偶然出会った少女にお願い事をされたから、受け入れる事にしたら人生が変わった!

小春かぜね

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【R-15】稀子編 第2章

第426話 体裁を整える

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「……」

「……」

 俺と稀子はもはや、呆れ返るしか無かった。
 この状況では、話し合いのテーブルに着くことさえ出来ない。
 それを見かねた俺の父親が、稀子に困った表情で話し始める。

「…真庭さんだったかな?」
「家内の言う言葉は、気にしないでくれ…」

「比叡をよろしく頼むよ…。真庭さん」

『ぺこり』

 稀子への言葉の後。父親は稀子に頭を下げる。
 父親だけは、俺と稀子との交際を容認した感じだ。

(俺の親父は基本。事なかれ主義だからな…)
(けど、俺の家は母親独裁主義で有るから、この母親から許しを貰わないと、幸村さんや楓さんも今後の付き合いに困るだろう…)

 俺が次の言葉を考える中。稀子は母親に向けて、真面目な表情で話し始めた。

「比叡君のお母さん!」
「私は、比叡君のお母さんから反対をされても、比叡君とは付き合い続けますから!!」

「…………」

 稀子の言葉で、顔をしかめる母親。
 すると、母親は急に諦めた表情へ変わり、俺に言い始める。

「……比叡」
「私は、あんたの人生なんてどうでも良いが、私は忠告をした!」

「私はこれで、比叡との縁を正式に切るよ!」
「もう……用が済んだのだから、帰ってくれないかな?」


 母親は俺に静かに言い終えると、玄関から宅内へそのまま戻って行く。
 俺は、それを引き留めない。

 縁が切られたら、それはそれで仕方ない事だ。
 父親は、母親が宅内に完全へ戻ったのを確認してから、俺に困った表情で話し始める。

「たっく、あいつは…」
「比叡。真庭さん。取り合えず、玄関内に入りなさい」

 俺と稀子は此処でやっと、玄関内に入る。
 今まではずっと、玄関の外で話をしていた。

 自分の実家で有るのに!?
 なので、今までの会話は全て、近所に筒抜けで有る!!///

 俺と稀子は玄関内に入ったのを確認してから、父親は困った表情で俺に話し始める。

「比叡…。あいつは交際を反対しているが、わしは比叡と真庭さんのと交際を反対しない…」
「だが、あいつが反対している以上。こちらからの支援や期待はしないでくれ!」

「親父…。俺としても、両親からの支援や当てを期待していないよ」
「生活の方は全く問題無いし、稀子達のお陰で保育士の資格も取得出来たし、勤め先に関しても稀子の両親が支援してくれるから、何も問題は無いよ…」

 俺は、澄ました表情で父親に話す。
 俺の言葉の後。稀子が穏やかな表情で父親に話し始める。

「比叡君のお父さん!」
「改めましてですが、真庭稀子と言います!!」
「比叡君とはずっと、仲良くして行きたいです!♪」

「……こちらとしても、比叡と仲良くして貰えると嬉しいです///」
「この先も、比叡と仲良くしてください。真庭さん…」

 父親は、穏やかな表情で稀子に話す。
 この後は、父親と玄関内で少し会話をしてから、俺と稀子は玄関から出る。

 母親は再度、玄関に現れる事は無かった……
 俺は手土産を持参していたが、その手土産の受け取りは父親から拒否された。

 理由は凄く簡単で、母親が俺の手土産を床にぶちまけるか、ごみ箱にダンクシュートするのが、父親や俺の中で、目に見えていたからで有る。
 捨てられるぐらいなら、持ち帰った方がいい。

 父親は最後『あいつはお前の事を見限ったかもしれんが、わしは見限ってないから、困ったことが有れば何時でも相談してくれ!』と、微笑みながら俺に言ってくれた。
 その時に、俺は父親と電話番号の交換をする。

 俺は父親に電話を架ける事なんて無かったし、家には大体母親が居るから、父親との電話番号交換はしていなかった。

 ……

 俺の実家から駅に戻る途中。稀子は残念そうな表情で、俺に話し掛けてくる。

「お母さんと、仲直り出来なくて残念だね。比叡君」

「……残念と言えば、残念だが、俺の母親は昔からこんな性格だし、一応親父は味方に付いたから、最低限の目的は達成出来たよ…」

 俺は、開き直った表情で稀子に話す。
 俺は実家からの援助は求めていないし、両親とも仲良くしたいとは思わない。

 俺は作り笑顔に成って、稀子に話し始める。

「…だが、稀子!」
「これで俺と稀子は、何時でも結婚が出来る状態に成ったな!!」
「俺の両親は最悪、結婚式に参加しないかも知れないが、それでも盛大な式にしような!!♪」

 俺と稀子の関係は、ほぼゴールイン直前で有る。
 後は無事に、稀子の実家が有る地域で、学童保育指導員に就けて、其処での生活が一段落したら……稀子と真に結ばれるだけで有る。
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