偶然出会った少女にお願い事をされたから、受け入れる事にしたら人生が変わった!

小春かぜね

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【R-15】稀子編 第2章

第399話 稀子の両親に逢う その3

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 ……

 俺は稀子が呼びに来るまでの間。カバンから荷物を取り出し、身の回り整頓を始める。
 歯ブラシやハンドタオル。スマートフォンの充電器など、この滞在生活で必要だと思われる物は事前に取り出しておく。

 身の回り整頓を終えたタイミングで、都合良く稀子が、俺の部屋で有る客間に来る。
 稀子は笑顔で、俺に声を掛けるが……

「比叡君。お待たせ!」
「呼びに来たよ♪」

「……」

 稀子は実家に戻ったので普段着に着替えたのだが、その姿は半袖Tシャツ、ハーフパンツと、完全なる寛ぎモードの姿で有った!
 俺への自己紹介を忘れているだろう……稀子!

 俺は客に成るが、稀子は自分の家で有る。
 俺は心の中で軽い溜め息を吐いてから、稀子に穏やかな表情で話し始める。

「……じゃあ、案内を頼むよ」
「稀子…!」

 俺は稀子に連れられて、客間から稀子父親が居る場所へ移動する。
 稀子は閉じられている部屋の扉を開けて、陽気な声を掛けながら入っていく。

『ガラッ』

「ただいま。お父さん!」

 俺も稀子に続いて、一緒に部屋へ入っていく。
 その場所は雰囲気的に居間と成るのだろうが、リフォームされていて現代風のリビングと成っている。

 室内は……稀子父親と、稀子祖母の姿は見えるが、稀子母親で有る楓さんの姿は見えない?
 楓さんは台所で、お茶の用意でもしているだろうか?

 リビング(居間)のソファーに座っている稀子父親が、稀子に向けて話し始める中。俺はリビングの扉を閉める。

『ピシャ』

「……お帰り。稀子!」
「向こうは暑かっただろう……短い期間に成ると思うが、ゆっくりして行きなさい」

「ありがとう。お父さん♪」

 稀子父親は、穏やかな表情で稀子に話している。
 稀子は嬉しそうな表情で、稀子父親と話している。

 表情を見る限りでは、稀子父親は優しそうな感じがする人でも有るが……何となく、山本さんと似ている感じもする?
 稀子のへの言葉の後。稀子父親は穏やかな表情で、俺に話し始める。

「えっと……青柳比叡君だよね!」

「稀子の父親で有る、真庭幸村まにわゆきむらです」
「稀子が比叡君と、関係を深めているそうで……」

 稀子父親で有る幸村さんは、穏やかな表情と落ち着いた口調で話すが、やはり俺への敵意を隠し切れていない感じがする。
 俺は山本さんを見ているから分かるが、この人(幸村)は俺の事をまだ受け入れていない!

 だが俺は、改まった表情で幸村さんへ挨拶を始める。

「初めまして、稀子のお父さん!///」
「名前の通り…、青柳比叡です!!」
「今回は稀子さんのお供で、お邪魔させて頂いています!///」

『ペコリ』

(さぁ……この後、どの様な展開が来る?)
(トレンディードラマの世界感に、灰皿や拳が飛んで来るか!?)

「……」

 幸村さんは『うん、うん』と頷きながら、俺を穏やかな表情で見ていると言うか観察している。
 けど、幸村さんが俺に話し始める前に、稀子祖母が俺に向けて和やかな表情で話し始める。

「……あんたが、稀子と付き合っている男か!」

(……男。年代を感じるな……)

「はい!///」
「稀子と関係を深めさせて貰っています、青柳比叡と申します!///」
「稀子のおばあさま」

「そうか、そうか!」
「あの“おてんば”孫娘にも、男がやっと出来たか!♪」
「……良かったな。幸村!」

「あっ、はい…///」
「お袋……///」

 俺は稀子祖母に向けて話すが、幸村さんほど緊張せずに話せる。
 稀子祖母は、俺と稀子との関係を和やかな表情で祝福してくれて、更に幸村さんまで話を振り、幸村さんを困惑させる。

(幸村さんが稀子祖母を『お袋』と、呼んでいたから実母なんだな…)
(そして、幸村さんはどう、俺に返してくるんだ?)
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