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番外編
第41話 真田家ペット会議 その1
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家族全員が出席(参加)して、ペットの話し合いが行われる。
意外に母さんは、形から入るのが好きで有る。
「え~~、では、今から真田家ペット会議を始めます!」
「司会と書記は、小春こと、お母さんです!」
「みんな、拍手~~」
『パチ、パチ』
咲子や真央は嬉しそうに拍手をするが、宮子は呆れ返りながら拍手をしている。
俺も場に合わせての拍手で有る。
「議長は筑摩こと、お父さん!」
「それでは早速始めますが、最初に名乗り出る人は誰かな♪」
母さんが言い終えると同時に、咲子と真央が同時に挙手をする。
雰囲気には重苦しい会議では無く、小学校クラス内の学級会議と変わらない。
「えっと……ほぼ同時だね♪」
「じゃんけんで決めましょう♪」
母さんは司会者だが、バラエティー番組の司会者に成っている!?
家族内の話し合いだから良いか……
それにドリンク類も咲子と真央はジュースで有って、俺と母さんもお茶なのに、宮子は日本酒を飲んでいる!!
宮子曰く『この時間帯以外に何処で飲むの!!』と言われた。
だから、おつまみが場違いな場所にある訳だ!
『最初はグー、―――』
咲子と真央は本当に“じゃんけん”をして勝敗を決めている。
「やった~、私の勝ち~~」
「くやしい~~」
嬉しそうに言う咲子。
真央は残念がっているが、順番が前後するだけで有る。
「じゃあ、咲子からどうぞ!」
「時間は、一応10分以内だよ♪」
母さんは咲子にそう言う。
時間制限が有るとは聞いて無かったが、急遽思い付きで、付け加えたのだろう?
10分も力説する内容が、果たして有るのだろうか?
咲子は席を立つ。
「え~、では、私のペット候補を発表します!」
咲子も何かの役に成りきっている感じだ。
「私は…、うさぎさんが良いと思います!」
「出来ればオスとメスと2匹を飼って、うさぎさん一家を作りたいです♪」
「もふもふ毛のうさぎさんを可愛がって、安らぎたいです!」
「もし、家族が増えすぎても、うさぎさんは美味しいらしいので、命の勉強にも成ります!」
『!!!』
「私はうさぎを飼う事で、みんなにも良い事だらけだと感じます♪」
最初の内は、咲子も可愛らしい面が有るなと聞いていたが『うさぎは美味しい』でそれがひっくり返る!!
母さんは普通の表情をしているが、真央は『えっ……』の顔を当然する。
……宮子は何時も通りの澄まし顔だ。
(ペットを食べるのは、聞いた事無いぞ!!)
(それに実際、魚も捌けない俺達家族が、うさぎの解体を出来るのか??)
俺は此処で発言をする。
「ちょ、ちょっと待て! 咲子…」
「咲子は、うさぎをペットで飼うのか、家畜で飼うのかどちらだ?」
「それによって、全く話が異なる!」
「えっ!?」
「もちろん、ペットだよ!!」
「流石に最初から、食べる目的では無いよ!!」
「可哀想じゃん!!」
咲子が微笑みながら言うと、宮子が此処で話に加わる。
「咲子……。兎をペットとして飼う場合は、その肉は食べられないわ…。動物愛護法に接触するから……」
「それに家畜で飼う場合も、家畜商の資格が必要よ!」
「無断で兎を家畜として、飼う事は出来ない……」
「兎の繁殖力も旺盛で有って、1度の出産で7匹前後生まれるわ!」
「……咲子が望むような行為は、この国に住んでいる以上、正しい手続きを行わない出来ないわ!」
「仮に雄・雌とそれぞれ飼っても、必ず去勢・避妊して、愛玩動物にするしか手が無い!」
流石、大学生の宮子だ。
宮子が畜産関連の知識を持っているなんて、初めて知ったぞ!!
「うっ……」
宮子の言葉で、咲子は話しに詰まる……。咲子の表情も困った顔をしている。
そこで母さん(司会)が、俺(議長)に話し掛けてくる。
「どうする?」
「議長さん?」
「……宮子が言っている事が事実なら、咲子の意見には流石に賛同は出来ない」
「うさぎも1匹ならまだしも、数匹に成ると金銭的負担も大きいし、色々な事を加味すると1匹飼うのが限界だな…」
俺がそう言うと、咲子は……
「……じゃあ、1匹で良い」
「1匹でも良いから、うさぎさんを飼いたい…」
咲子は妥協をする。
今日の咲子は珍しく、反発をしてこない。お姉ちゃんには逆らえないのか?
表情も少し落ち込んでいる様だ……。そのまま静かに座る。
「じゃあ……咲子の希望はうさぎ1匹に変更……」
「理由は、食べようとしたから、―――」
書記も兼用で有る司会は、議事録を大学ノートに書き記している。
宮子の先ほどの知識が気に成ったので、俺は聞いて見る。
「宮子…。何処でそんな知識を覚えたのだ?」
「宮子の大学は、畜産大学では無いだろう?」
俺が宮子にそう聞くと……、宮子は澄ました表情で答える。
「…咲子が飼いたいペットは以前に聞いて居たから、本当に飼ったペットを、そのまま食べる事が出来るかを事前に調べて置いた…」
「咲子の事だから……普通に飼うだけでは無いと、私は直ぐに勘づいたからね!」
「食べて見たいそうなのよ……お肉が!」
「あの子らしいわ! 通販で売っているから、買って見ようかな?」
「宮子は……咲子の行動を先読みしたと…」
「まぁ。そうなるわね…」
宮子は咲子の案を実質潰した。同じ姉妹なのに……
それだけ、宮子が飼いたいペットの気持ちが強いのだろうか?
(これは、仲良し小好しの話し合いでは無いぞ!!)
(きっと、咲子の事だ。さっきの鬱憤を晴らすために、真央に全兵力を向けて真央の案を潰すに決まっている!!)
(んっ……そう成るとペットの案は、宮子の案か母さんが出せば母さんの案しか残らなくなる!?)
(宮子は其処まで、画を描いて居るのか!?)
(今の咲子、真央の関係は良い様で悪い。どちらかに火を付ければ、相手を直ぐに攻撃し出す。さっきの晩ご飯時が良い例だ……)
母さんが書記をして居る間、咲子はやけ食いの様に、洋菓子を食べているし、宮子も静かに日本酒を飲んで居る。
俺も、お茶を飲むのを止めて、宮子の様に酒を飲んで、場を濁したい気分だった……
意外に母さんは、形から入るのが好きで有る。
「え~~、では、今から真田家ペット会議を始めます!」
「司会と書記は、小春こと、お母さんです!」
「みんな、拍手~~」
『パチ、パチ』
咲子や真央は嬉しそうに拍手をするが、宮子は呆れ返りながら拍手をしている。
俺も場に合わせての拍手で有る。
「議長は筑摩こと、お父さん!」
「それでは早速始めますが、最初に名乗り出る人は誰かな♪」
母さんが言い終えると同時に、咲子と真央が同時に挙手をする。
雰囲気には重苦しい会議では無く、小学校クラス内の学級会議と変わらない。
「えっと……ほぼ同時だね♪」
「じゃんけんで決めましょう♪」
母さんは司会者だが、バラエティー番組の司会者に成っている!?
家族内の話し合いだから良いか……
それにドリンク類も咲子と真央はジュースで有って、俺と母さんもお茶なのに、宮子は日本酒を飲んでいる!!
宮子曰く『この時間帯以外に何処で飲むの!!』と言われた。
だから、おつまみが場違いな場所にある訳だ!
『最初はグー、―――』
咲子と真央は本当に“じゃんけん”をして勝敗を決めている。
「やった~、私の勝ち~~」
「くやしい~~」
嬉しそうに言う咲子。
真央は残念がっているが、順番が前後するだけで有る。
「じゃあ、咲子からどうぞ!」
「時間は、一応10分以内だよ♪」
母さんは咲子にそう言う。
時間制限が有るとは聞いて無かったが、急遽思い付きで、付け加えたのだろう?
10分も力説する内容が、果たして有るのだろうか?
咲子は席を立つ。
「え~、では、私のペット候補を発表します!」
咲子も何かの役に成りきっている感じだ。
「私は…、うさぎさんが良いと思います!」
「出来ればオスとメスと2匹を飼って、うさぎさん一家を作りたいです♪」
「もふもふ毛のうさぎさんを可愛がって、安らぎたいです!」
「もし、家族が増えすぎても、うさぎさんは美味しいらしいので、命の勉強にも成ります!」
『!!!』
「私はうさぎを飼う事で、みんなにも良い事だらけだと感じます♪」
最初の内は、咲子も可愛らしい面が有るなと聞いていたが『うさぎは美味しい』でそれがひっくり返る!!
母さんは普通の表情をしているが、真央は『えっ……』の顔を当然する。
……宮子は何時も通りの澄まし顔だ。
(ペットを食べるのは、聞いた事無いぞ!!)
(それに実際、魚も捌けない俺達家族が、うさぎの解体を出来るのか??)
俺は此処で発言をする。
「ちょ、ちょっと待て! 咲子…」
「咲子は、うさぎをペットで飼うのか、家畜で飼うのかどちらだ?」
「それによって、全く話が異なる!」
「えっ!?」
「もちろん、ペットだよ!!」
「流石に最初から、食べる目的では無いよ!!」
「可哀想じゃん!!」
咲子が微笑みながら言うと、宮子が此処で話に加わる。
「咲子……。兎をペットとして飼う場合は、その肉は食べられないわ…。動物愛護法に接触するから……」
「それに家畜で飼う場合も、家畜商の資格が必要よ!」
「無断で兎を家畜として、飼う事は出来ない……」
「兎の繁殖力も旺盛で有って、1度の出産で7匹前後生まれるわ!」
「……咲子が望むような行為は、この国に住んでいる以上、正しい手続きを行わない出来ないわ!」
「仮に雄・雌とそれぞれ飼っても、必ず去勢・避妊して、愛玩動物にするしか手が無い!」
流石、大学生の宮子だ。
宮子が畜産関連の知識を持っているなんて、初めて知ったぞ!!
「うっ……」
宮子の言葉で、咲子は話しに詰まる……。咲子の表情も困った顔をしている。
そこで母さん(司会)が、俺(議長)に話し掛けてくる。
「どうする?」
「議長さん?」
「……宮子が言っている事が事実なら、咲子の意見には流石に賛同は出来ない」
「うさぎも1匹ならまだしも、数匹に成ると金銭的負担も大きいし、色々な事を加味すると1匹飼うのが限界だな…」
俺がそう言うと、咲子は……
「……じゃあ、1匹で良い」
「1匹でも良いから、うさぎさんを飼いたい…」
咲子は妥協をする。
今日の咲子は珍しく、反発をしてこない。お姉ちゃんには逆らえないのか?
表情も少し落ち込んでいる様だ……。そのまま静かに座る。
「じゃあ……咲子の希望はうさぎ1匹に変更……」
「理由は、食べようとしたから、―――」
書記も兼用で有る司会は、議事録を大学ノートに書き記している。
宮子の先ほどの知識が気に成ったので、俺は聞いて見る。
「宮子…。何処でそんな知識を覚えたのだ?」
「宮子の大学は、畜産大学では無いだろう?」
俺が宮子にそう聞くと……、宮子は澄ました表情で答える。
「…咲子が飼いたいペットは以前に聞いて居たから、本当に飼ったペットを、そのまま食べる事が出来るかを事前に調べて置いた…」
「咲子の事だから……普通に飼うだけでは無いと、私は直ぐに勘づいたからね!」
「食べて見たいそうなのよ……お肉が!」
「あの子らしいわ! 通販で売っているから、買って見ようかな?」
「宮子は……咲子の行動を先読みしたと…」
「まぁ。そうなるわね…」
宮子は咲子の案を実質潰した。同じ姉妹なのに……
それだけ、宮子が飼いたいペットの気持ちが強いのだろうか?
(これは、仲良し小好しの話し合いでは無いぞ!!)
(きっと、咲子の事だ。さっきの鬱憤を晴らすために、真央に全兵力を向けて真央の案を潰すに決まっている!!)
(んっ……そう成るとペットの案は、宮子の案か母さんが出せば母さんの案しか残らなくなる!?)
(宮子は其処まで、画を描いて居るのか!?)
(今の咲子、真央の関係は良い様で悪い。どちらかに火を付ければ、相手を直ぐに攻撃し出す。さっきの晩ご飯時が良い例だ……)
母さんが書記をして居る間、咲子はやけ食いの様に、洋菓子を食べているし、宮子も静かに日本酒を飲んで居る。
俺も、お茶を飲むのを止めて、宮子の様に酒を飲んで、場を濁したい気分だった……
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