偶然出会った少女にお願い事をされたから、受け入れる事にしたら人生が変わった!

小春かぜね

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【R-15】稀子編 第2章

第381話 学科試験から次への準備

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 ……

 2日目の学科試験も無事に終り、この学科試験に合格出来ていれば実技試験を受験出来る資格が発生するが、それが分かるのは今から約2か月後で有る。
 だが、学科試験が合格と分かった直ぐ翌月には実技試験が有るので、学科試験は合格の前提で、実技試験に向けての準備を進めて行かなければ成らない……

 俺は今まで通り、日中はアルバイトをしながら、夜は実技試験の練習と言いたいが、実技試験科目の中に有る素話すばなしは1人では練習がしにくいし、造形に関する練習も稀子の協力が必要で有った。

 造形の練習位なら1人でも問題なく出来るのだが、1人だと集中出来ない部分も有るし、それに子ども代表の稀子顔が、イラストを描く時に必要で有った!?
 学科試験に落ちたのを前提なら、学科勉強も必須だが、学科は合格を前提している為、今までと比べれば平日の夜を中心にだが、生活に余裕が出来ていた……

 保育士の実技試験は、音楽・造形・言語に関する技術と三科目有るが、その内の二科目に合格すれば、めでたく保育士資格を取得出来る!!
 俺はその実技試験選択を、鈴音さんと稀子を中心に相談した所、造形と言語を選択する事に決まった。

 俺の本当の目的は保育所やこども園で働く事で無く、放課後児童支援員(学童保育)の仕事に就く事が目的で有る!
 学童保育の世界では、音楽を演奏や伴奏をする事はまず無い。

 基本概念は見守りだからだ。
 立場は先生では無く、指導者の立場に成るから先生の真似事をする事は少ない。

 それにピアノ練習をすると成るとまた、ピアノ設置の為に山本さんに頭を下げたり、鈴音さんにお願いする事に成るし、稀子の機嫌も損ねる事に成る!?
 このボロアパート(!?)では、当然音楽の練習なんか出来ないし、それをしたら近所から絶対に、苦情を言われるに決まっている!!

 造形・言語に関する技術練習なら、稀子の得意分野に成るし、鈴音さんもランドセル職人に向けた修行と言うか練習が始まっている……
 大学に進学した鈴音さんは約束通り、ランドセル販売や梱包の仕事から、製造補助を山本さんと一緒にしている。
 今は型抜きが中心らしいが、いずれは工業用ミシンで縫製もするのだろうか?

 それに鈴音さんは山本(孝明)さんと、将来を誓い合っている仲でも有る。
 俺と鈴音さんは恋人一歩手前の親友関係(!?)だが、これ以上の関係を深めると恐ろしい事が待ち構えているし、俺も稀子と将来を誓い合っている。
 そう言ったのを含めて、鈴音さんに過度のお願いは出来ない……

 ……

 保育士学科試験から、約1ヶ月が経ったある日……

 今日は週末で有り、午前中から俺の部屋アパートで、稀子と一緒に実技試験に向けた練習をしていた。
 俺は稀子から出されたお題の『素話』をしている。

「まて、まて~~!」
「…おむすびはコロコロ転がっていく―――」

 俺は口調の使い分け、手振り・身振りをしながら『おむすびころりん』の素話をしていて、それを稀子が面白そうな表情で見たり聞いている!!
 稀子に園児服を本当に着せたい位の表情で、俺の素話を聞いてくれる!?

 ……

「―――でした!」
「めでたし、めでたし……」

 俺が素話の『おむすびころりん』を終えると、稀子は笑顔で拍手をしてくれる!!

『パチ、パチ、パチ♪』

「良いよ~~。比叡君!!」
「今の状態なら、絶対保育士さんに成れるよ~♪」

「……ありがとう。稀子!//////」

 俺は恥ずかしい表情をしながら、稀子にお礼を言う。

「これだけ、お話しが出来れば素話の方は大丈夫だね♪」
「今度は、造形の練習をしようか♪」

 稀子は笑顔で言う。
 元々、実技試験に向けた練習は、かなり前から行って来ているので、練習を始めた時と比べれば、自分自身でも上達していると感じていた。

「そうだね…!」
「じゃあ、準備を始めるよ!!」

 俺は稀子に穏やかな口調で言って、造形の練習をする為に色鉛筆等を取りに向かう。
 稀子は子どもの様な性格だから、俺の練習にも喜んで付き合ってくれる!!
 大人に成る練習は……拒否されまくって居るけど//////

 この日は1日、稀子は実技試験の練習に付き合ってくれた。
 本当に良い彼女だ!!
 今でこそ、鈴音さんより稀子の方が良いと俺は感じていた……
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