偶然出会った少女にお願い事をされたから、受け入れる事にしたら人生が変わった!

小春かぜね

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【R-15】稀子編 第2章

第374話 玉せん

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(でも、そんな事を思ってもダメだな…)
(俺はそれでも稀子の事が好きだし、稀子も俺の事を思って動いていてくれる)
(押しが強いのは事実だが、俺の場合は尻に敷かれた方が良いタイプなのかも知れない!?)

 俺はそんな事を思いながら、もう1本の缶コーラを買い、稀子が待っている休憩所に向かった……

 ……

「では、いっただきまーす♪」

 稀子は元気な声で食事前の挨拶をして、焼きそば入りの玉せんにかじりついている。
 えびせんべいだけなら『パリッ』と言う軽い歯触りがするが、このせんべいにはソースやマヨネーズが塗って有るし、焼きそばだって水分が有る。
 えびせんべいがそれを吸って多少ふやけた状態に成るから、湿ったせんべいを食べている状態と良く似る。

「うん! 美味しい~~♪❤」
「まさにジャンクフードとジャンクフードの組み合わせだね♪」

 口の周りに付いたソースを、舌で舐めながら稀子は笑顔で食べている。
 子どもらしい可愛い笑顔で有る。

 その可愛い舌で俺のも……いかん、いかん、俺は新年早々何を考えている!?
 俺も稀子の笑顔を見つつ、自分の玉せんにかじりつく。

「もぐ、もぐ、―――」

(う~ん…。千切りキャベツの歯触りと、天かすの油分で美味しさは増すが、病み付きに成る味では無いな……)
(それに初詣の屋台で玉せんを食べる位なら、たこ焼きを普段食べているし……)

 俺はそんな事を思いながら自分の玉せんを食べていると、稀子が笑顔で聞いてくる。

「どう、比叡君?」
「美味しいでしょう~~♪」
「お手軽の値段で済むから、それが私の定番なんだよ~~♪♪」

「あっ、うん…。美味しいよ。稀子!///」

 俺の中では少し微妙な味だが、稀子がチョイスした物にケチを付ける訳には行かない!

「……ねぇ、比叡君!」
「比叡君のも少し食べさせて♪」

 稀子は笑顔で、俺の食べかけ玉せんを求めてきた!?
 この休憩場は人目から少し離れた場所に有るし、コンクリート製では有るが東屋あずまや風に成っているから、只のベンチと比べてプライバシーも有る程度は保たれているが……

(稀子は屋外なのに、平然と間接キスを求めてきた!)
(……何時もはこれを食べているそうだから、やっぱり気に成るんだな…)

「……俺のが気に成るの?」
「はい…!」

 これが食べ歩き状態なら俺は拒否しているだろうが、人目から離れている場所なので、俺は食べかけの玉せんを稀子に手渡す。
 カップルなら当然行われる儀式だ!?

「わ~い。ありがとう。比叡君!!」
「私のも食べて良いよ!♪」

 稀子は子どもの様な笑顔で、俺の玉せんを受け取りながら、稀子が食べていた玉せんを俺の方に差し出してきた!!
 稀子の表情からして『素』での行動で有る!?
 性行為は拒否する癖に、こう言った行為は無邪気の笑顔で平気にする!!

「あっ、ありがとう…稀子//////」

 俺が恥ずかしい表情をしながら、稀子の食べかけ玉せんを受け取るが、稀子は笑顔で俺の食べていた玉せんにかじりついていた!!

「うん! うん♪」
「定番の味だ~~。美味しい♪」

 稀子は笑顔で味の感想を述べている。
 ……俺も、稀子の食べていた焼きそば入り玉せんにかじりつく。
 初間接キスだ。稀子!//////

「もぐ、もぐ、―――」
「あっ……意外に合うね。変な組み合わせだと思っていたけど…!」

 俺が感想を言うと、稀子は笑顔で答えてくる。

「美味しいでしょ~~。比叡君♪」
「ソースだけのシンプルな焼きそばが、また合うんだよ~~♪」
「じゃあ、再び交換しようか♪」

 稀子は和やかな表情で言いながら、俺の本来食べていた玉せんを差し出してくる。
 ソース焼きそばの影響で、稀子の味は殆ど分からなかったが、間接キスタイムは終了で有る。

「これがまた、コーラと合うんだよね!」
「グビ、グビ、―――」

 稀子は笑顔でコーラを飲みながら、玉せんを楽しんでいる。
 俺の今年運勢は『末吉』ながらでも、元日から稀子の胸を合法的(!?)に触り、間接キスも出来た……
 運勢の割に、今年は意外に悪くないのかも!?
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