だけで、飼うつもりだったの!?」
「それは家族のペットでは無くて、咲子お姉ちゃん専用ペットだよ!!」
「うっ……真央の癖に小癪な…」
真央の思わない反撃で、咲子はうろたえる!!
「……」
咲子は急に黙るが……このまま諦めるのか!?
いや……まだ、諦めないようだ。
「真央!」
「ネコは『ニャー、ニャー』鳴くと結構、家中に響くのだよ!!」
「外に居る野良猫の声だって、五月蠅い時が有るのに、家の中で『ニャー、ニャー』鳴かれたら勉強に集中出来ないよ!!」
(おい!?)
(咲子が勉強をして居る姿なんて、余り見かけないぞ!?)
(全く……咲子ったら)
(これじゃあ……どっちがお姉さんか、妹かが判らんよ…)
「咲子お姉ちゃん!」
「うさぎだって、鳴く時が有るんだよ!!」
「私、実際に声を聞いた事が有るけど、ネコより五月蠅いよ!!」
「それっだったら、同じじゃない!!」
「真央!」
「うさぎさんは、可愛い声だから良いのよ!!」
「うさぎさんの声の方が、ネコの100万倍マシ!!!」
「そんなの、咲子お姉ちゃんの屁理屈だ!!」
「何を真央!」
「私に刃向かう気!!」
「私はお姉ちゃんよ!!」
咲子と真央が言い合いをしているが、母さんも宮子も特にそれを止めさせる気は無い。
俺が単身赴任で家に居ない間に、こんなに咲子と真央の関係が変わってしまったのか?
つい最近までは、真央は咲子のイエスマンに近い関係だったのに……
「咲子はまた、真央に文句を付けている、―――」
「もう、お母さんとしては、うさぎを飼う事を認めない、―――」
母さんは独り言を言いながら、議事録を付けているし……
「……」
宮子は『また、始まった……』と、言いたそうな顔をしながら日本酒を飲んでいる。
ここは父親の出番か…?
お父さんの威厳力で、咲子と真央を窘めなければ成らないか?
「二人共、いい加減にしなさい!」
俺は少し大きめな声で、咲子と真央に向かって声を掛ける。
今にもどちらかが、相手に飛びつきそうな勢いだったが、俺の言葉を聞くと言い合いを止めて、2人は俺の方に振り向く。
「咲子……」
「咲子がうさぎを飼いたい気持ちは分るけど、真央の案に、屁理屈を付けてはダメだよ」
「咲子の方が、お姉ちゃんなんだから……」
「お父さん!」
「屁理屈じゃ無いもん!!」
「それに、お姉ちゃんだからと言って、何でも我慢する必要は無いじゃん!!」
咲子は、もちろん反発してくる。
「それを屁理屈と言うんだよ……咲子!」
「それに……咲子が真央をそんなに苛めると、みんな咲子の案に賛成する人は居ないぞ!」
「!!!」
咲子は此処で……やっと気付いた感じだった。
色々な案が出ている以上、最後は多数決で決める可能性が高い。
咲子の真央に対する暴言が咲子に取って、評価のマイナスに成る事に気付かなかったのか?
「……私からの質問は終わります」
咲子はそう静か言う。
今日の咲子はやられっぱなしで有った……。咲子がそう言ったタイミングで、母さんが話し出す。母さんは咲子に何を言うのだろうか……
母さんは議事録を書き終えたようだ。
「議長さん!」
「真央の案はどうでしたか?」
母さんは議長の俺に、真央の評価を求めてきた。
この案ならケチを付ける必要性も無いし、まだ宮子の案も残っている。
咲子が余計な発言をする前に、真央の案はさっさと終わらせよう……
「うん……父さん(議長)から見ても、真央は上手に発表出来ていた!」
「特に気に成った部分は無いよ!」
俺はそう言って、咲子に攻撃を与える暇を与えないようにする。
母さんも、咲子からの質問を警戒していたようで……
「お母さんからも、気に成る事は無いわ!」
「それでは、今度は宮子に―――」
「ちょっと~~~、待った~~~!」
咲子は大きな声を掛けて挙手をする。
「みんなが良くても、私が質問有る!!」
「司会さんは何で、周りに質問を求めないの!!」
「真央に“えこひいき”する気!?」
「えっと……では、咲子どうぞ…」
母さんは、諦め顔で咲子に振る。
その咲子は興奮して、話しをし始める!!
「私からは、質問と言うべきか意見です!!」
「ネコは確かに可愛いけど、室内で飼ったら部屋も汚れるし、床や柱にも傷が付く!」
「真央の部屋の中だけなら良いけど、そうで無ければ、家中がネコの抜け毛だらけに成ったり、室内も傷だらけに成る!!」
「真央は、その辺をきちんと考えているの!!」
「友達の家のネコは大人しそうだけど、我が家で飼うネコはそうとは限らないよ!!」
やっぱり……咲子は、真央の案を潰しに掛かってきた!
しかし、真央も直ぐに応戦する!?
「そんなの、うさぎさんだって一緒だよ。咲子お姉ちゃん!!」
「うさぎさんだって、毛が生え替わるでしょ!!」
「ネコのしつけ方は菜子ちゃんに教えて貰うから、傷だらけにはしないよ!!」
「それと……咲子お姉ちゃんは、うさぎさんを咲子お姉ちゃんの部屋の中だけで、飼うつもりだったの!?」
「それは家族のペットでは無くて、咲子お姉ちゃん専用ペットだよ!!」
「うっ……真央の癖に小癪な…」
真央の思わない反撃で、咲子はうろたえる!!
「……」
咲子は急に黙るが……このまま諦めるのか!?
いや……まだ、諦めないようだ。
「真央!」
「ネコは『ニャー、ニャー』鳴くと結構、家中に響くのだよ!!」
「外に居る野良猫の声だって、五月蠅い時が有るのに、家の中で『ニャー、ニャー』鳴かれたら勉強に集中出来ないよ!!」
(おい!?)
(咲子が勉強をして居る姿なんて、余り見かけないぞ!?)
(全く……咲子ったら)
(これじゃあ……どっちがお姉さんか、妹かが判らんよ…)
「咲子お姉ちゃん!」
「うさぎだって、鳴く時が有るんだよ!!」
「私、実際に声を聞いた事が有るけど、ネコより五月蠅いよ!!」
「それっだったら、同じじゃない!!」
「真央!」
「うさぎさんは、可愛い声だから良いのよ!!」
「うさぎさんの声の方が、ネコの100万倍マシ!!!」
「そんなの、咲子お姉ちゃんの屁理屈だ!!」
「何を真央!」
「私に刃向かう気!!」
「私はお姉ちゃんよ!!」
咲子と真央が言い合いをしているが、母さんも宮子も特にそれを止めさせる気は無い。
俺が単身赴任で家に居ない間に、こんなに咲子と真央の関係が変わってしまったのか?
つい最近までは、真央は咲子のイエスマンに近い関係だったのに……
「咲子はまた、真央に文句を付けている、―――」
「もう、お母さんとしては、うさぎを飼う事を認めない、―――」
母さんは独り言を言いながら、議事録を付けているし……
「……」
宮子は『また、始まった……』と、言いたそうな顔をしながら日本酒を飲んでいる。
ここは父親の出番か…?
お父さんの威厳力で、咲子と真央を窘めなければ成らないか?
「二人共、いい加減にしなさい!」
俺は少し大きめな声で、咲子と真央に向かって声を掛ける。
今にもどちらかが、相手に飛びつきそうな勢いだったが、俺の言葉を聞くと言い合いを止めて、2人は俺の方に振り向く。
「咲子……」
「咲子がうさぎを飼いたい気持ちは分るけど、真央の案に、屁理屈を付けてはダメだよ」
「咲子の方が、お姉ちゃんなんだから……」
「お父さん!」
「屁理屈じゃ無いもん!!」
「それに、お姉ちゃんだからと言って、何でも我慢する必要は無いじゃん!!」
咲子は、もちろん反発してくる。
「それを屁理屈と言うんだよ……咲子!」
「それに……咲子が真央をそんなに苛めると、みんな咲子の案に賛成する人は居ないぞ!」
「!!!」
咲子は此処で……やっと気付いた感じだった。
色々な案が出ている以上、最後は多数決で決める可能性が高い。
咲子の真央に対する暴言が咲子に取って、評価のマイナスに成る事に気付かなかったのか?
「……私からの質問は終わります」
咲子はそう静か言う。
今日の咲子はやられっぱなしで有った……。咲子がそう言ったタイミングで、母さんが話し出す。母さんは咲子に何を言うのだろうか……
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