65 / 167
第64話 我が家の長女 その6
しおりを挟む
私が家に戻るとお姉ちゃんは、クッションを枕代わりにしていて眠っていた。
午前中はアルバイトだったらしいし、ここに来るまでの疲れも有ったのだろう?
お父さんが帰って来たら直ぐに調理が出来るように、野菜等を事前に切っておく事にした。
私が台所ですき焼きの準備をしていると、お姉ちゃんは起きたらしく、台所にやってくる。
「ごめん…咲子」
「うっかり寝てしまった……」
お姉ちゃんは眠たそうな声とあくびをする。
「お姉ちゃん。まだ、眠たかったら寝てても大丈夫だよ!」
「そんなに準備する事は無いから!!」
「でも、もうすぐ、あいつが帰って来るんでしょ!」
「寝てる姿を見られたら、何だかムカつくから起きている」
「咲子。何か手伝える事は無い?」
「ん~~、なら…」
「そこの棚に、お椀型の使い捨ての容器と紙皿が入っているから、器の準備してくれる?」
「えっ、あなた達、使い捨て容器で生活しているの!?」
お姉ちゃんはびっくりした表情で言う。
「私達の分のお皿は有るのだけど、お姉ちゃんのは無いんだよ…」
「私とお父さんが陶器の器で、お姉ちゃんが使い捨て容器では流石に見苦しいから、みんな使い捨て容器にするの!」
「別に変な気を遣わなくても良いよ…」
「それにしても使い捨て容器。なんでこんなに大量に有るの!?」
「あぁ、それ!」
「お母さんと真央用で準備したのだけど、お父さんが大量に買って来て、余り気味だったの」
「でも、お姉ちゃんが来たからこれで大分減りそうだよ」
「変な気、使わなくたって良いって!」
「私は使い捨て容器で、あなた達は普通の器を使えば良いよ!」
「私は本当のお客さんなんだし。この食器棚に入っているがあなた達の?」
「うん……。そうだけど、誰のか判る?」
「まぁ、食器の柄を見れば大体はね?」
「でも、この食器類。家では見た事無い柄だけど、新たに買ったの?」
お姉ちゃんはそう言って、1枚の丸皿を取って私に見せてくる。
「ああ、それ…」
「一応、私の食器……。お父さん、事前に言ってくれれば用意したのに、私に好きな食器を使わせたいとか言って、用意させなかったんだよ」
「だから、安い食器を中心に買った!」
「ふ~ん」
「優しいと言うべきか、抜けていると言うべきか?」
「じゃあ、適当に並べて置くから、後で間違っていたら直してね」
「あっ、うん。分かった…」
お姉ちゃんはそう言って、食器類の準備を始める。
ごちゃごちゃ言っても意味が無いので、私はすき焼きの準備を進める。
大きなお皿に、すき焼きに使う野菜、焼き豆腐等を切ったのをお皿に盛り付けていく。
すき焼きだけど、お父さんの家にはすき焼き鍋は無いし、卓上コンロも無い。
すき焼き鍋の代わりにフライパンを使って調理して、卓上コンロが無いのは仕方ないから、何回かに分けて台所で調理する事にする。
夏のこの時期だから極端には冷めないし、具材も思っていたより多そうだから、台所調理の方が勝手が良いと思った。
野菜等も切り終わってその後は、お姉ちゃんと居間に居ると、車が入ってくる音がしてお父さんが帰って来たようだ。
(さて、私は料理を始めるか!)
お姉ちゃんには居間に居て貰って、私1人で調理する。
私は台所に向かい、すき焼きの調理を始めた。
……
俺は今日の仕事も無事終えて、家に戻っては来たが。
(当たり前だが、宮子はもう来ているよな。さて、これからどう対応すべきか?)
(その前に、今日の晩ご飯は、宮子は何を食べたがるのだろうか?)
(俺のスマートフォンには連絡は一切入って居なかったから、どうするんだろうな?)
俺はこれからの事を考えて、玄関に向かい部屋に入る。
「ただいま~」
何時もなら来るはずの咲子が、今日は出迎えには来ない。
(あれ?)
(今日は来ないのか?)
(まぁ、宮子も来ているから、何時も見たいな感じでは出来無いのかも知れないな)
俺はそう思いながら靴を脱いで、台所に繋がっているドアを開くと、台所では咲子が料理をしていた。
「ただいま。咲子」
「あっ、お帰り~。お父さん!」
「お姉ちゃん。来ているよ!!」
「あっ、あぁ……」
「何だ? てっきり外食に行く者だと思っていたが、家で食べる事にしたのか?」
「うん。まぁ、そう!」
「お姉ちゃんがすき焼きを食べたいと言ったから。すき焼きなら私でも作れるし、お父さんもその方が良いでしょ!」
「まぁ、それはそうだが、宮子は反対しなかったのか?」
「しなかったよ!」
「お姉ちゃん居間に居るから、料理が出来るまでの間、仲良くお話でもして待っていてね!」
咲子は和やか顔でそう言うが……
(咲子も知っている筈だろ!)
(向こうが警戒しているのに、仲が良い会話なんて難しいよ…)
「ああ。まぁ、宮子と話でもしているよ」
「喧嘩はしては駄目だからね!」
「宮子も大人だ」
「そんな事しないはずだ!」
俺は部屋着に着替えてから、遂に宮子との対面で有る。
料理の進行具合をチラッと見たが、10分も有ればすき焼きは完成しそうだ。
今から約10分間……。宮子との2人きりの時間が始まろうとしていた。
午前中はアルバイトだったらしいし、ここに来るまでの疲れも有ったのだろう?
お父さんが帰って来たら直ぐに調理が出来るように、野菜等を事前に切っておく事にした。
私が台所ですき焼きの準備をしていると、お姉ちゃんは起きたらしく、台所にやってくる。
「ごめん…咲子」
「うっかり寝てしまった……」
お姉ちゃんは眠たそうな声とあくびをする。
「お姉ちゃん。まだ、眠たかったら寝てても大丈夫だよ!」
「そんなに準備する事は無いから!!」
「でも、もうすぐ、あいつが帰って来るんでしょ!」
「寝てる姿を見られたら、何だかムカつくから起きている」
「咲子。何か手伝える事は無い?」
「ん~~、なら…」
「そこの棚に、お椀型の使い捨ての容器と紙皿が入っているから、器の準備してくれる?」
「えっ、あなた達、使い捨て容器で生活しているの!?」
お姉ちゃんはびっくりした表情で言う。
「私達の分のお皿は有るのだけど、お姉ちゃんのは無いんだよ…」
「私とお父さんが陶器の器で、お姉ちゃんが使い捨て容器では流石に見苦しいから、みんな使い捨て容器にするの!」
「別に変な気を遣わなくても良いよ…」
「それにしても使い捨て容器。なんでこんなに大量に有るの!?」
「あぁ、それ!」
「お母さんと真央用で準備したのだけど、お父さんが大量に買って来て、余り気味だったの」
「でも、お姉ちゃんが来たからこれで大分減りそうだよ」
「変な気、使わなくたって良いって!」
「私は使い捨て容器で、あなた達は普通の器を使えば良いよ!」
「私は本当のお客さんなんだし。この食器棚に入っているがあなた達の?」
「うん……。そうだけど、誰のか判る?」
「まぁ、食器の柄を見れば大体はね?」
「でも、この食器類。家では見た事無い柄だけど、新たに買ったの?」
お姉ちゃんはそう言って、1枚の丸皿を取って私に見せてくる。
「ああ、それ…」
「一応、私の食器……。お父さん、事前に言ってくれれば用意したのに、私に好きな食器を使わせたいとか言って、用意させなかったんだよ」
「だから、安い食器を中心に買った!」
「ふ~ん」
「優しいと言うべきか、抜けていると言うべきか?」
「じゃあ、適当に並べて置くから、後で間違っていたら直してね」
「あっ、うん。分かった…」
お姉ちゃんはそう言って、食器類の準備を始める。
ごちゃごちゃ言っても意味が無いので、私はすき焼きの準備を進める。
大きなお皿に、すき焼きに使う野菜、焼き豆腐等を切ったのをお皿に盛り付けていく。
すき焼きだけど、お父さんの家にはすき焼き鍋は無いし、卓上コンロも無い。
すき焼き鍋の代わりにフライパンを使って調理して、卓上コンロが無いのは仕方ないから、何回かに分けて台所で調理する事にする。
夏のこの時期だから極端には冷めないし、具材も思っていたより多そうだから、台所調理の方が勝手が良いと思った。
野菜等も切り終わってその後は、お姉ちゃんと居間に居ると、車が入ってくる音がしてお父さんが帰って来たようだ。
(さて、私は料理を始めるか!)
お姉ちゃんには居間に居て貰って、私1人で調理する。
私は台所に向かい、すき焼きの調理を始めた。
……
俺は今日の仕事も無事終えて、家に戻っては来たが。
(当たり前だが、宮子はもう来ているよな。さて、これからどう対応すべきか?)
(その前に、今日の晩ご飯は、宮子は何を食べたがるのだろうか?)
(俺のスマートフォンには連絡は一切入って居なかったから、どうするんだろうな?)
俺はこれからの事を考えて、玄関に向かい部屋に入る。
「ただいま~」
何時もなら来るはずの咲子が、今日は出迎えには来ない。
(あれ?)
(今日は来ないのか?)
(まぁ、宮子も来ているから、何時も見たいな感じでは出来無いのかも知れないな)
俺はそう思いながら靴を脱いで、台所に繋がっているドアを開くと、台所では咲子が料理をしていた。
「ただいま。咲子」
「あっ、お帰り~。お父さん!」
「お姉ちゃん。来ているよ!!」
「あっ、あぁ……」
「何だ? てっきり外食に行く者だと思っていたが、家で食べる事にしたのか?」
「うん。まぁ、そう!」
「お姉ちゃんがすき焼きを食べたいと言ったから。すき焼きなら私でも作れるし、お父さんもその方が良いでしょ!」
「まぁ、それはそうだが、宮子は反対しなかったのか?」
「しなかったよ!」
「お姉ちゃん居間に居るから、料理が出来るまでの間、仲良くお話でもして待っていてね!」
咲子は和やか顔でそう言うが……
(咲子も知っている筈だろ!)
(向こうが警戒しているのに、仲が良い会話なんて難しいよ…)
「ああ。まぁ、宮子と話でもしているよ」
「喧嘩はしては駄目だからね!」
「宮子も大人だ」
「そんな事しないはずだ!」
俺は部屋着に着替えてから、遂に宮子との対面で有る。
料理の進行具合をチラッと見たが、10分も有ればすき焼きは完成しそうだ。
今から約10分間……。宮子との2人きりの時間が始まろうとしていた。
0
お気に入りに追加
27
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

キャンプに行ったら異世界転移しましたが、最速で保護されました。
新条 カイ
恋愛
週末の休みを利用してキャンプ場に来た。一歩振り返ったら、周りの環境がガラッと変わって山の中に。車もキャンプ場の施設もないってなに!?クマ出現するし!?と、どうなることかと思いきや、最速でイケメンに保護されました、

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

ハイスペミュージシャンは女神(ミューズ)を手放さない!
汐瀬うに
恋愛
雫は失恋し、単身オーストリア旅行へ。そこで素性を隠した男:隆介と出会う。意気投合したふたりは数日を共にしたが、最終日、隆介は雫を残してひと足先にった。スマホのない雫に番号を書いたメモを残したが、それを別れの言葉だと思った雫は連絡せずに日本へ帰国。日本で再会したふたりの恋はすぐに再燃するが、そこには様々な障害が…
互いに惹かれ合う大人の溺愛×運命のラブストーリーです。
※ムーンライトノベルス・アルファポリス・Nola・Berry'scafeで同時掲載しています
こわいかおの獣人騎士が、仕事大好きトリマーに秒で堕とされた結果
てへぺろ
恋愛
仕事大好きトリマーである黒木優子(クロキ)が召喚されたのは、毛並みの手入れが行き届いていない、犬系獣人たちの国だった。
とりあえず、護衛兼監視役として来たのは、ハスキー系獣人であるルーサー。不機嫌そうににらんでくるものの、ハスキー大好きなクロキにはそんなの関係なかった。
「とりあえずブラッシングさせてくれません?」
毎日、獣人たちのお手入れに精を出しては、ルーサーを(犬的に)愛でる日々。
そのうち、ルーサーはクロキを女性として意識するようになるものの、クロキは彼を犬としかみていなくて……。
※獣人のケモ度が高い世界での恋愛話ですが、ケモナー向けではないです。ズーフィリア向けでもないです。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる