偶然出会った少女にお願い事をされたから、受け入れる事にしたら人生が変わった!

小春かぜね

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【R-15】稀子編 第2章

第428話 始まる同棲生活!

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 ……

 幸村さんの運転する車は、無事に稀子実家へ到着する。
 俺と稀子の荷物を積んだ引っ越しトラックは、明日到着予定なので、今晩は稀子実家でお世話に成る。

 稀子実家は俺にとって、自分の実家で有るように感じていた。
 幸村さんは山本さんほど怖くないし(?)、楓さんに至っては実の母親のように甘やかしてくれる。
 稀子の祖母も、俺を孫のように可愛がってくれる。

 俺は父親とは、たまに電話連絡を取っているが、母親は俺と完全に縁を切ったらしいので、あの時以降から実家には帰っていない。
 なので、俺の実家は実質。稀子実家で有る!

 俺は何時も通りの客間に案内され、稀子は自室が有るので自室に一旦戻る。
 その日の晩は、俺の歓迎と稀子の帰着を祝う、楓さんからの“もてなし”料理が振る舞われて、俺は楽しい夜を過ごした!

 翌日……

 朝食を稀子実家で摂った後。俺と稀子は新居に向かい、部屋の掃除をする。
 住処の清掃は入居前に業者を使ってしたらしいが、それでも俺と稀子は、愛の巣作りの為に念入り掃除をする!

 午前中に問題無く、荷物を積んだ引っ越しトラックが到着するので、俺と稀子は荷物を受け取り、手分けをして新しい住処に荷物を広げて行く。
 今度の家も木造住宅で有り、元は農家の家で有った為、土間なども有り、稀子実家とさほど変わらない感じがする。

 だが、この家は平屋建てで有るので部屋数が少なく、俺と稀子の個人部屋を作る事は厳しかった。
 居間と寝室。客間で部屋割りをすると、もう部屋は無く成ってしまう!///

 客間の設定何て必要ないと俺は思うが、稀子が『りんちゃんが遊びに来た時に、客間が無いと鈴ちゃんの居場所が無いよ!』と、稀子が困った微笑み表情で言ったので、客間の設定をする。

 そのため。俺と稀子の私物は、寝室や居間に置かれる事と成る。
 白物家電類は既に配置済みで有るし、俺と稀子の私物もたくさん有る訳では無いので、数時間も有れば大体の引っ越しは片付く……

 引っ越しの片づけが終わった所で、俺は稀子と居間でお茶休憩にする。
 今までお茶と言えば、鈴音さんが淹れたのを中心に俺は飲んでいたが、もう鈴音さんは側にいない。

 稀子の淹れるお茶も悪くないが、鈴音さんと比べると少し味は落ちる。
 稀子も、鈴音さんの真似をしてお茶を淹れているようだが、飲み比べると鈴音さんの方が美味しい……

 今日のお茶は緑茶で有り、袋菓子で有るがお茶請けも用意する。
 稀子は緑茶を一飲みしてから、和やかな表情で俺に話し始める。

「比叡君!」
「始まったね。同棲生活♪」

「だね。稀子!」
「今までも、半分は同棲生活の様な物で有ったがな!」

 俺も、和やかな表情で稀子に話す。
 俺は一昨日までアパートに住んでいたが、稀子の下宿先で有った、山本さんの家とは近所なので、稀子は足繁あししげく俺の家へ通っていた。

「ところで比叡君!」
「今晩は、何が食べたい?♪」

「今日は同棲記念日として、比叡君のリクエストに応えるよ!♪」

 稀子は笑顔で俺に話す。
 晩ご飯のリクエストか……

(だが、一昨日のお別れパーティで、唐揚げやクリームシチュー。サンドイッチなどは食べてしまっているからな…)
(昨夜も、楓さんの豪華和食料理食べているから、これぞと言う食べたい物が出てこない…)

 俺は心の中で感じるが、聞かれた以上は何かリクエストを言わなければ成らない。
 その時。俺はとある食べ物が思い浮かんだので、俺はそれを和やかな表情で稀子に話す。

「稀子!」
「今晩はカレーが、食べたい気分だな!」

「カレー?」
「カレーか……」

 だが、稀子の反応は鈍く、澄ました表情で呟く。
 すると稀子は、困った微笑み表情で俺に話し始める。

「比叡君…。カレーも悪くないけど、お好み焼きなんかどうかな?」
「比叡君に聞いといて、私が言うのもアレだけど…///」

「稀子!」
「俺は別に、お好み焼きでも良いよ!!」

 俺は和やかな表情で、稀子に話す。
 俺の中ではカレーでも、お好み焼きでも、どっちでも良いからだ。

「そう!」
「なら、お好み焼きに決定だ!♪」

 嬉しそうな表情で言う稀子。
 俺は稀子の表情を見ながら、少しぬるくなった緑茶を飲んだ。

 ……

 同棲初日の晩ご飯は、お好み焼きに決まり、稀子と一緒に市街地へ、幸村さんの軽トラを借りてスーパーに買い物に行く。
 スーパーでお好み焼きの材料を揃えて、俺と稀子は軽トラで帰路に就いた……
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