432 / 434
【R-15】稀子編 第2章
第430話 新天地での俺と稀子の生活
しおりを挟む
……
俺は全くの未経験者では無いので、1日が終わる頃には、子ども達大体の顔を憶える事は出来た。
名前はまだこれからで有るが、先ずは顔を覚える事が大事だ!
子ども達も素直に俺を受け入れてくれて、所長も『やはり経験者だけ有るね!』と、俺を褒めてくれた!
この学童保育所に通う、子ども達は20数人程度なので、最大4人の学童保育指導員は過剰過ぎるぐらいで有った。
都市部の学童保育施設では、十数人の子ども達を一人の学童保育指導員で見るそうだから、それと比較すれば、この学童保育所は学童保育指導員の配置が多い。
俺をクビにした学童保育施設は、40人程度の規模で有ったが、配置される学童保育指導員の数は3~4人で有った。
きっとだと思うが……これは、幸村さんが絡むコネ採用だろう!
そのお陰で、俺は学童保育指導員に再度就けたが、内心は少し複雑で有った///
☆
俺の、学童保育指導員生活は順調に過ぎていき、季節はあっという間に過ぎていく……
覚える事も勿論多いが、俺はこの仕事にやりがいを感じ、同時に誇りを感じていた。
学童保育所に通う子ども達の人数も多くないし、学童保育指導員の配置も過剰で有るぐらいだから、俺に大きな問題が起こる事は少なく、俺は順調に成長して行く。
……
この学童保育所での仕事にも完全慣れ、今では一人でも学童保育所の仕事が出来るように成った頃。稀子が大学を無事に卒業する。
俺が学童保育指導員生活を始めて、何時の間にか、約2年の時を迎えようとしていた。
稀子は俺と同棲をしながら大学に通い、大学の合間には、実家農業の手伝いをしていた。
大学を卒業した稀子の進路は、大学院への進学や就職では無く、実家農業を手伝う道を選び、大学卒業後は実家農業の手伝いをしながら、俺と同棲している。
だが、作物の収穫・調製作業だけでは収まらず、稀子は女性なのにトラクターも運転し始め、本格的な農業を始め出す!
稀子の性格上。体を動かす事が大好きなので、農業が体に合っているのだろう。
俺はこれに対し、強く反対が出来なかった。
稀子の中ではあくまで『実家の手伝い』と、言い切られてしまったからだ…///
稀子が本格的に農業を目指し始めたので、俺の中では誤算が生じる!///
今年の冬を目途に、俺は稀子と入籍しようと考えていたが、稀子の方は『比叡君と結婚すると、間違いなく“お母さん”にさせられるから、もう少し後ね♪』と、笑顔で拒否してきた!?
稀子が実家農業をマスターするまでは、お母さんには成りたく無いらしい!
稀子は最早実家の手伝いでは無く、家族経営の一人に成っていた。
俺としては1日でも早く、青柳家に家族を誕生させたいと考えているが、まだそれは当面先の話で有った……
☆
それから、しばらくの時が経ち、俺の学童保育指導員生活も3年目に突入する頃……
俺の勤める学童保育所で、所長で有る中年女性が3月31日で定年退職する。
翌日と成る4月1日からの新所長は、俺が入所する以前から居た、正規指導員(職員)の女性が新所長と成る。
これは、この市町村の学童保育施設を纏める“上”が決めた事で有るので、俺はそれを黙って受け入れるしか無い。
俺のポジションは変わらないけど、新年度から所長を除く正規指導員は、俺だけと成る。
今後は正規指導員の新規・中途採用は行わず、パート指導員採用のみで対応すると新所長から言われる。
俺は本当に良いタイミングで、正規指導員に成れた。
もし、保育士試験が一発合格出来ず、この時期まで合格がずれ込んでいたら、幾ら幸村さんのコネを使っても、正規指導員での学童保育指導員には、成れていなかっただろう……
新所長体制に成ってからの学童保育所は、今までの“のんびり”した学童保育指導員生活から、忙しい学童保育指導員生活に変わる!
所長を除く正規指導員は俺しかいないから、報告書や行政に出す書類作成。助成金申請などの事務作業が一気に増える///
その分、残業代が増えるので生活の方は少し楽になるが、元々の賃金が安い為、大きな収入とは成らない……
稀子の方は順調で有り、春からは稀子祖母が管理していたナス圃場を譲り受け、ナスの栽培を一人で始めだした。
稀子祖母は今後、幸村さん達のサポートに回るそうだ。
稀子の方も農業で一人前に成れたが、一人前に成ってナス圃場を任されてしまったので、お母さんに成るどころでは無かった!///
……
俺は学童保育指導員。稀子は農業と……この辺りから、お互いの生活に距離が開き始める。
時間のすれ違いも起き、同棲生活を始めた頃と比べれば、俺と稀子が一緒に居る時間が大分減った。
農業に決まった休日は、農閑期以外には無いので、稀子は日曜日だろうが雨の日でもナス圃場に行く。
俺の方も休暇時は、稀子の農業手伝いをしたかったが、学童保育指導員のセミナーや、閉所日を使った所長との打ち合わせが有るので、どうしてもそちらを優先させるしか無かった……
俺は全くの未経験者では無いので、1日が終わる頃には、子ども達大体の顔を憶える事は出来た。
名前はまだこれからで有るが、先ずは顔を覚える事が大事だ!
子ども達も素直に俺を受け入れてくれて、所長も『やはり経験者だけ有るね!』と、俺を褒めてくれた!
この学童保育所に通う、子ども達は20数人程度なので、最大4人の学童保育指導員は過剰過ぎるぐらいで有った。
都市部の学童保育施設では、十数人の子ども達を一人の学童保育指導員で見るそうだから、それと比較すれば、この学童保育所は学童保育指導員の配置が多い。
俺をクビにした学童保育施設は、40人程度の規模で有ったが、配置される学童保育指導員の数は3~4人で有った。
きっとだと思うが……これは、幸村さんが絡むコネ採用だろう!
そのお陰で、俺は学童保育指導員に再度就けたが、内心は少し複雑で有った///
☆
俺の、学童保育指導員生活は順調に過ぎていき、季節はあっという間に過ぎていく……
覚える事も勿論多いが、俺はこの仕事にやりがいを感じ、同時に誇りを感じていた。
学童保育所に通う子ども達の人数も多くないし、学童保育指導員の配置も過剰で有るぐらいだから、俺に大きな問題が起こる事は少なく、俺は順調に成長して行く。
……
この学童保育所での仕事にも完全慣れ、今では一人でも学童保育所の仕事が出来るように成った頃。稀子が大学を無事に卒業する。
俺が学童保育指導員生活を始めて、何時の間にか、約2年の時を迎えようとしていた。
稀子は俺と同棲をしながら大学に通い、大学の合間には、実家農業の手伝いをしていた。
大学を卒業した稀子の進路は、大学院への進学や就職では無く、実家農業を手伝う道を選び、大学卒業後は実家農業の手伝いをしながら、俺と同棲している。
だが、作物の収穫・調製作業だけでは収まらず、稀子は女性なのにトラクターも運転し始め、本格的な農業を始め出す!
稀子の性格上。体を動かす事が大好きなので、農業が体に合っているのだろう。
俺はこれに対し、強く反対が出来なかった。
稀子の中ではあくまで『実家の手伝い』と、言い切られてしまったからだ…///
稀子が本格的に農業を目指し始めたので、俺の中では誤算が生じる!///
今年の冬を目途に、俺は稀子と入籍しようと考えていたが、稀子の方は『比叡君と結婚すると、間違いなく“お母さん”にさせられるから、もう少し後ね♪』と、笑顔で拒否してきた!?
稀子が実家農業をマスターするまでは、お母さんには成りたく無いらしい!
稀子は最早実家の手伝いでは無く、家族経営の一人に成っていた。
俺としては1日でも早く、青柳家に家族を誕生させたいと考えているが、まだそれは当面先の話で有った……
☆
それから、しばらくの時が経ち、俺の学童保育指導員生活も3年目に突入する頃……
俺の勤める学童保育所で、所長で有る中年女性が3月31日で定年退職する。
翌日と成る4月1日からの新所長は、俺が入所する以前から居た、正規指導員(職員)の女性が新所長と成る。
これは、この市町村の学童保育施設を纏める“上”が決めた事で有るので、俺はそれを黙って受け入れるしか無い。
俺のポジションは変わらないけど、新年度から所長を除く正規指導員は、俺だけと成る。
今後は正規指導員の新規・中途採用は行わず、パート指導員採用のみで対応すると新所長から言われる。
俺は本当に良いタイミングで、正規指導員に成れた。
もし、保育士試験が一発合格出来ず、この時期まで合格がずれ込んでいたら、幾ら幸村さんのコネを使っても、正規指導員での学童保育指導員には、成れていなかっただろう……
新所長体制に成ってからの学童保育所は、今までの“のんびり”した学童保育指導員生活から、忙しい学童保育指導員生活に変わる!
所長を除く正規指導員は俺しかいないから、報告書や行政に出す書類作成。助成金申請などの事務作業が一気に増える///
その分、残業代が増えるので生活の方は少し楽になるが、元々の賃金が安い為、大きな収入とは成らない……
稀子の方は順調で有り、春からは稀子祖母が管理していたナス圃場を譲り受け、ナスの栽培を一人で始めだした。
稀子祖母は今後、幸村さん達のサポートに回るそうだ。
稀子の方も農業で一人前に成れたが、一人前に成ってナス圃場を任されてしまったので、お母さんに成るどころでは無かった!///
……
俺は学童保育指導員。稀子は農業と……この辺りから、お互いの生活に距離が開き始める。
時間のすれ違いも起き、同棲生活を始めた頃と比べれば、俺と稀子が一緒に居る時間が大分減った。
農業に決まった休日は、農閑期以外には無いので、稀子は日曜日だろうが雨の日でもナス圃場に行く。
俺の方も休暇時は、稀子の農業手伝いをしたかったが、学童保育指導員のセミナーや、閉所日を使った所長との打ち合わせが有るので、どうしてもそちらを優先させるしか無かった……
0
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説


俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜
ラヴ KAZU
恋愛
二年間付き合った恋人に振られた亜紀は傷心旅行でニューヨークへ旅立つ。
そこで東條ホールディングス社長東條理樹にはじめてを捧げてしまう。結婚を約束するも日本に戻ると連絡を貰えず、会社へ乗り込むも、
理樹は亜紀の父親の会社を倒産に追い込んだ東條財閥東條理三郎の息子だった。
しかも理樹には婚約者がいたのである。
全てを捧げた相手の真実を知り翻弄される亜紀。
二人は結婚出来るのであろうか。

まずはお嫁さんからお願いします。
桜庭かなめ
恋愛
高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。
4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。
総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。
いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。
デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!
※特別編3が完結しました!(2024.8.29)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想をお待ちしております。

できれば穏便に修道院生活へ移行したいのです
新条 カイ
恋愛
ここは魔法…魔術がある世界。魔力持ちが優位な世界。そんな世界に日本から転生した私だったけれど…魔力持ちではなかった。
それでも、貴族の次女として生まれたから、なんとかなると思っていたのに…逆に、悲惨な将来になる可能性があるですって!?貴族の妾!?嫌よそんなもの。それなら、女の幸せより、悠々自適…かはわからないけれど、修道院での生活がいいに決まってる、はず?
将来の夢は修道院での生活!と、息巻いていたのに、あれ。なんで婚約を申し込まれてるの!?え、第二王子様の護衛騎士様!?接点どこ!?
婚約から逃れたい元日本人、現貴族のお嬢様の、逃れられない恋模様をお送りします。
■■両翼の守り人のヒロイン側の話です。乳母兄弟のあいつが暴走してとんでもない方向にいくので、ストッパーとしてヒロイン側をちょいちょい設定やら会話文書いてたら、なんかこれもUPできそう。と…いう事で、UPしました。よろしくお願いします。(ストッパーになれればいいなぁ…)
■■
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。


社長室の蜜月
ゆる
恋愛
内容紹介:
若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。
一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。
仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。

【完】夫に売られて、売られた先の旦那様に溺愛されています。
112
恋愛
夫に売られた。他所に女を作り、売人から受け取った銀貨の入った小袋を懐に入れて、出ていった。呆気ない別れだった。
ローズ・クローは、元々公爵令嬢だった。夫、だった人物は男爵の三男。到底釣合うはずがなく、手に手を取って家を出た。いわゆる駆け落ち婚だった。
ローズは夫を信じ切っていた。金が尽き、宝石を差し出しても、夫は自分を愛していると信じて疑わなかった。
※完結しました。ありがとうございました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる