偶然出会った少女にお願い事をされたから、受け入れる事にしたら人生が変わった!

小春かぜね

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【R-15】稀子編 第2章

第370話 羽津音神社 その1

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 稀子案内の元。俺は羽津音はずね神社に向かっている。
 この辺りの地域(竜田)は市街地では無く、山の手地域で有る。
 神社が有る場所は此処から、徒歩で10分位だと稀子が言っていたが、丘の方向に有るらしく、今は坂道を登っている。

 辺鄙な所と言っては駄目だが、普段住んで居る町の中心部と比べて、この地域はかなり田舎感を感じる……
 稀子の実家が有る地域も、こんな感じなんだろうか?

 さっきアクシデントが有った俺達で有るが、稀子の機嫌はすっかり直っており、今は神社に出ているはずの、屋台の話をしながら歩いている。

「やっぱり、玉せんたませんは外せないよね~~♪」
「比叡君の奢りだし、今日はスペシャルにしようかな!♪」

 大判タイプのえびせんべいに、目玉焼きや薄焼き卵状のを乗せて、その上にソースやマヨネーズをかけて、それをえびせんべいで挟む食べ物。
 駄菓子な感じがするが、俺の中では駄菓子の感じはしない?

 玉せん値段も、目玉焼き程度ならそう高くないが、チーズやロースハムを屋台に依っては挟む事も出来るし、強者はたこ焼きまで、挟む事が出来る店が有るらしい!?
 けど、オプションを付け加えると値段も一気に上がって、500円近くやそれ上回るだろう……

 見かけはボリュームが有るが、ノーマルで食べた場合は意外に満足感が少ない。
 2枚有ってもえびせんべいは薄いし、卵も1個だからで有る。
 言うまでも無く稀子の事だから、“たません”だけでは終らないはずだ。

 稀子の機嫌が直って俺は嬉しいが、今度は財布が泣きそうに成る俺で有った……
 お金は十分に持って来ているが、稀子は食べる事が好きで有るし、屋台の食べ物も安くない。
 でも、稀子の胸を触れたし、これはその料金だと思う事にしよう!?

 ……

 俺と稀子は、羽津音神社に到着する。
 この神社は出入り口が2カ所有るらしく、俺と稀子が来たルートは徒歩向けのルートだと、稀子が言っていた。
 こっちには駐車場が無いが、もう1カ所の方には駐車場が有るらしい。

 2人で神社の鳥居をくぐり、手を清めてから本殿に向かう。
 本殿に近付くに連れて、人(参拝客)は段々と増えていく……

(結構混んでいるな……」)
(正月だから、当たり前か!!)

 神社の本殿には、特設の賽銭コーナーが設けられており、その本殿で今年の願を掛けるだが、言うまでも無くかなりの行列が出来ていた。
 俺と稀子は、その行列の後ろに並んで、歩きながら順番を待つ……
 神様に願掛けする内容はもう、俺は決まっているが、稀子は何をお願いするのだろう?

「稀子はもう、願い事は決まっているのか?」

 隣に並んでいる稀子に、俺は聞いて見る。
 直ぐに稀子は、和やかな表情で返事をしてくる。

「うん。決まっているよ。比叡君♪」
「でも、今は教えられない~~!!」

「うん…。決まっているなら良いや。稀子!!」
「周りに、態々言う必要も無いもんな!!」

 稀子が何を願掛けるかは知らないが、この人混みの中で言う必要も無い。
『世界が平和に成りますように……』とかの内容だったら微笑ましいが『りんちゃんが山本さんと別れますように!!』とか内容だと、聞かれては良くない内容で有る!?

 神様が叶える・叶えないは別にして、願を掛ける内容は私利私欲が多いはずだ。
 みんな、願望や欲望をお願い事する。

 俺も、保育士資格取得は希望と言うより願望だ!
 願いで必ず叶う訳では無いだろうが、しないよりかは遙かにマシで有る。

 並び初めて5分位で、俺と稀子に参拝をする順番がやって来る。
 俺は大きな願掛けをするから、500円玉を賽銭コーナーに投げてお願い事をする……

(羽津音神社の神様…)
(無事に保育士資格取得を出来まして、よい1年に成りますように……)

 保育士資格取得が叶う事を、俺は願掛けする。
 俺の隣で、稀子も目を瞑りながら神様にお願い事をしている。

「……」

 俺は願い事を言い終えたが、稀子はまだ願い事をしている。
 俺は稀子の願い事が終るまで隣で待つ。

 稀子もお願い事が終り、俺の方に顔を向けたので本殿から2人で離れる。
 この後は、お守りを授かって、おみくじを引いて、後は屋台の食べ物を楽しむ流れと成っていた。
 これは竜田のバス停から、この神社に来るまでの間に稀子と打ち合わせた。

 此処からが、初詣本来の楽しみと言えるだろう!!
 おみくじは大吉が引けるかな!?
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