46 / 167
第45話 母さんとの出会い その2
しおりを挟む
軽い雑談をしながら、俺と彼女達は喫茶店に向かう。込み入った話はしてこなくて、世間話を中心に話す。
桜並木が有る場所から、徒歩で15分位歩くと喫茶店が見えてくる。見た感じチェーン店では無く、個人経営の喫茶店みたいだ。
喫茶店店内に入ると、比較的広めの店内では有るが、ランチタイムは既に終了しており、お客さんの姿はあまり見えなかった。
日差しが入る窓際のテーブル席に彼女達は座り、俺も一緒にその席に座る。
しばらくするとウェイトレスさんが、お冷や(水)とおしぼりを持って来る。
「いらしゃいませ!」
「ご注文は?」
見た感じ、大学生位の女性で有る。此所の娘さんと言うよりかはアルバイトだろう。
小春と三咲は、ドリンクとケーキが付いたケーキセットを頼んでおり、俺はブレンドコーヒーを頼む……。最近、喫茶店には全く来ていなかったのを思い出す。
注文をウェイトレスさんに告げると、ウェイトレスさんはお辞儀をしてから席から離れていく……
それを見計らった様に、三咲が俺に質問をしてくる。
「筑摩さんは、何処にお勤めですか?」
「こら、失礼だよ。いきなり人の勤務先聞くなんて……」
小春は、三咲から俺に対する質問に制止を掛けるが、別に恥ずかしい企業に勤めている訳で無いから答える。
「一応、今は、○×市に在る〇〇で勤務しております」
「あら。結構大手企業なんですね」
「でも『今は?』どういった意味で?」
「実は、俺はその工場内に有る、グループ企業の社員でして……」
「場合によっては、転勤等が有る場合が有りますので……」
「そう言う事ですか!」
「でも、大手企業グループには変わりませんわ!」
「良かったわね! 小春!!」
「えっ! 三咲!?」
「いきなり何を言い出すの!?」
小春は突然、三咲に話を振られて困惑している。
その姿も可愛いと感じてしまう俺がいた……
「それと筑摩さんは、独身ですか?」
「まあ、そうですよね……妻帯者が私達に、声を掛ける事は有り得ませんから……」
「はい……独身です」
見た感じ2人共まだ、独身なんだろうか?
そうすると三咲は、小春に何か耳打ちをしている……
「小春……チャンス到来よ…」
「え~、いや……子ども達が居るし…」
「いや、私(小春)も、そりゃあ、そうだけど……」
小声で2人は話しているから、聞き取れないが、何かの打ち合わせをしている感じだ。
しかし、子どもの部分だけは聞こえてしまった……
その間に、先程のウェイトレスさんが注文した品を持って来た。
話は一旦中断と成って、彼女達はケーキを食べて、紅茶やコーヒーで楽しんで、俺もブレンドコーヒーを飲む。
コーヒーの微妙な味は俺には良く判らないが、こんな物だと思ってコーヒーを飲む。
彼女達の飲食も一旦落ち着いて再び、三咲からの質問が再開される。
「筑摩さんは、先ほど〇〇で勤務していると伺いましたが、勤続年数は長いのですか?」
「今年で3年目に成ります」
「年齢の割に3年目と言う事は、それ以前は、別の企業で勤めていたのですか?」
「はい、そうです……」
「別に深くは聞くつもりは有りませんが、何故、以前の企業を辞められたんですか?」
(この三咲さんは、先ほどから面接みたいな質問ばかりしてくるな……)
(俺は小春の事がもっと知りたいのに……)
「以前の企業は、会社の先輩からパワハラを受けて、それで体調を崩して退職しました」
「あらま、そうだったのですか……お気の毒に…」
「今はもう、回復されたんですか?」
三咲は一瞬、哀れんだ表情をして話しを続ける。
「はい。御陰様で何とか……あの、三咲さん」
「失礼ですか……この面接みたいな質問が続いているのは何ですか?」
そうすると三咲は急に謝り出す。
「ああ、ごめんなさい……」
「あなたが小春に相応しい人か、知りたかったので……」
「はぁ……そうですか…」
どうやら俺は、三咲に品定めをされて居たみたいだ。
小春に相応しい人? どう言う意味だ!?
「あなたが、私達に声を掛けたと言う事は、私達どちらかに興味を感じて、声を掛けた事に成りますよね?」
「でも、私(三咲)は小春から紹介されるまでは、あなたの事は知らなかったし、会った記憶も無い。しかし、小春は筑摩さんの事を知っていた」
「そうなりますと筑摩さんは、小春を以前から知っていて、且つ興味を持っていたから、声を掛けたで間違っては無いですよね…」
「はい、そうです…」
「新見(小春)さんが気になって声を掛けました……」
すると三咲はにっこり笑って、小春に話し掛ける。
「だって……小春!」
「筑摩さんが、あなたに興味が有るって!」
そうすると、小春は頬を真っ赤にして俯いてしまう。
意外に初心な人なの!?
「どうする、小春?」
「あなたが筑摩さんに興味が無いなら、私から断ってあげるけど…」
三咲は小春の仲介役を何故かしている。
小春と三咲の親友関係は、かなりの仲が深い関係なんだろう?
すると、小春はゆっくりと顔を上げながら言う。
「えっと、真田さん…」
「何時も、スーパーに来てくれて有り難う御座います」
「私に関心を持ってくれたのは、凄く嬉しいのだけど……どうして、私に関心を示してくれたのかな?」
「えっと、それは……新見さんが、愛嬌の有る、優しそうな人だから興味を持ちました」
「そうですか……うゆ」
何だか、お見合いをしている感じだ。お見合いってこんな感じなのかな?
しかし、この子語尾に『うゆ』って付けて言ったぞ! それとも『はい』と言うつもりが噛んだのかな?
「どうする、小春……」
三咲は小春に声を掛ける。
「筑摩さんとはもう、顔馴染みの関係だし……親友からなら良いかも…」
小春はそう言ってくれた。
スーパーの店員さんの時から、気になる人では有ったが、このような展開に成るとは夢にも思っていなかった!?
お互いのメールアドレスの交換と、三咲さんのメールアドレスも交換する。
こうして、小春との交流が始まりだした……
桜並木が有る場所から、徒歩で15分位歩くと喫茶店が見えてくる。見た感じチェーン店では無く、個人経営の喫茶店みたいだ。
喫茶店店内に入ると、比較的広めの店内では有るが、ランチタイムは既に終了しており、お客さんの姿はあまり見えなかった。
日差しが入る窓際のテーブル席に彼女達は座り、俺も一緒にその席に座る。
しばらくするとウェイトレスさんが、お冷や(水)とおしぼりを持って来る。
「いらしゃいませ!」
「ご注文は?」
見た感じ、大学生位の女性で有る。此所の娘さんと言うよりかはアルバイトだろう。
小春と三咲は、ドリンクとケーキが付いたケーキセットを頼んでおり、俺はブレンドコーヒーを頼む……。最近、喫茶店には全く来ていなかったのを思い出す。
注文をウェイトレスさんに告げると、ウェイトレスさんはお辞儀をしてから席から離れていく……
それを見計らった様に、三咲が俺に質問をしてくる。
「筑摩さんは、何処にお勤めですか?」
「こら、失礼だよ。いきなり人の勤務先聞くなんて……」
小春は、三咲から俺に対する質問に制止を掛けるが、別に恥ずかしい企業に勤めている訳で無いから答える。
「一応、今は、○×市に在る〇〇で勤務しております」
「あら。結構大手企業なんですね」
「でも『今は?』どういった意味で?」
「実は、俺はその工場内に有る、グループ企業の社員でして……」
「場合によっては、転勤等が有る場合が有りますので……」
「そう言う事ですか!」
「でも、大手企業グループには変わりませんわ!」
「良かったわね! 小春!!」
「えっ! 三咲!?」
「いきなり何を言い出すの!?」
小春は突然、三咲に話を振られて困惑している。
その姿も可愛いと感じてしまう俺がいた……
「それと筑摩さんは、独身ですか?」
「まあ、そうですよね……妻帯者が私達に、声を掛ける事は有り得ませんから……」
「はい……独身です」
見た感じ2人共まだ、独身なんだろうか?
そうすると三咲は、小春に何か耳打ちをしている……
「小春……チャンス到来よ…」
「え~、いや……子ども達が居るし…」
「いや、私(小春)も、そりゃあ、そうだけど……」
小声で2人は話しているから、聞き取れないが、何かの打ち合わせをしている感じだ。
しかし、子どもの部分だけは聞こえてしまった……
その間に、先程のウェイトレスさんが注文した品を持って来た。
話は一旦中断と成って、彼女達はケーキを食べて、紅茶やコーヒーで楽しんで、俺もブレンドコーヒーを飲む。
コーヒーの微妙な味は俺には良く判らないが、こんな物だと思ってコーヒーを飲む。
彼女達の飲食も一旦落ち着いて再び、三咲からの質問が再開される。
「筑摩さんは、先ほど〇〇で勤務していると伺いましたが、勤続年数は長いのですか?」
「今年で3年目に成ります」
「年齢の割に3年目と言う事は、それ以前は、別の企業で勤めていたのですか?」
「はい、そうです……」
「別に深くは聞くつもりは有りませんが、何故、以前の企業を辞められたんですか?」
(この三咲さんは、先ほどから面接みたいな質問ばかりしてくるな……)
(俺は小春の事がもっと知りたいのに……)
「以前の企業は、会社の先輩からパワハラを受けて、それで体調を崩して退職しました」
「あらま、そうだったのですか……お気の毒に…」
「今はもう、回復されたんですか?」
三咲は一瞬、哀れんだ表情をして話しを続ける。
「はい。御陰様で何とか……あの、三咲さん」
「失礼ですか……この面接みたいな質問が続いているのは何ですか?」
そうすると三咲は急に謝り出す。
「ああ、ごめんなさい……」
「あなたが小春に相応しい人か、知りたかったので……」
「はぁ……そうですか…」
どうやら俺は、三咲に品定めをされて居たみたいだ。
小春に相応しい人? どう言う意味だ!?
「あなたが、私達に声を掛けたと言う事は、私達どちらかに興味を感じて、声を掛けた事に成りますよね?」
「でも、私(三咲)は小春から紹介されるまでは、あなたの事は知らなかったし、会った記憶も無い。しかし、小春は筑摩さんの事を知っていた」
「そうなりますと筑摩さんは、小春を以前から知っていて、且つ興味を持っていたから、声を掛けたで間違っては無いですよね…」
「はい、そうです…」
「新見(小春)さんが気になって声を掛けました……」
すると三咲はにっこり笑って、小春に話し掛ける。
「だって……小春!」
「筑摩さんが、あなたに興味が有るって!」
そうすると、小春は頬を真っ赤にして俯いてしまう。
意外に初心な人なの!?
「どうする、小春?」
「あなたが筑摩さんに興味が無いなら、私から断ってあげるけど…」
三咲は小春の仲介役を何故かしている。
小春と三咲の親友関係は、かなりの仲が深い関係なんだろう?
すると、小春はゆっくりと顔を上げながら言う。
「えっと、真田さん…」
「何時も、スーパーに来てくれて有り難う御座います」
「私に関心を持ってくれたのは、凄く嬉しいのだけど……どうして、私に関心を示してくれたのかな?」
「えっと、それは……新見さんが、愛嬌の有る、優しそうな人だから興味を持ちました」
「そうですか……うゆ」
何だか、お見合いをしている感じだ。お見合いってこんな感じなのかな?
しかし、この子語尾に『うゆ』って付けて言ったぞ! それとも『はい』と言うつもりが噛んだのかな?
「どうする、小春……」
三咲は小春に声を掛ける。
「筑摩さんとはもう、顔馴染みの関係だし……親友からなら良いかも…」
小春はそう言ってくれた。
スーパーの店員さんの時から、気になる人では有ったが、このような展開に成るとは夢にも思っていなかった!?
お互いのメールアドレスの交換と、三咲さんのメールアドレスも交換する。
こうして、小春との交流が始まりだした……
0
お気に入りに追加
27
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

キャンプに行ったら異世界転移しましたが、最速で保護されました。
新条 カイ
恋愛
週末の休みを利用してキャンプ場に来た。一歩振り返ったら、周りの環境がガラッと変わって山の中に。車もキャンプ場の施設もないってなに!?クマ出現するし!?と、どうなることかと思いきや、最速でイケメンに保護されました、

私は幼い頃に死んだと思われていた侯爵令嬢でした
さこの
恋愛
幼い頃に誘拐されたマリアベル。保護してくれた男の人をお母さんと呼び、父でもあり兄でもあり家族として暮らしていた。
誘拐される以前の記憶は全くないが、ネックレスにマリアベルと名前が記されていた。
数年後にマリアベルの元に侯爵家の遣いがやってきて、自分は貴族の娘だと知る事になる。
お母さんと呼ぶ男の人と離れるのは嫌だが家に戻り家族と会う事になった。
片田舎で暮らしていたマリアベルは貴族の子女として学ぶ事になるが、不思議と読み書きは出来るし食事のマナーも悪くない。
お母さんと呼ばれていた男は何者だったのだろうか……? マリアベルは貴族社会に馴染めるのか……
っと言った感じのストーリーです。

魔性の大公の甘く淫らな執愛の檻に囚われて
アマイ
恋愛
優れた癒しの力を持つ家系に生まれながら、伯爵家当主であるクロエにはその力が発現しなかった。しかし血筋を絶やしたくない皇帝の意向により、クロエは早急に後継を作らねばならなくなった。相手を求め渋々参加した夜会で、クロエは謎めいた美貌の男・ルアと出会う。
二人は契約を交わし、割り切った体の関係を結ぶのだが――

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
こわいかおの獣人騎士が、仕事大好きトリマーに秒で堕とされた結果
てへぺろ
恋愛
仕事大好きトリマーである黒木優子(クロキ)が召喚されたのは、毛並みの手入れが行き届いていない、犬系獣人たちの国だった。
とりあえず、護衛兼監視役として来たのは、ハスキー系獣人であるルーサー。不機嫌そうににらんでくるものの、ハスキー大好きなクロキにはそんなの関係なかった。
「とりあえずブラッシングさせてくれません?」
毎日、獣人たちのお手入れに精を出しては、ルーサーを(犬的に)愛でる日々。
そのうち、ルーサーはクロキを女性として意識するようになるものの、クロキは彼を犬としかみていなくて……。
※獣人のケモ度が高い世界での恋愛話ですが、ケモナー向けではないです。ズーフィリア向けでもないです。

甘すぎるドクターへ。どうか手加減して下さい。
海咲雪
恋愛
その日、新幹線の隣の席に疲れて寝ている男性がいた。
ただそれだけのはずだったのに……その日、私の世界に甘さが加わった。
「案外、本当に君以外いないかも」
「いいの? こんな可愛いことされたら、本当にもう逃してあげられないけど」
「もう奏葉の許可なしに近づいたりしない。だから……近づく前に奏葉に聞くから、ちゃんと許可を出してね」
そのドクターの甘さは手加減を知らない。
【登場人物】
末永 奏葉[すえなが かなは]・・・25歳。普通の会社員。気を遣い過ぎてしまう性格。
恩田 時哉[おんだ ときや]・・・27歳。医者。奏葉をからかう時もあるのに、甘すぎる?
田代 有我[たしろ ゆうが]・・・25歳。奏葉の同期。テキトーな性格だが、奏葉の変化には鋭い?
【作者に医療知識はありません。恋愛小説として楽しんで頂ければ幸いです!】
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる