偶然出会った少女にお願い事をされたから、受け入れる事にしたら人生が変わった!

小春かぜね

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【R-15】稀子編 第2章

第396話 稀子の実家に行く その4

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『ブロロ―――♪』

 俺と稀子を乗せているコミュニティバスは、一つの山を山道で越えると……集落(地区)が見えてくる。
 盆地のようで有り、結構大きそうな集落で有る。

「……」

「~~~♪」

 これが、稀子の地区かと俺は一瞬思ってしまうが、時間で言えばまだ乗車してから10分しか経っていない。
 稀子は何も反応示さす、和やかな表情で外の景色を見ているのだから、稀子への地区はまだまだなんだろう……

 ……

 俺と稀子を乗せているコミュニティバスは、ドンドンと山の奥に向かって道を進んで行く……
 この道は県道らしいが“険道”では無く、片側一車線で整備された立派な県道で有る。

『○○です!』

「……」

 バスはとある集落に到着して、バス運転手が到着と同時にマイクで言う。
 バスの乗客は降りる人ばかりであり、乗る人は誰一人居ない?

 俺はそれが不思議で稀子に聞いてみると『この先は何も無いからね♪』と、笑顔で答えた!
 稀子の地区(集落)は、どれだけの奥地に有るのだ!!///

 そして、さっきの集落で俺と稀子以外の人は降りてしまったので、現在は俺と稀子。バス運転手以外は乗っていない。
 バスは出発して、稀子の地区に向けて走り始める。

「後もう少しだよ。比叡君!」

 稀子は笑顔で俺に声を掛ける。
 稀子は実家に帰れて嬉しいかも知れないが、俺にとっては何かの修行に行く気分にも成ってしまう!

『ブロロ―――♪』

 バスは結構な勾配を登っていくと、此処でやっとも変だがトンネルが現れる。
 また、山を一つ越えるようだ……

 トンネルを抜けた先も山道が続いているが、道路左側には河川公園を案内する道路標識を俺は見付ける。

(……こんな山奥に、河川公園なんぞ作って誰が来るんだ!?)
(こんな事ばっかりやっているから、公共事業は税金の無駄遣いと言われるんだよ!!)

 トンネルは必要だろうけど、こんな辺鄙へんぴな場所に河川公園は不必要だと俺は感じる。
『地域向けの公園!』だと、きっと行政は言うだろうが、麓の人がこの河川公園まではきっと来ないと思うし、集落向けと言っても限界集落に近い集落の人達が、この河川公園で遊んだりするとは思えない……

(これを稀子に言っても、稀子は何も感じ無いと思うから、俺の心の中で留めておこう!)

 山道から再び、道の先に集落が見えてくるが……時間的に、これが稀子実家が有る地区で有り、同時にバスの終着点になる。
 バス前方上部の案内板には『地区交流センター 終点!』と表示されている。

『プッシューー』

『地区交流センター。終点です!』

 俺と稀子を乗せたコミュニティバスは、バス終点で有る地区交流センターに到着する。
 バス運転手も、俺と稀子が乗車しているからマイクで言う。

 俺と稀子はコミュニティバスから降り、俺は周りの景色を見始める。

「……」

(此処が……稀子の実家が有る地区か)
(自然豊かな場所と言いたいが、物の見事な集落だな!)

「どう! 比叡君!!」
「私の地区。第一印象は?♪」

 稀子は笑顔で、俺に聞いてくる!
 聞いて来るのは勝手だが、どう答えろと言うのだよ!///

 幾ら、俺は稀子と恋人関係で有っても『見事なド田舎だね!』と俺が言ったら、流石の稀子も切れるだろう!///

「……自然豊かな場所だね!///(汗)」
「稀子が以前、言っていた通りだよ…///」

 俺は当たり障りの無い言葉を、困った笑顔で稀子に言う。
 稀子は笑顔で、俺に言い始める。

「そう! な~んもない!!」
「でも、それが良いんだよ。比叡君!!」

「ところで稀子……このバス停の名前に成っている、地区交流センターとは何だ?」

 俺は尋ねる表情で稀子に聞く。
 ログハウスを意識したような、りっぱな建物がこんな田舎に建っている!

 床面積も結構広そうな感じで有り、何を交流するセンターなんだろうか?
 これもまた……税金無駄遣い施設か!?
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