偶然出会った少女にお願い事をされたから、受け入れる事にしたら人生が変わった!

小春かぜね

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【R-15】稀子編 第2章

第406話 稀子ツアー その3

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 稀子実家の、米を作付けしている圃場は当然。先ほどの大豆圃場と比べれば面積は狭いが、それでもかなりの面積は有った!
 けど、その圃場で収穫された米は、市場出荷はせずに自家消費(自分の家で食べる)するらしいが、豊作時は直売所や知人達に販売するらしい。

 稀子いわく『山本さんのお家で食べているご飯はくまいも、敢えて言わなかったけど、私の家が作ったお米なんだよ。比叡君♪』と、笑顔で言っていた。
 言われてみれば、山本さんの家に有る米袋は、ビニール袋に詰められた米では無く、30kg入りの紙袋だった気がする。

 稀子の父親で有る幸村さんが、稀子の下宿代代わりに“米”で支払っているのかと、勘ぐりたくなるが……余計な事は言わないでおこう!///

 ……

 稀子の祖母が、管理していると言われるナス圃場も、家庭菜園十倍以上の規模が有って、それを高齢と成る稀子祖母が管理していると言うのだから、この祖母も中々のパワフルな人で有る!
 稀子のパワフルさも、稀子祖母からの遺伝かも知れない?

 だが、ナスの繁忙期に関しては稀子の母親で有る、楓さんもナス圃場を手伝っているそうだ。
 楓さんは真庭家の嫁に成る関係上。あちこちと駆り出されてしまって、少し可愛そうな気もする……

「まぁ……私の家の圃場は、こんな感じかな♪」
「まだ他にも有るけど其処は現在、他の人に貸し出しているから、今日は案内しないね!」

 稀子は和やかな表情で俺に言う。
 まだ他の場所にも、稀子実家の保有する圃場が有るらしい!
 稀子の家は、とんでもない大地主で有ったんだな!!

(俺はその家の娘で有る、稀子と将来を誓い合っている訳で有るが、そうなると自然に……俺も、農業デビューをさせられる日が来るのか?)

 俺は心の中で感じるが、幸村さんや稀子も、俺に農業を“どうたらこうたら”を言って来てはいないが、いずれは言われる日も来るだろう?
 俺は一通り。稀子実家の圃場を見させて貰ったが、素直に凄いなと感じるしか無かった。

 そして、その大規模な圃場を三人で切り盛りさせるのだから、稀子一家で有る真庭家の人間は、優秀なのも気付かされた……
 稀子も、今はまだ“お子ちゃま”稀子で有るが、一皮剥ければ大物に成るかも知れない!?

 ☆

 稀子実家の圃場見学後は、一旦家に戻って小休止で有る。
 これで、稀子ツアーは終わりかと感じていたが、これからが実のメインらしい?
 小休止後は、車を使ってでの移動に成ると、稀子は笑顔で言っていた。

 稀子の地区は山間やまあいの場所に有るが、それでも夏の日差しは厳しく、俺はかなり汗をかいていた。
 稀子も汗をかいていたが、表情は余裕で有った。

 俺も普段はアルバイトをして、体力は付いていると感じていたが、こう言う場面に成ると運動不足を感じる。
 そのため、この小休止は俺にとっては嬉しかった。

 ……

 俺と稀子は稀子実家に戻ると、幸村さん達も農作業から戻って来ており、家の縁側で幸村さんと稀子祖母が、お茶を飲みながら休憩をしている。
 俺と稀子の姿を見た幸村さんが、和やかな表情で俺と稀子に声を掛けてくる。

「おっ、丁度良い所に戻って来たな。二人共!」
「今。お母さんが西瓜すいかを用意しているぞ!」

「わっ。西瓜!♪」
「流石、お母さん!!♪」

 西瓜と聞いて、はしゃぐ稀子。
 幸村さんは、その稀子の姿を見つつ、俺に和やかな表情で話し掛けてくる。

「……どうだった。比叡君!」
「俺の家の圃場見学は?」

 幸村さんも当然。稀子ツアーの事は知っているし、水稲(米)の圃場で幸村さん達と出会っている。
 俺は穏やかな表情で、幸村さんに話し始める。

「あっ……はい///」
「稀子の案内で見させて貰いましたが、凄く広かったです…!」

「……そうか!」
「それが、比叡君の感想か!」

 幸村さんは、しばらくの間の後。和やかな表情で言う。
 期待した内容と違っていたのだろうか?
 幸村さんは、その表情で言葉を続ける。

「見ての通り。俺の家は専業農家で有るが、その跡継ぎと成るのは娘の稀子しかいない」
「……比叡君にも、いずれは作業を手伝って貰う日が来るだろうが、まぁ……今は稀子の想いを叶える為に、がんばってくれ!」

 俺の予想通りも変だが、幸村さんと楓さんの間には、稀子しかいない。
 その一人娘の相手が俺に成るのだから、どう見ても分かりきっていた事で有る。

 俺は穏やかな表情で、幸村さんに話し始めた……
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