偶然出会った少女にお願い事をされたから、受け入れる事にしたら人生が変わった!

小春かぜね

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【R-15】稀子編 第2章

第408話 稀子と初ドライブ!? その2

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「比叡君!」
「これ、車の鍵ね!!」
「軽トラを借りられたから、これなら比叡君でも大丈夫だよね?♪」

「……」

 和やかな表情で俺に言う稀子で有るが、最後の文節は尋ねる表情で聞く。

(農家定番の軽トラが来たか!)
(アレなら多少擦っても、幸村から怒られるだけだし、軽トラだから扱いやすいと言えば扱いやすい)

(乗用車だと、擦りや凹みは厳禁だからな///)

 稀子との初ドライブは、軽トラでの初ドライブに成りそうだが、その軽トラに乗って稀子は何処へ案内させるのだろうか……

「比叡君。ちなみに軽トラはMT車だけど、比叡君の免許はAT限定では無いよね!」

 稀子は笑顔で聞いてくる。
 稀子の家の軽トラはMT車か!
 最近は、AT仕様の軽トラも有ると聞くが、MT車の方が使い勝手は良いと聞く。

「その点は大丈夫だよ。稀子!」
「俺の免許は、将来性を意識してMT車だから」

 俺は和やかな表情で稀子に言う。
 今の時代はAT限定でも全く問題ないのだが、男でAT限定を取得するのは、男らしくないと言われる!?

 ちなみに、稀子の免許もAT限定では無い。
 稀子の家は実家が農家で有るから、AT限定だと運転出来ない作業車が有るからの理由だ。

 俺は稀子と一緒に、軽トラが駐車して有る場所に向かう。
 軽トラの車体色は白色で有るが、農作業で使っている為、あちこちと汚れている。

(相手が稀子だから良いけど、これが鈴音さんだったら、絶対に難色を示すだろうな)
(あの人はお嬢様だから、きっと嫌がるよな…!)

 俺はそんな事を感じつつ、軽トラの運転席に乗り込み、稀子は助手席に乗り込む。

(カーオーディオも、シンプルにラジオのみか)
(当たり前だが、ETCは絶対に付いていないだろうな!)

 車内装飾品も軽トラだから、必要最低限の装備しか付いていない。
 カーオーディオも当然、標準装備品で有り、更に内蔵されているモノラルスピーカーで有る。

『キュル、キュル、―――ブオォン~~♪』

 俺はキースイッチを捻って、軽トラのエンジンを始動させる。今主流のボタン起動では無い。
 運転が出来る状態にしてから、俺は穏やかな表情で稀子に話し掛ける。

「稀子。稀子の案内に成るが……何処へ行くのだ?」

「比叡君!」
「最初は、キャンプ場に案内するよ!!」

「地区交流センターからまだ、道が続いているでしょ!」
「その道の終点が、キャンプ場に成るんだよ!!」

 稀子は和やかな表情で俺に答える。
 稀子の言うキャンプ場で、麓から来ている道は終点に成るのか。
 俺は理解した表情で、稀子に話し始める。

「この先に……キャンプ場が有るんだ!」
「こんな山深い場所だから、有っても不思議で無いね」

「そのキャンプ場は地元の人が経営しているし、私もその人とは顔なじみだから、見学だけなら無料タダでさせてくれるよ♪」

 稀子は笑顔で俺に言う。
 稀子ツアー。中編に成るのか後編に成るのかは知らないが、圃場見学の後はキャンプ場見学で有った。

 車を運転するのは久しぶりで有るが、アルバイト先の長井鉄工所で、俺はフォークリフトを運転する事も有るので、全くのペーパードライバーでは無い。(比叡はフォークリフトの特別教育を受けている)

 俺は静かにクラッチを踏み込み、軽トラを発進させた。
 アルバイト先のリフトもMT車で有るから、要領は同じだ……

 ……

 交通量の少ない道で有るが、山道の上り坂で有る為。時速は40km/hぐらいのスピードで、稀子の実家からキャンプ場に向かう。
 この車は借り物だし、古そうな軽トラで有るから安全装備も、最新の車と比べればに等しい。

 そして、その助手席には将来を誓い合っている、稀子が乗っているのだから、稀子を傷付ける訳にはいかない。

 俺の運転する軽トラは安全運転で、稀子の指示するキャンプ場に向かって行った。
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