単身赴任しているお父さんの家に押し掛けてみた!

小春かぜね

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番外編

第35話 母さんとのお疲れ会!

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 時間が時間なので、今夜の団らん時間は無くて、娘達は自室に戻る前にシャワーを浴びてから部屋に戻っていく。この辺は流石、女の子で有る。
 俺は汗を掻いた感じは無かったし、普段も職場に備わっている風呂に入ってから、家に帰って来ているが、態々シャワーを浴びる事は少ない……

 シャワーだけなので短時間の内に、人は入れ替わってシャワーを浴びた子から部屋に戻って行く。流れとしては、真央→咲子→宮子→母さんの順だった。
 俺も疲れは溜まっていたし眠気も来ていたが、まだ夫婦の会話をしていないので、母さんと2人に成る時間を待つため、リビングでテレビを見ながら待つ。

 ……

 バラエティー番組を見ながら時間を潰していると、シャワーを浴びた母さんがリビングに戻って来た。俺はこのタイミングで言う。

「母さん!」
「一杯やらない?」

「え~~、この時間から~♪」

 そうは言うが、母さんの顔は微笑んでいた。
 俺は冷蔵庫に向かって、中から缶ビール二缶取り出して、グラスと共に持って行く。
 おつまみは……冷蔵庫の中に、6Pチーズが丁度目に付いたのでこれにしよう!
 おつまみ無しで酒を飲むのは体にも良くないし、それに寂しい……。簡単な用意が出来て、母さんと乾杯をする。

「旅行も無事終わって、お疲れ様。母さん!」

「はい♪」
「お父さんもお疲れ様♪」

 お互いのグラスを『チン♪』と鳴らし合って、夫婦の時間が始まる。
 俺は一気では無いが、グラスの半分程ビールを空ける!

「ふぅ~~」
「今日も、美味しいや!」

 旅行は仕事では無いが達成感は有る。
 俺の中で、最大の問題で有った宮子の関係も、9割以上は改善出来た!
 咲子がまた…、俺に興味を示し始めているが、母さんも対策をするので、今まで様には行かないだろう!?
 真央はマイペースの所が有るがまだ小学生だ。今は静かに成長を見守ろう!
 俺は心の中で娘達の事を思い浮かべながら、ビールを飲んでいると……

「お父さん! 楽しかったね!!」
「何年ぶりだったかな、家族全員での一泊旅行♪」

 笑顔で言う母さん。本当に楽しかったようだ!

「疲れたけど…、やっと家族が1つに成れた旅行だったね!」

「そうだね♪」
「宮子とお父さんの関係が解決出来たのが、私は一番嬉しいよ♪」

 母さんはそう言いながら、グラスのビールを空ける。
 良い飲みっぷりだ!!

「なぁ、母さん…。ペットの話し合いは何時するのだ?」

「あぁ、それね……。本当は昨夜にしようかなと思ったけど……、そんな雰囲気じゃ無かったのよね」
「私や宮子も結構、飲んじゃったし///」

「まぁ、それもそうだな…」

 俺は心の中で思う……

(母さんの口が軽く成った状態で、ペットの話し合いをしたら、有無言わずに“ヘビ”に決まりそうだ……)
(そうしたら真央は泣くかも知れないし、宮子も何を言うかは分らない?)
(楽しい旅行が台無しにされる位なら、しない方が良かったに決まっている!?)

「う~ん。そうねぇ…」
「ペットの話し合いは明日の晩ご飯後か、それか明後日の午前中かな?」

 母さんは俺にそう言うが、明後日の午前中に話し合いなんてしたくない。長引いたら、俺の帰る時間が遅く成ってしまう。

「母さん…。明日の晩ご飯後に、ペットの話し合いはしようよ!」
「宮子のバイトも夕方には終わるし、夜の方がじっくり話せるから!!」

「じゃあ、お父さん。そうする?」

「うん! そうしよう!!」

「じゃあ明日の、朝ご飯の時にみんなの前で言うね♪」

「お願い!」

 俺はそう言いながら、缶ビールをグラスに注いでいると……

「うゆ!」
「何で、お父さんが、宮子のアルバイト時間を知っているのかな~~♪」
「不思議だな~~~」

 母さんが顔を“にやつかせながら”言って来た!

「……聞いたんだよ。宮子の今後の予定を!」

「へぇ~~。そうなんだ~~♪」
「凄く、仲良く成ったんだね~~。お父さん!!」

 母さんの表情は笑顔だし、口調も柔らかいが……、何処かで“やきもち”を焼いている感じもするぞ!?

「……母さん、怒っている?」

「怒ってなんか無いよ~~♪」
「だけど……、少し急接近しすぎだね~!」

「そっ、そうか…!?」

「宮子も知らない間に、お父さんに好意を抱いていたのだね…」
「これは女の勘だな!」

「母さん! そうなの!?」

「うん!」
「なんせ宮子は、お父さんが一番欲しい時期にお父さんを失って、思春期が芽生え始めた直後に、宮子の元に筑摩さんが来たからね!」
「宮子にとっても、難しかったのかも知れないね…。時間は掛かったけど、これで良かったと思う♪」

「お父さん……」
「もしかしたら今までの反動で、咲子よりアプローチ掛けて来るかもよ♪」
「きゃははは~~」

 グラスを手に持ちながら、急に笑い出す母さん!
 大分酔ってきた!?
 おつまみが、6Pチーズだけでは少なすぎたか!?

 これ以上飲むと、お互い明日に影響が出て来るので、今日は1缶だけで終わる。
 その後の母さんは、特に口は軽く成らずに普通の会話に戻った。

 宮子と咲子は俺の血が入っていない…。それに養子縁組もしていない。
 母さんが先ほど言った言葉は、本当に冗談で済めば良いと感じて、就寝の準備を始めた……
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