偶然出会った少女にお願い事をされたから、受け入れる事にしたら人生が変わった!

小春かぜね

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【R-15】稀子編 第2章

第395話 稀子の実家に行く その3

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「~~~」

 稀子は和やかな表情で、コミュニティバスのバス時刻表を見ている。
 コミュニティバスも幾つかの系統が、このバスセンターから出ているようで有る。
 バス時刻表を見終えた稀子は、和やかな表情で俺に声を掛けてくる。

「比叡君!」
「私の地域へ向かうバスは、11時50分に出るって!♪」

「11時50分か…!」
「大分待つ感じだね!」

 今の時刻は、11時を過ぎた時刻で有る。
 俺と稀子が10時過ぎに波津音市はずねしを出発し、今まで順調に来られていたが、此処で大幅な待ち時間が発生する。
 都市部なら、有り得ない待ち時間で有る!

「私の地域は、そんなに人が多く住んで居ないからね!」
「仕方ないよ。比叡君!!♪」

 大幅な待ち時間が発生する割には『けろり』の表情で言う稀子!
 稀子の中では、これが当たり前の表情で有った!!

(40分近くの待ち時間なのに、よく平気だな稀子…)
(この辺りでは、これ位の待ち時間が当たり前なのかも知れないな…)

 俺が心の中で感じていると、稀子は笑顔で声を掛けてくる。

「比叡君!」
「少し早いけど、この道の駅でお昼ご飯にしようか!!♪」
「これだけの待ち時間が有れば、十分に食べられるしさ!!!♪」

「……昼食か」
「そうだね…!」

 俺は納得した表情で呟いた後。道の駅に有る食事処で、少し早い昼食を摂る。
 時間的に稀子実家で、俺は昼食を摂る物ばかりだと感じていたが、そうで無かったようだ……

 ……

 店内は、まだお昼前の事も有り、俺と稀子が本日第1号のお客さんで有った。
 俺はカツ丼大盛り(味噌汁付き)を頼み、稀子は唐揚げ定食を頼んでいた。

 この食事処の味に関しては、普通の味と言えば良いだろう。
 カツ丼も卵でとじられた定番カツ丼で有り、稀子の唐揚げ定食も普通の定食で有った。

「~~~♪」

 稀子も美味しそうに食べていたので、味の問題は無かったのだろう?
 道の駅の食事処で、昼食と軽い食休みを取った後。俺と稀子は食事処を出てバスセンターに戻り、稀子の地区へ向かうバスを待つ。

「~~~♪」

 稀子は実家に帰れる事が余程嬉しいのか、さっきから笑みが溢れている。
 俺は実家に帰る時は喜びより、憂鬱の方が大きかったが、稀子はそうで無いようだ。

 ……

 稀子の地区に向かうバスがバス停に到着するが、コミュニティバスだけ有って、バスは普通のバスでは無くマイクロバスで有った。
 だがちゃんと『路線バス』と、マイクロバス側面には表示されている。

 このコミュニティバスは前払いらしく、バス前面から乗車して、その時に乗車料金を支払う。
 コミュニティバスだけ有って料金は均一料金らしく、そして稀子実家が有る地区で、バスも終点となるそうだ。

 だが、バス前面の案内表示部分には地区名では無く『地区交流センター』と表示されている。
 名前からして、何かの公共施設なんだろう。

(地区交流センター……公民館のような場所か…?)

『プァン!』

『ブロロ―――♪』

 定刻と成りバスは、バスセンターを発車する。
 バス乗客は俺と稀子を含めた数人で有り、本来の路線バスで有ったら多分大赤字だろう。

 コミュニティバスであるマイクロバスは、バスセンター(道の駅)を出ると早速、山の方へ向かって走り始める。

『ブロロ―――♪』

「ねぇ…。稀子」
「ここから、どれぐらいで稀子の地区へ到着するの?」

「到着時間…?」
「今日はお客さんが殆ど居ないし天気も良いから、約30分位かな?」
「これが満員状態だったり、悪天候となるともっと掛かるよ!♪」

「えっ!?」
「まだ、そんなに掛かるの!?」

 俺が尋ねる表情で稀子に聞くと、稀子は笑顔で答えてくれるが、まだバスで30分も掛かる事に俺は驚いてしまう!
 バスを2本乗り継ぎしたのに、まだそんなに距離が残っているとは……

「~~~♪」

 稀子は窓側の席に座っており、笑顔で外の風景を眺めている。
 実家に帰ったらの予定を、稀子は心の中で立てているのだろう……
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