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番外編
第4話 大型連休 その4
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時間的にそろそろ、晩ご飯の準備時間と成るが、キッチンでは母さんと咲子が晩ご飯の用意をしている。
俺も何か手伝おうとしたけど『余り人が多くても困る…』と母さんに言われたので、俺はリビングで手持ち無沙汰をしていると、真央がリビングに入ってきた。
真央は俺を素通りして、母さんの方に向かっていったが、しばらくすると戻って来た。
「お父さん!」
「お母さんが、お父さんと遊んでいなさいと言って来た。何か、遊ぼ!!」
真央はその様に言うが、真央と何をして遊べば良いのだろうか?
「遊ぶのは良いけど、何をする?」
「2人だからオセロゲームをしよう!」
「咲子お姉ちゃん! オセロ借りるよ!」
真央はそう言いながら、オセロゲームの準備をする。咲子は『良いよ!』と素直にキッチンから言う。
晩ご飯が出来るまでの間、真央とオセロゲームをする。咲子とオセロゲームはしたが、真央とするのは久しぶりで有る。
真央はあまりオセロゲームが得意では無さそうなので、俺は適度に手を抜きながらゲームをする。
オセロゲームも中盤に差し掛かって、ゲームも五分五分の状態の時、ゲームをしながら真央は俺に話し掛けてくる。
「お父さんは、ネコ好き?」
「まぁ、好きだよ…」
「じゃあ、これ見て!」
「菜子ちゃん家のネコ撮らせて貰ったの!!」
真央はそう言って、自分のスマートフォンを操作しだして、ネコの画像を俺に見せてくる。大人のネコの筈だが、何だか子ネコにも見える。
「このネコの名前は、ちびちゃんと言うんだよ。可愛いよね、お父さん!」
「あぁ、たしかに可愛いネコだが……」
「お父さん! ネコ飼いたいね!!」
真央は笑顔で俺に言って来る。
どうやら真央は、俺を味方に付けようと企んでいるようだ。
その言葉をキッチンで聞いていた咲子が、キッチンから大きな声で俺と真央の会話に割り込んでくる。
「真央!」
「ズルしない!!」
「お父さんも、真央の言う事聞いちゃ駄目だよ!!」
「ズルじゃないもん!!」
「ちびちゃんの魅力を伝えているだけだもん!!」
「それを、ズルって言うんだよ。真央!」
また、咲子と真央が衝突し出したと思ったが、直ぐに母さんが割り込む。
「咲子……あなた、今、カツを揚げているのでしょ!」
「余所見していたら、カツも焦げるし、あなたも大怪我するわよ!!」
「料理に集中して!」
母さんが咲子を窘めている。リビングからキッチンの様子は窺えないが、揚げ物の音が聞こえてくるから、カツレツを揚げているのだろう。
今日の晩ご飯のメニューは先月、咲子と一緒に喫茶店のランチで食べた、ポークカツレツの再現で有る。
「あっ……は~い」
咲子は“しょぼくれた”声で返事をする。
母さんは真央にも何かを言うかなと思っていたが、何も言って来なかった。
「まぁ、真央」
「お父さんもネコは嫌いではないが、みんなが納得しないといけないからな!」
「じゃあ、お父さんは、私(真央)の味方してね!」
「お父さんは中立だよ。でも、出来ればみんなが納得しての方が嬉しいが…」
「う~ん、残念…でも、角は貰った!」
真央はオセロゲームの角を取る。
真央は自分の意見が通らないと暴走する子では無い。
軽く注意すれば、真央はそれ以上の事はしないはずだが、咲子だけには強気に出ている部分も見えた。
(今まで、真央は咲子のイエスマンだったからな)
(それの反動と言うべきか、自我の芽生えと言うべきか、咲子の性格も勝ち気の性格だからな……)
(口喧嘩だけで終わっている内は良いのだが……)
俺はそんな事を考えながら、真央とオセロゲームをした。
宮子の問題は解決の方向に向かいだしたが、今度は咲子と真央が全面衝突する恐れも出て来そうだ……
オセロゲームは真央の勝利で終わって、真央はご機嫌顔で有る。
ご機嫌な真央は再度オセロゲームを求めてきたが、今からゲームをすると中途半端な所で晩ご飯と成るので、ゲームはせずに真央と晩ご飯の細かい準備をする事に成った。
咲子は、親子関係の事情を知っているが、真央はまだ事情を知らない。咲子が暴走した時に余計な事を言われる前に、真央に事実を早めに話した方が良いかなと感じた。
晩ご飯の準備が大体出来た所で、タイミング良く宮子がリビングに入ってくる。
母さんを筆頭に家族みんなで晩ご飯の準備を進めていく……
今日の晩ご飯のメニューは、ポークカツレツ・メンチカツのデミグラスソース風味と、キャベツ・キュウリ・トマト・スライスオニオンの野菜サラダ。豆腐・ワカメの味噌汁と市販のキムチで有った。
ポークカツレツは、豚のロース肉をきちんと叩いて作ったそうだが、メンチカツは時間短縮のため冷凍食品で有る。しかし、最近の冷凍食品は本当に美味しいので何も言う事はない!
俺が気に成った、デミグラスソースは市販品を使ったようだ。俺はてっきりビーフシチューのルー使うのかと思っていたが違ったようだ。
市販品をそのままソースにしたわけでは無くて、トマトケチャップを加えて、一手間加えて有ると咲子が自慢げに言っていた。
デミグラスソースを作ったのは母さんだが、調理方法を調べたのは咲子で有った。
本当は逆の担当だったけど、咲子が揚げ物担当を嘆願したらしい。
焼肉屋以外の日で、家族全員が食卓に揃うのは本当に久しぶりで有った。
特に宮子が大学生に成ってからは極力避けられていたため、正月の三が日以外に揃う事は本当に無かった……
本当に久しぶりの、家族全員での食事が始まろうとしていた……
俺も何か手伝おうとしたけど『余り人が多くても困る…』と母さんに言われたので、俺はリビングで手持ち無沙汰をしていると、真央がリビングに入ってきた。
真央は俺を素通りして、母さんの方に向かっていったが、しばらくすると戻って来た。
「お父さん!」
「お母さんが、お父さんと遊んでいなさいと言って来た。何か、遊ぼ!!」
真央はその様に言うが、真央と何をして遊べば良いのだろうか?
「遊ぶのは良いけど、何をする?」
「2人だからオセロゲームをしよう!」
「咲子お姉ちゃん! オセロ借りるよ!」
真央はそう言いながら、オセロゲームの準備をする。咲子は『良いよ!』と素直にキッチンから言う。
晩ご飯が出来るまでの間、真央とオセロゲームをする。咲子とオセロゲームはしたが、真央とするのは久しぶりで有る。
真央はあまりオセロゲームが得意では無さそうなので、俺は適度に手を抜きながらゲームをする。
オセロゲームも中盤に差し掛かって、ゲームも五分五分の状態の時、ゲームをしながら真央は俺に話し掛けてくる。
「お父さんは、ネコ好き?」
「まぁ、好きだよ…」
「じゃあ、これ見て!」
「菜子ちゃん家のネコ撮らせて貰ったの!!」
真央はそう言って、自分のスマートフォンを操作しだして、ネコの画像を俺に見せてくる。大人のネコの筈だが、何だか子ネコにも見える。
「このネコの名前は、ちびちゃんと言うんだよ。可愛いよね、お父さん!」
「あぁ、たしかに可愛いネコだが……」
「お父さん! ネコ飼いたいね!!」
真央は笑顔で俺に言って来る。
どうやら真央は、俺を味方に付けようと企んでいるようだ。
その言葉をキッチンで聞いていた咲子が、キッチンから大きな声で俺と真央の会話に割り込んでくる。
「真央!」
「ズルしない!!」
「お父さんも、真央の言う事聞いちゃ駄目だよ!!」
「ズルじゃないもん!!」
「ちびちゃんの魅力を伝えているだけだもん!!」
「それを、ズルって言うんだよ。真央!」
また、咲子と真央が衝突し出したと思ったが、直ぐに母さんが割り込む。
「咲子……あなた、今、カツを揚げているのでしょ!」
「余所見していたら、カツも焦げるし、あなたも大怪我するわよ!!」
「料理に集中して!」
母さんが咲子を窘めている。リビングからキッチンの様子は窺えないが、揚げ物の音が聞こえてくるから、カツレツを揚げているのだろう。
今日の晩ご飯のメニューは先月、咲子と一緒に喫茶店のランチで食べた、ポークカツレツの再現で有る。
「あっ……は~い」
咲子は“しょぼくれた”声で返事をする。
母さんは真央にも何かを言うかなと思っていたが、何も言って来なかった。
「まぁ、真央」
「お父さんもネコは嫌いではないが、みんなが納得しないといけないからな!」
「じゃあ、お父さんは、私(真央)の味方してね!」
「お父さんは中立だよ。でも、出来ればみんなが納得しての方が嬉しいが…」
「う~ん、残念…でも、角は貰った!」
真央はオセロゲームの角を取る。
真央は自分の意見が通らないと暴走する子では無い。
軽く注意すれば、真央はそれ以上の事はしないはずだが、咲子だけには強気に出ている部分も見えた。
(今まで、真央は咲子のイエスマンだったからな)
(それの反動と言うべきか、自我の芽生えと言うべきか、咲子の性格も勝ち気の性格だからな……)
(口喧嘩だけで終わっている内は良いのだが……)
俺はそんな事を考えながら、真央とオセロゲームをした。
宮子の問題は解決の方向に向かいだしたが、今度は咲子と真央が全面衝突する恐れも出て来そうだ……
オセロゲームは真央の勝利で終わって、真央はご機嫌顔で有る。
ご機嫌な真央は再度オセロゲームを求めてきたが、今からゲームをすると中途半端な所で晩ご飯と成るので、ゲームはせずに真央と晩ご飯の細かい準備をする事に成った。
咲子は、親子関係の事情を知っているが、真央はまだ事情を知らない。咲子が暴走した時に余計な事を言われる前に、真央に事実を早めに話した方が良いかなと感じた。
晩ご飯の準備が大体出来た所で、タイミング良く宮子がリビングに入ってくる。
母さんを筆頭に家族みんなで晩ご飯の準備を進めていく……
今日の晩ご飯のメニューは、ポークカツレツ・メンチカツのデミグラスソース風味と、キャベツ・キュウリ・トマト・スライスオニオンの野菜サラダ。豆腐・ワカメの味噌汁と市販のキムチで有った。
ポークカツレツは、豚のロース肉をきちんと叩いて作ったそうだが、メンチカツは時間短縮のため冷凍食品で有る。しかし、最近の冷凍食品は本当に美味しいので何も言う事はない!
俺が気に成った、デミグラスソースは市販品を使ったようだ。俺はてっきりビーフシチューのルー使うのかと思っていたが違ったようだ。
市販品をそのままソースにしたわけでは無くて、トマトケチャップを加えて、一手間加えて有ると咲子が自慢げに言っていた。
デミグラスソースを作ったのは母さんだが、調理方法を調べたのは咲子で有った。
本当は逆の担当だったけど、咲子が揚げ物担当を嘆願したらしい。
焼肉屋以外の日で、家族全員が食卓に揃うのは本当に久しぶりで有った。
特に宮子が大学生に成ってからは極力避けられていたため、正月の三が日以外に揃う事は本当に無かった……
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