単身赴任しているお父さんの家に押し掛けてみた!

小春かぜね

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第41話 焼肉屋 その3

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 追加オーダーした肉類も無くなり、2回目と成る追加オーダーを頼んで行く……
 そのすき間の時間に、咲子や真央はドリンクバーに行ったり、母さんはお花を摘み(トイレ)に行く。

 2回目の追加オーダーが来る前にまた、網を交換して貰って、母さんが綺麗な網で牛タン塩味とタレを焼いた後は、またソロプレーと成って焼肉が続いて行くが、追加オーダーも3回目とも成ると、流石に食べ盛りの咲子や真央も殆ど箸が進まなくなっていた……

「お母さん。残り時間って、後どの位有る?」

 咲子は母さんに、食べ放題の残り時間を聞いている。

「えっとね……」

 母さんはお会計時に出す伝票を見る。

「後10分位で、ラストオーダーの時間だね!」

「あと10分か~~」
「十分食べたし、このご飯でお終いにしようかな?」
「うん! 後は、デザート頼んでお終いにしよう!」

 と言う咲子だが、結局ライス中を2杯、ライス小を1杯食べている。大人の男性顔負けの食欲で有る……
 真央の方はライス中2杯で終わって、後はライスを頼まずに、ソーセージやつくね、焼き野菜を頼んで、それをソフトドリンクを飲みながら食べている。真央も肉は好きなはずだが、好みが変わったのだろうか?

「ふぅ~~」
「今日は、大分飲んだな……」

 俺は結局、ビールだけだが6杯目に突入している。焼肉は本当にビールが進む!!
 焼き立てを食べるから当然熱いし、口内を火傷する恐れが有るから、直ぐに冷たいビールを飲んで、喉を潤しながら火傷防止にも成る! 素晴らしい!! 
 焼肉にビールは俺にとっては、無限ビールにおちいってしまうので有った。

「お父さん♪」
「流石にビールはお終いだからね♪」

「母さん。……流石に酒は、今飲んでいるので終わるよ!」
「やはり、焼肉はご飯で食べるのが一番美味しいし!」

 俺にはそんな事言う母さんだが、実は母さんも結構飲んでいる。
 ビールは2杯だが、その後はレモン酎ハイ、今はウーロンハイを飲んでいる。
 酎ハイ系統は店によっては、水みたいな酎ハイを出す店も多いが、若者達が濃い酎ハイを望まないと聞いたことが有る。

 俺らの時代は、酒はの時代だったが、今の時代は、ほろ酔い程度で楽しむのが今時らしい。コンビニやスーパーのお酒コーナーでも、低アルコール飲料が多数販売されており、需要は比較的多いみたいだ。

 しかし、アルコール度数の高い缶酎ハイも、一部の人には人気が有って、飲まなきゃ遣ってられない人も多いみたいだ……

 テーブルに食べ残し掛けている肉類で、最後の一杯で有るビールを楽しんでいると、スタッフが席にやってくる。

「そろそろ、食べ放題・飲み放題共に、最終オーダーのお時間と成りますが、ご注文はよろしいでしょうか?」

 最終オーダーの時間が遂にやって来てしまった……

「私(咲子)は、バニラアイス下さい!」

「私(真央)はストロベリーアイス!」

「ライス大、牛トロホルモンと牛ロースのタレ、焼き芋アイスを各1人前でお願いします♪」

 最終オーダーは、みんながそれぞれに注文をして行く……。俺も食べたい物をスタッフに伝えて行く。

「俺は、ライス大と焼肉の盛り合わせのタレ、キムチとわかめスープを各1人前でお願いします」

「あっ、私もわかめスープ飲みたい♪」

 母さんはその様に言う。

「すいません、わかめスープは2つで」

「あっ、はい……。かしこまりました…」

 みんながバラバラで注文してしまったから、スタッフは困惑している見たいだ。
 注文の機械を慌ただしく操作しながら、スタッフは注文内容を入力していく……

「えっと、ご注文の方は、牛トロホルモンと牛ロースのタレと、焼肉の盛り合わせとキムチが各1人前……。ライス大とわかめスープが各2つ……。バニラアイス、ストロベリーアイス、焼き芋アイスが各1つでよろしいでしょうか?」

 流石スタッフだ。バラバラで注文したのに見事に聞き取ってくれた!

 宴会とか、飲み会の時に何時も思うのだが、10人前後の人が注文時に、一斉にバラバラで注文するのを、見事に聞けるスタッフは何時も凄いなと感心してしまう。
 俺の現場では、複数の人が『ワ~~』と言ってくる現場では無い。
 逆にそんな事をされたら、こっちが混乱してしまう……。これも一種の能力かなと何時も思う。

「はい! 大丈夫です♪」
「すいません、網の交換もお願いします…」

 母さんはそう、スタッフに告げる。

「網交換ですね」
「かしこまりました。少々お待ちください」

 そう言って、スタッフはお辞儀をして席を離れていった。
 その間、俺は尿意をもよおしたのでトイレに行き用を足す……
 しばらくすると、網は綺麗な網に交換されて、最終オーダーで頼んだ品がテーブルに運ばれてくる。

「じゃあ、一気に焼くよ~~♪」

 母さんは先ほど頼んだ肉や、テーブルに残っていた肉やソーセージ、野菜等を網に一気に広げる。
 焼肉の最後は何時もそうだが、網に焼けるだけの肉を乗せる!
 暗黙の了解で、焼肉の最終注文時には、肉はタレしか頼まないと言うルールが我が家に有る。肉が網の上で混ざっても大丈夫のようにだ!

「もう、これは大丈夫だね~♪」

 焼けたと思われる肉を箸で掴んで、ライスと食べていく母さん。俺も焼けた肉の狙いを定めて、肉をライスと食べていく……

(うん。焼肉とライス。最高だ!!)

 俺と母さんもそうだが、ライスと食べる時はチマチマ焼きながら食べない。
 他の人は正直分らないが、宴会や飲食のメニューが焼肉だった時は、俺の周りではそうしている。

 各々で食べたい肉を頼んだが、誰もが食べても良い。デザートを食べている咲子や真央が箸を出しても平気だ。

 一気に皿から網に肉を広げて、焼けた肉から片っ端にライスと食べて、キムチを食べ、わかめスープを飲んで、空いた網に肉を広げてを繰り返す……
 これが本来の焼肉だと感じる。自分好みの焼き加減は確かに有るけど、みんなで食べる物は、みんなで楽しく食べたいと感じる俺だ。

 母さんと勝負している訳では無いが、肉を取り合うバトルみたいな状態に成る。それだけ、お互い焼肉が好きなので有る。
 テーブルの上に有った、肉の皿は全て空皿と成り、網の上の肉も無くなって、焼肉は終了で有る。

 デザートの焼き芋アイスを母さんは楽しんでいるが、俺はデザートを頼んでいないので、みんなの分のお冷やとおしぼりを、その間に取りに行こうと考える。

「お冷やとおしぼりを持ってくるよ」

「あっ、じゃあ、私も手伝う~」

 咲子に手伝って貰い、みんなの分のお冷やとおしぼりを持って来る。
 焼肉の余韻よいんをしばらく楽しんだ後は、お会計をする前にタクシーを呼んで置いて、タクシーが到着したらお会計をして、タクシーに乗って店を後にする……

 お会計時のレジの金額を見たが、やはりと言うか福沢さんが、1枚レジに向かって羽ばたいて、野口さんもかなりの枚数がレジに羽ばたいていった……

 こうして、焼肉晩餐会は無事終わりを告げた……
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