偶然出会った少女にお願い事をされたから、受け入れる事にしたら人生が変わった!

小春かぜね

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【R-15】稀子編 第2章

第369話 さっきの後処理

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「稀子……忘れ物とかは無いよね!」

 急いでバス出口に向かっている俺と稀子だが、こう言った時は忘れ物を思いっきりするので稀子に聞く。
 俺は手ぶらだし、今日の稀子は、手提げ類やバックは持っていなかったから大丈夫だと思うが……

「うん! 大丈夫だよ。比叡君!!」
「私も今日、手ぶらだから!!」

 穏やかな口調で言う稀子の声を聞きながら、二人共交通系ICカードで、バスの料金を精算してバスから降りる……

『ブロロロ~~♪』

 バスはバス停(竜田)から遠ざかって行く。
 少しのアクシデントが有ったが……無事に俺と稀子は、神社最寄りのバス停に到着出来た……

 此処からは、波津音はずね神社に稀子の案内で向かう訳だが……稀子の表情が急に、険しい表情に変わって俺に聞いてくる!?
 言うまでも無い。さっきの続きを始めるのだろう……

「比叡君……なんで車内で、私の胸を触ったのかな~~?」

 稀子はジト目で聞いてきた!
 まぁ、当然だよな……。俺はそれを弁解する様に言う。

「……俺も、うっかりと居眠りしてしまって目が覚めたのが、この降り場が案内放送された時だったんだよ!///」
「俺も最初は普通に稀子を起こしたけど、全然起きなかったから……それで、緊急事態と言う事で!//////」

「……緊急事態ね~~!(怒)」
「緊急事態なら、私の胸を触っても不問に成ると思っているんだ。比叡君は!!」

 稀子はジト目表情のまま、声を低くして言う。
 稀子のこめかみに、怒りマークが見える感じがする!?
 胸を触られる位なら、寝過ごした方がマシだと稀子は感じているのか!?

「…でも、稀子!」
「寝過ごすよりかはマシだろ!?」

 当然、寝過ごしてしまったら戻らなければ成らないが、あの深い眠り状態では本当に『古城ふるしろ駅』まで、稀子は起きない可能性が有ったかも知れない。
 この『竜田』のバス停から、さっきのバスの終点に成る『古城駅』までは、10分位の時間で着けてしまう感じだ。
 あのまま、稀子を寝かした状態でも良かったが、無駄な交通費を使う事も有るまい……

「そりゃ、そうだけどさ~~」
「幾ら何でも胸はやり過ぎだよ。比叡君!//////」

 不意打ちで胸を揉まれたのが余程、稀子には駄目だったらしく、かなり強めの口調で言ってくる。

「ごめん。本当にごめん、稀子!//////」
「お詫びと言っては何だが、屋台での食べ物を1品奢るから!!」

「ん~~~。私を食べ物で釣ろうとしても許さない訳では無いけど、比叡君がした行為は悪い行為なんだよ!!」
「それは理解しているよね!!」

 食べ物で直ぐに機嫌を直すかと思っていたが、まだ怒った口調で言う稀子。
 今回は、全面的に俺が悪いから仕方ないが……

「それは勿論だよ。稀子!//////」
「本当にごめんなさい!//////」

 ここは屋外の世界だが、俺は稀子に頭を下げる。
 年下の彼女に頭を下げる彼氏も、そう居ないだろうが悪い事をした以上、謝らなければ成らない。

「むぅ~~……比叡君が頭を下げた以上、許して上げるか!」
「許して上げるけど、飲み物も奢ってね。比叡君!!」
「それで……さっきの事は、無かった事にして上げる!!!」

 稀子は悩んだ表情で言うがしっかり、食べ物プラス飲み物を要求して来た!?
 抜け目が無い彼女だ……

「……んっ、分かった!」
「飲み物も付けるよ。それで許してくれるね。稀子…」

「うん…。ゆるす……」

 稀子は真面目な表情で言いながらうなづく。
 一応、これで解決だ。

「……じゃあ、稀子。初詣に行こうか!!」

 バス停付近で話し込んでいても、バスを待っているなら別だが、俺と稀子は初詣をするために此処に来ている。

「うん。行こうか!!」
「胸を揉まれたのはアクシデントだったけど、その代わりに比叡君が食べ物と飲み物を奢ってくれるから、却ってラッキーかも♪」

 俺は全部奢るとは全然言っていないのに、稀子の中では全部俺が奢る事に成っている!?
 けど、稀子の機嫌は何時も通りの口調や表情に戻ったから、これで良いのかも知れない!?

 俺と稀子は二人仲良く、羽津音神社に向けて歩き出した。
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